今日という日は、残りの人生の最初の日。
お久しぶりです、アンです。
しばらくお仕事やらプライベートの都合やらでご無沙汰しておりましたが、今日のこの日を祝う記事くらい書かなければ!と思い久々に綴らせて頂きます。
特に中身も情報もないただの独り言なので、お時間のある方はお気軽にお読みください。
田口さん、36歳のお誕生日おめでとうございます。
こうやってお誕生日を祝うのは個人的には17回目になるんですが、今年はどんな日を過ごされたんでしょうか。
私も一週間後には三十路に突入するので、そろそろ誕生日が嬉しいんだか嬉しくないんだか分からないゾーンに入りつつあります。
んー…思い付きでこの記事を書き始めたので、この一年、ましてやここまでの十数年を語りながら祝うには尺と時間が足りないので、今回はブログタイトルにもなっているこの言葉について語りましょうか。
『今日という日は、残りの人生の最初の日である』映画「アメリカン・ビューティー」のセリフにも引用され、1960年代のアメリカで流行した「Today is the first day of the rest of your life 」という格言。薬物中毒患者救済機関の施設“シナノン”の設立者であるチャールズ・ディードリッヒの言葉だ。昨日のつづきの今日という日。毎日が、これからもずっとあたりまえにつづくと思っていたあのころは、明日につづく今日だった。しかし、今日が明日へと必ずつづくとは思わない今、今日の重みをひしひしと感じる。
私の座右の銘です。(彼にそういう過去があるからこの名言を選んだわけでないということは記しておきたい)
最近になってようやく、「明日は当たり前にやってくるものではない」というような気持ちになるシーンに直面する日が多くなったと感じます。
いや、「死ぬ」とまでは思わなくても、「もう死んだ方がマシかもしれない」なんて思うぐらいに思い詰めることって、10代の頃はなかったなぁって。
例の事件の日も、彼の脳裏に真っ先に浮かんだ言葉は「終わった」という気持ちだったみたいなので、もしかしたら彼もそういう風にほんの少しだけ考えたかもしれないなぁ、なんて思います。
今日という日は「誕生日」という特別な日ですが、正直以前ほどの特別感は感じてなくて。
それこそ数年前は日付が変わる前にスタンバイしてたのに、今年は今になって滑り込みでお祝いしてるっていう。
でもそれはきっと、この一年の中だけでも「特別な日」と言える日がいくつもあって、ひょっとしたら誕生日よりも大事な日かもしれないなんて思うくらいに、毎日が「特別」の連続だった証拠かもしれません。
自ら筆を取って綴ったリリックを、水彩画Pさんのメロディーに乗せて歌った曲を発表したあの日。
8本MVを用意して、ボカロPさんとの渾身のアルバムをリリースしたあの日。
7年ぶりに舞台に立って主演を飾ったあの日。
その一つ一つを「一本の記事にしたい!」とただのイチファンでしかない私が全力を尽くす程度には、この一年は「特別」の連続でした。
(寧ろもっと書きたい事たくさんあったのに全部書き記せなくて申し訳ない)
彼がどんな気持ちで毎日過ごしているのか、遠くから見ているだけの私には分かりません。
でも、何となく「残りの人生」を真剣に考え、今日という日を特別に生きようとしているのかな、と私は「あの日」からずっと感じています。
改めて田口さん、お誕生日おめでとうございます。
たくさんの人にお祝いされて素敵な日だったと思いますが、「正直誕生日なんて数ある特別な日の一日に過ぎないよねw」なんて思えるくらいに、これからも日々「特別な一日」を更新していくことが貴方にはできると信じています。
そんな、「残りの人生の最初の日」を過ごしてください。
舞台『One Night Butterfly』を観た感想 ⑥責任者編
こんばんは、アンです。
毎日レポートを書く生活、そんな中にもやはり波は存在し、思い入れが強ければ強いほど筆の進みが遅くなる…なんてこともありました。
特に主役については「あれもこれも…」と書く内にだんだん収拾がつかなくなり、もう無理せずゆっくり書くか…なんて思っておりました。
だがしかし、何としてでも今日中に上げねばならぬ。
今日がそう思える日である理由を、今の今まで忘れておりました。
そう、本日は田口さんのソロ活動5周年の記念日なんです。(人様のツイートで気づいた)
特にお祝いというお祝いはして来なかった不届き者ですが、今書いているこの文章はお祝いにできなくもないのではないか?いや寧ろ、この5年間になかった仕事である「舞台」の感想が、唯一私ができるお祝いではないか!
というわけで、何としてでも今日中に上げねばならぬ。(二回目)
そんな思いで一気に書きました。
こちらの記事では、バーレスク・One Night Dreamのオーナーの長谷島さん、ホール主任の黒田さん、そして店長の進藤さんについて書かせて頂きます!
※以下、ストーリーのネタバレを含みます。ご注意ください。
※記憶を頼りに書いているので台詞の言い回し等に少々異なる部分がございます。
※長くなります。
舞台『One Night Butterfly』を観た感想 ⑤会社員編
ごきげんよう、アンです。
舞台期間中は雨天ながらも過ごしやすい気温だったのに、最近また暑さがぶり返してきているので外に出たくなくなります。なんだよ、このまま秋に突入するかと期待したのに…
本日の田口ファン界隈は、麻雀配信の観戦日和ですね。(田口淳之介・炎の七番勝負という番組です)
7時間前後の長期戦になる為、スマホやPCから離れられなくなる前に本日のレポを書いておきたいと思います。途中にいつも入る休憩タイムの暇つぶしにでも読んで頂けたら幸いです。
こちらの記事では、食品メーカー企画部社員の川上さん、植木田さんのお二人について書かせて頂きます!
※以下、ストーリーのネタバレを含みます。ご注意ください。
※記憶を頼りに書いているので台詞の言い回し等に少々異なる部分がございます。
舞台『One Night Butterfly』を観た感想 ④テレビ関係者編
こんにちは、アンです。
ようやく休みに入り、ゆっくりした時間を過ごしております。
当初は「毎日レポ投稿する!」って一人で勝手に意気込んでたのに、3日で挫折しました。
「き、今日は大事な月イチライブだからファンのTLに水差したくないし!」なんて都合の良い理由をつけておりますが、単純に疲れてて書く気力がなかっただけです。笑
(配信ライブはリアタイ出来てないしまだアーカイブも追えてません)
でも、完徹した後でもこれから休みだと分かった途端、急にテンションが上がってサクサク文章が書けるようになるから不思議ですね。毎日こうだったら良いのに。(つまりは働きたくない)
こちらの記事では、テレビ局のアシスタントディレクターの大城さん、ディレクターの松永さんのお二人について書かせて頂きます!
※以下、ストーリーのネタバレを含みます。ご注意ください。
※記憶を頼りに書いているので台詞の言い回し等に少々異なる部分がございます。
舞台『One Night Butterfly』を観た感想 ③未来のスターと先生編
こんにちは、アンです。
舞台千秋楽から早くも10日が経ちました。衣装展ももうすぐ終わってしまうので、これから本格的な「ワンバタロス」に陥る方も多いんじゃないでしょうか。うう、私も衣装展行きたかったよ…ギャロン挟んであげてる風の写真撮りたかったよ…(地方在住の悲しみ)
Twitterに記事のリンクをシェアしておりますが、普段お世話になっている田口さんファン以外の方からも少し反応を頂けているようで、誠に恐縮です。ありがとうございます。
他の俳優さんのファンの方とも感動を共有できるのが、舞台の醍醐味ともいえますね。
こちらの記事では、バーレスク・One Night Dreamのボーイの天童さんと望月さん、振付師のTESSHINさんのお三方について書かせて頂きます!
※以下、ストーリーのネタバレを含みます。ご注意ください。
※記憶を頼りに書いているので台詞の言い回し等に少々異なる部分がございます。
舞台『One Night Butterfly』を観た感想 ②バーテンダー編
こんばんは、アンです。
昨日からようやく書き始めた舞台レポート。実際書いてみると舞台のことを色々思い出して楽しいです。こんな拙い文章を読んで頂いた方々、ありがとうございます。
役者さんの情報やイメージカラーは予め内容を調べていたものの、それぞれの人物に関する説明やストーリーの流れは一日で一気に書いているので、勢いに任せて妙なことを書いてはいないかと若干不安です。笑
人物毎に切り取るという「舞台レポとしてどうなんだ」ってスタイルなんですけど、それぐらい一人一人の存在感が色濃い内容だったんですよねぇ…。
そんな感じで割と自由に書いておりますが、見て頂いた方が不快になるような表現や、ご本人様だったりそのファンの方に対して失礼にあたるような書き方だけは絶対しないように気を付けております!
おそらく月末まで続くと思うので、時間のある方はお付き合いくださいませ。
※以下、ストーリーのネタバレを含みます。ご注意ください。
※記憶を頼りに書いているので台詞の言い回し等に少々異なる部分がございます。
舞台『One Night Butterfly』を観た感想 ①キッチン編
皆さんこんにちは、アンです。
この度、舞台「One Night Butterfly」を合計4公演鑑賞させて頂きました。
コロナ禍での東京行きはリスクが大きくとても迷いましたが、結果的に行くことが出来て良かったと心から思える作品でした。
『雄の蝶達の一夜限りの夢』
『とあるバーレスクの悲劇と喜劇』
『舞台という名の筋肉自慢大会』
…等、あの舞台を一言で表す言葉は色々とあるのですが、いつも無駄に長文レポを書いている私はどうしても納得いくまで文章にしたくて。
このご時世ですから、ご家族や職場のことを考えて泣く泣く行くのを諦めた方はとても多いと思います。うーん、そう考えるとその方々がDVDをご覧になれる日まで待った方がいいのか?でも2月までなんてとても待てない…今の記憶が新しいうちの感想を書きたい…
そんな思いで公式さんに問い合わせたところ、「千秋楽後であればネタバレを含む感想は構いません」との回答を頂きましたので、この機会にこちらのブログに記したいと思います。
(こんな個人的な問いに丁寧にお答え頂いたスタッフさん、ありがとうございます。)
今回、私がこの舞台で最も面白いと思ったのは、15人のキャストさんが演じるそれぞれの個性的な「人物像」と「関係性」です。
田口さんが主演ではありますが、他の人物の中にも所謂「チョイ役」のような方は一人も居らず、皆さんとても魅力的で面白いキャラクターを演じていらっしゃいました。
公式アカウントの人物紹介では、役名・職業や店での役割・イメージカラーは書かれているものの、それ以外の情報は全くありません。その人物の性格・経歴・関係性などはほぼ不明です。
しかし、舞台を実際に観た時に「成程、それは自分の目と耳で解釈しろってことね」と私は強く感じたんですよね。
その為、私のレポートではそんな15人の人物像や関係性、そして役者さんについて1人ずつ触れていきたいなぁと。
人物毎に関連するシーンを断片的に切り取る形になるので、時系列はバラバラです。
「時系列順に並んでないレポなんて嫌!」という方は多分他の方が書いてくださると思うのでそちらをご参照願います。(人任せ)
こちらの最初の記事では、バーレスク・One Night Dreamのキッチン担当、魚住さんと佐々木さん、宮本さんのお三方について書かせて頂きます!
(あ、進藤店長については一番最後まで勿体ぶります 笑)
※以下、ストーリーのネタバレを含みます。ご注意ください。
※記憶を頼りに書いているので台詞の言い回し等に少々異なる部分がございます。
替え玉人形はどっち? ―『DUMMY』を聴いた感想
こんにちは、アンです。
「曲の感想を長々と書くだけ」の毎日ルーチンも今日で最後になりました。
幸せな8日間だった。終わりたくない。あと100曲は書ける←
■DUMMY feat.mihako
▼Lyrics&Music:mihako様
▼VOCALOID MV
・Illust:ROROICHI様
・Bass:ペロ様
・Vocal:音街ウナ
▼田口淳之介 MV
・Director:Ko様
・Hair&Make: 原みさと様
・Stylist:KEITA UCHIDA様
・Costume:ACUOD by CHANU様
・Special Thanks:AIR GROUP様
■田口さんによるレビュー・制作過程
・ツイキャスにmihakoさんが参加されていなかったこともあり、田口さんやご本人様からのレビューや制作過程のお話が全く拾えませんでした、すみません…
いつかどこかでお話を伺う機会があれば追記させていただきます。
■mihakoさんのこと
・中毒性のあるメロディとエモーショナルな言葉選びで独自の世界観を奏でる、少し尖った異端のルーキー。
・実写映像やストーリー性を散りばめた奇抜なMVにも定評がある。
(告知Twitter紹介文より抜粋)
■mihakoさんのオススメ楽曲
▼アブノーマルワンダーシティー
■田口淳之介ver.MVについて
・サビ部分の独特な振り付けは、撮影場所に行く最中の車内で田口さんが自分で考えたもの。TikTokにありそうな雰囲気の振付にしてみた。
(夢とか、感情のぶつかり合いとか、鳴いてっていう歌詞と綺麗にリンクした振り付けは何とも彼らしい)
(流石に撮影で酔っぱらうわけにはいかなかったか 笑)
・撮影場所は新宿のホストクラブ。
(新宿…ホスト…シャンパン…黄金の薔薇…。これらの要素に反応した方は私ときっと趣味が合う)
・ボカロ版MVにも実写のシーンや田口さんの姿が少しだけ出てくる。
・MVの中では一番最初に撮った作品。
■総括
前作、ジュウゴノシンゾウとは対照的な締めくくりの曲でした。
「Dで始まり、Dで終わる」という構成にはなっているようですが、まさかこんなリズミカルな曲がラストになるとは!
この曲に関しては本当に解釈が難しくて、MVの方も独特の雰囲気はあるものの歌詞とリンクするような部分がなかなか分からず…
しかし、ボカロ版のMVが公開された時点で、何となくですが感じるものがあったのでレビューが書けそうです。
決して田口さんの振り付けが可愛いだけの曲ではありません!笑
まず、全曲実写MVがある中で、唯一ボカロ版と実写版がリンクした映像となってましたね。
「実写MVを全曲撮る!」と本人から聞いた時は嬉しい反面、「折角のコラボだからボカロを感じる映像も欲しいなぁ」って思ってました。
だから、ティーザーでボカロ版のMVの絵であろうものをバックに歌っているのを見た時は「これこれー!」ってテンションが上がりました。
さて、肝心のリリック部分ですけど、若干ラップ調のリズムに独特な言葉がたくさん並んでて、世界観を思い浮かべるのが難しいです。
田口さんのMVにあるシャンパンだとかチェスにヒントがあるのか?とか色々考えるも、どうも結びつかない。
そんな中、唯一映像と歌詞がマッチしたのがここです。
『鋭利なYELLOW』『濡れた艶やかな赤』
東京グレースケールと同じく、この曲にもありますね、「色」の表現。
あっちに比べたらこの2色が何を表してるのか正直分からないんですが、多分「僕」と「君」という2人の人物を表した色かなぁって思いました。
田口さんのMVには、シャンパン・シャンデリア・黄金の薔薇といった「黄色」のアイテムがたくさん出てきます。画面全体が黄色っぽく見える効果も所々で入ってますね。
一方ボカロ版は、真っ赤な背景に赤い王冠(絵の中の人物が被っている)、赤い薔薇と、全体的に「赤」を感じる映像です。
歌詞に入っている色の要素が、それぞれの映像に落とし込まれているように私は感じました。
色味の異なる映像ではありますが、どっちにも夜のお店っぽい雰囲気はあり…
それからすると、
「鋭利なYELLOW」=ホストの男性
「濡れた艶やかな赤」=女性客
…っていうのが率直なイメージですかね。
あと、そもそも曲名の「DUMMY」ってどういう意味でしたっけ。
…いや、何となくは分かるんですけど説明しろって言われると難しくないですか。
そういう時は調べるに限ります。
dummy(ダミー)の意味と使い方――人間に見せかけた人形、ダミー人形、マネキンといった意味になります。dummyだけでマネキンのような人形を指すことができます。――「見本、模造品、代用品」など特に検査やチェックなどのために使われます。また形容詞で「見本の」の意味にも使えます。――愚かな人を指すこともあり、「ばか、のろま、まぬけ」といった意味になります。
仮にこの曲が「とあるホストの男性から見た女性客への思い」だとすると…
『ほら 君なんて親愛なるダミーさ』
っていう言葉、とんでもなく酷いな!って一見思います。
「人形」て。「代用品」て。「間抜け」て。
…うん、でも実際のところそういうもんだよねあの世界は。
しかし、それって本当に男性側だけの一方的な考えでしょうか?
これだけで終わったらまるで単なる嫌な野郎の視点で描かれた歌詞みたいですけど、この曲と映像が表現したいのはそういうことではない気がするんですよ。
ボカロ版MVでは、実写版で田口さんのバックに映っていた絵が全面に出ているのは勿論のこと、途中で実写MVの田口さんの姿も少しだけ出てきます。
初めて見た時は「ボカロ版にも田口さんいる!」って単純に喜んだだけでしたけど、ひょっとしてあれって「女性側の視点」で見た彼なのでは?
また、両方のMVにチェスが出てきますが、ボカロ版のチェスの映像は、実写版MVの「見えない対戦相手」の視点だとも取れますね。
席に座ってチェスの駒を動かしている田口さんの向こうに、対戦相手はいません。(アングル的に映ってないだけかもしれませんが)
自分一人が一方的にキングを撃ち取ってるつもりだろうけど、実は相手だってキングを狙う手は持ってるんだぜ、みたいな。
(田口さんの駒はゴールド、ボカロMVの視点での駒はシルバー。ボカロ版に一瞬映る駒のイラストはナイト。田口さんが動かしているクイーンという最強の駒には劣るものの、動きによってはキングとクイーンを両取りできる超強い駒)
たとえホストが客のことを、まるで自我のない「人形」のように見ていたとしても、客である女性にだって自分の考えや思惑というものがあるわけで。
所詮疑似彼氏である以上、「いつでも乗り換えられる代用品」であることはお互い様だったりします。
ホストにとって代わりの客はいくらでも居るように、女性にとっても貢ぐ代わりはいくらでもいるんです。シャンパン入れてもらって浮かれてる場合じゃないんだよまったく。
『もう君だけではないからさ』『もう君だけには興味がない』
そんな風に思っている、もしくはこの先思う可能性があるのは女性の方だって同じかもしれません。
もし自分だけが相手を掌で転がしてるつもりなんだとしたら、「愚か」なのは果たしてどちらなのか。
『不埒な君のその本性』『君は今何考えてる?』
でも、所々でこんなことを言ってる辺り、実は薄々気付いていたりもするのかな。
そう考えたらラストのちょっと半音下がった『親愛なるダミーさ』は、少し自嘲気味に言ってるようにも聴こえてきます。
また、初めて見た時から気になって仕方がなかったボカロ版MVの英文の内容からも、そんな心情が読み取れるような気がします。(久しぶりに英文を訳したので内容には自信ない)
Luxury must be comfortable. otherwise it is not luxury.―贅沢は快適でなくてはならない。そうでなければ贅沢ではない。I cherish you. even if you are a “DUMMY“.―大切にしている。たとえ“ダミー“であっても。If someone betrays you once, it’s their foult. if you betray you twice, it’s your foult.―1度裏切られたらその人の所為。2度裏切られたら自分の所為。Happiness is not a goal… it’s a by-product of a life well lived.―幸福はゴールではない… それは人生を豊かに生きるための副産物だ。Don’t ponder, as most communication is filled with lies.―ほとんどの会話は嘘で満たされているのだから、熟考する必要はない。There are fake friendships and fake romance. Each of us our own way of enjoying it.―偽物の友情もあれば、偽物の恋愛もある。それぞれの楽しみ方があるのだ。(ナイトのイラスト部分で書かれていた英文は、一部がどうしても読み取れませんでした)
これがどっちの視点で語られたものかは分からないけれど。
前述で話した私の推測が正しければ、両者のどちらが考えててもおかしくはないかと思います。
まさに、拘束が解けたらお互い何かが痛むのかもしれない、救えない関係ですね。
「考えることは自分も相手も同じようなもの」という、同じDから始まる1曲目とはまるで逆の感情を描いているように感じた楽曲でした。
味わった人しか分からないわよね ―『猛毒』を聴いた感想
こんにちは、アンです。
いよいよ舞台が近づいてきたので暑さに耐えられるぐらい髪をバッサリ切ってきました。
荷造りとか交通ルートの確認とか色々やることはあるけど、その前に今日の曲のレビューを書いてからにする。
■猛毒 feat.ど~ぱみん
▼Lyrics&Music:ど~ぱみん様
▼VOCALOID MV
・Illust:カトレア様
・Movie:さようなら様
・Vocal:初音ミク
▼田口淳之介 MV
・Hair&Make:原みさと様
・Stylist:KEITA UCHIDA様
・Costume:ACUOD by CHANU様
■田口さんによるレビュー・制作過程
・このアルバムのトラックランキングナンバー1だと思うぐらいトラックが好き。
・MVも「猛毒」っぽい毒々しさを感じるものになっている。
・対談は蝉がお鳴きになっている外から参加されたど~ぱみんさん。
(ここ前回のアサイウミさんの雨音のくだり思い出してめちゃくちゃ笑った)
・ご本人曰く、普段はコソコソと楽曲を作っている。
田口さん「コソコソって 笑」
・今回の企画の存在を知ったのは、前回参加されたsavastiさんとクラブハウスで会話していた時。また、最近交流のある絵師さんからも田口さんの企画の話を聞いて応募したら見事に当選。
・savastiさんとはエレクトロでアンダーグラウンドな曲のスタイルが近いので意気投合していた。
・今回はボカロ版MVと実写版MVの両方を公開するので、折角だから企画を教えてくれた絵師さんにMVの絵をお願いすることに。
元々とても絵の上手い方だが、今回の楽曲にピッタリ嵌まる絵を描いてくださった。
・田口さん版のMVは7/14にiTunesにてリリースされるが、ボカロ版MVは7/21からアルバム曲順に毎日公開。この時点の田口さんはまだ「猛毒」のボカロ版MVを観てない。
しかしボカロ版のMV公開についてまだ打合せしていなかった模様。
コウさん「皆さんどうします?プレミア公開します?」
水野さん「どうしましょうか?田口さん、統一した方がいいですか?」
(以下、ボカロPさん達と田口さんの業務連絡が続く。ここでやるの 笑)
曲名が先行した状態で公開するのが初めてなので新鮮味を感じるボカロPさん達。
■ど~ぱみんさんのこと
・「Liberty」や「蚕の冠」など、エレクトロ系のキャッチーな曲調でイメージカラーでもある紫らしさをメロディーとして表現される。
(告知Twitter紹介文より抜粋)
・まだ若いのにスキルの育て方がエグい。おそらく今回の参加ボカロPでは最年少。
・ど~ぱみんさんの語彙が好き。「そんな言葉よく知ってんね」と思う。
(リリース記念ツイキャスより)
■ど~ぱみんさんのオススメ楽曲
▼蚕の冠
■田口淳之介ver.MVについて
・英語版タイトルは訳すのが難しいので、音楽配信サイトでは「MO‐DOKU」にした。
でも実写版MVでは最初に「DEADLY POISON」という訳が出てくる。
(調べたら「死に至る毒」っていう意味になるみたいです)
・夜の23時から撮影開始。全体的に暗い中で撮影したので曲のダークな部分が表現されている。
・撮影場所は渋谷。
(タイニーバニー踊ってみたと同じ場所だ!と皆初見で分かったと思います)
・衣装は安心と信頼のACUOD by CHANUさん。
新しいアー写、7月の月イチライブで着た衣装でもある。
(ライブの8カメアングルで見た時、改めて世界一似合うって感じた)
・ラスサビのグルグル回る映像は、スタビライザー(手ブレ防止)を付けたカメラで撮っている。
・曲中のダンスは振付師さんがついている。振り覚えに要した時間は3時間弱ぐらい。
(「早!」って普通は思いますが、田口さんにしては3時間ってまあまあ時間かかった方じゃないかな)
■総括
リリース発表で曲名を見た時、「あ、これ田口さんっぽくないと見せかけて、実際はめちゃくちゃ田口さんに合うやつだな?」という妙な勘が働いたのを覚えています。
前作ジュウゴノシンゾウに「祈るほど後悔」という曲がありましてね…
全14曲の中の闇属性ともいえるその曲が彼の歌声・ダンスと驚くほどの親和性を魅せて以来、「田口さんの歌う闇属性曲における無限の可能性について」をずっと考えておりました。
そうしたらなんと、あのsavastiさんとど~ぱみんさんがお知り合いだったって言うじゃないですか!
聞いて驚きつつも、「そう言われたらそんな気もする」みたいな納得感もあり。
何にせよ、そのお二人が繋がってたおかげでプロジェクトに参加いただけたのは良かったなぁ、って素直に思えます。
リリース直後、「皆どの曲好きー?」と田口さんがファンに問いかけた時、各々の好みの曲が割れる中、比較的「猛毒」のコメントが多かったような気がするんですよね。
あの時はまだiTunesに歌詞も出てなかったし、一体何がファンにそんなに刺さったのか?というと…
「これ、絶対にダンス映えする曲じゃん!」っていうのが曲調から読み取れたからに違いありません。
冒頭は明らかに音ハメしやすいメロディーだし、間奏部分の毒が回った時の鼓動みたいなビートなんてもう、もう…(ちなみにティーザーではダンスシーンほんの一瞬しか映ってないです)
さて、そんな「音作り」の部分がファンの心に突き刺さった一曲ですが、リリックの方はご本人から「百合曲」であるという超具体的なヒントが出ていました。(ご本人のTwitterより)
歌詞に「百合」を感じるワードは入っていないので、驚いた方も多いんじゃないでしょうか。
しかしボカロ版のMVは確かに、完全なる「百合」の絵でした。
ジュウゴノシンゾウにも「牡丹」に繋がる曲があり、その時は思わず花言葉を調べたので、これは今回も調べざるをえない。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」って言葉があるぐらいですから、女性の美しさを象徴する花の一つであることが分かります。
――白百合は純潔と清らかさの象徴とされていて、ウエディングなどで使われることが多い花ですが、その反面では、死や悩みのシンボルとも言われていて、お葬式などにもよく使われています。それは、白百合だけに関わらず、百合全体の花言葉に「死」という意味が含まれているからです。
一方で、こういった少し怖い意味を含んだ花でもあるようです。
確かに「首折れる」というイメージから、お見舞いに持って行ったりするのは良くない…って言いますね。
――ユリ中毒では、急性の腎障害を引き起こします。少しかじったり食べたりしただけで、重度の急性腎不全になり、数日で亡くなってしまうこともあります。ユリのどの部位も猫にとって毒性があり、花弁、葉、茎だけでなく、花粉やおしべ、ユリ根などでも中毒になります。植物だけではなく、ユリを活けていた花瓶の水などでも中毒が起こるといわれています。
上のは人間ではなく猫ちゃんにとっての話なんですが、百合は強い毒性を持っているらしいです。
これを見ると少しだけ曲名とリンクしてきました。
まとめると、「とても美しいけど場合によっては死をもたらす花」ということになる。
これだけで曲の雰囲気がグッと掴めてくるので、自らヒントを出していただいたど~ぱみんさんに感謝。
…って、ここまで読んで「違う、そうじゃないだろ」って思う方絶対いると思うし、自分でもこれじゃ不十分だと思う。分かってます。
多分、「百合」と聞いて大半の人が想像したのはこっちの方ですよね。
正直言って「言われなければ分からない」ような隠れテーマだと思うんですけど、言われてみればこの曲の歌詞って女性目線だなぁってやっと分かった次第です。
『もうつまらないわ』『ベルベットのドレスが誘う』『どうでもいいわそんな事』って歌詞を、男性が歌ってこうも自然なところに表現力の向上を感じました。
最初から最後まで綺麗に韻の踏まれた歌詞は、文字で読むとものすごく難解です。
おそらく相当な読解力がないとピンポイントに考察することは不可能なんじゃなかろうか。
もし、敢えて私がこの曲にキャプションをつけるとしたら、抜粋したいのはこれかな。
『こんな素敵な夢誰にもやんない』
「やらない」でも「あげない」でもなく「やんない」っていう言い方がすごく好きなフレーズですね。
これ、「百合曲」ということを念頭に置いたとして、どっちの視点を表す言葉なんだろう。
「猛毒に侵された」彼女なのか、「猛毒を持った」彼女なのか。
個人的には、その両方だったら面白いんだけどな。
「こんな死に至るような快楽誰にもやんない」でも、「この純潔は誰にもやんない」でも、どっちでもゾクゾクする。
『猛毒』って、知らないうちに盛られることはあっても、自分から侵されにいくことってないと思うんですよ。
でも、不意に全身に回った時の感覚は実際味わった本人にしか分からないし、ひょっとしたら「誰にもやんない」なんて思うほど素敵な夢なのかも。(ちょっと何言ってるか分からない)
要は「味わった者にしか分からない」っていう禁断ともいえる感情を全面的に感じ取れたってことです。
自分でも引きそうなぐらい狂気を感じる締めとなってしまいましたが、ライブの1曲目でこの曲を歌う彼を見た時は「こんな素敵な夢誰にもやんない」って確かにそう思えた、そんな楽曲でした。
わたしの思う非対称 ―『言わなければよかった。』を聴いた感想
お疲れ様です、アンです。
魔の5日連続夜勤が終わりました。いやぁ、長かった。
でも長々と文章を書くだけの体力は残しておきました。
■言わなければよかった。 feat.いぶすき
▼Lyrics&Music:いぶすき様
▼VOCALOID MV
・Illust:Yo!シコ様
・Bass:ふぁみ。様
・Vocal:初音ミク
▼田口淳之介 MV
・Director:比嘉悠人様
・Hair&Make:原みさと様
・Stylist:KEITA UCHIDA様
■田口さんによるレビュー・制作過程
・サビ前のベースがポイント。最近高校を卒業したベーシストのふぁみ。ちゃんがベースで参加。
・アンブレラと同じく、ラスサビの転調が印象的。
・田口さんが前回の「ジュウゴノシンゾウ」リリース時に、リリースライブを生バンドでやっていたので、バンドで再現されることを前提に曲を作った。
仮にバンドで演奏するとして、奏者の方が演奏しやすいように意識した。
・キャッチーで分かりやすく、楽器でアレンジされることを想像した上での音作りをしている。
・他の方が今流行りのサウンドで作ってくると思ったので、ゴリゴリのバンド風にし過ぎて浮かないように、且つ生のバンドっぽい音も取り入れたかったので、そのバランスに相当気を遣った様子。
・いぶすきさんの曲制作において、「段階」が凄かったという田口さん。最初はめちゃくちゃシンプルで音数の少ないデモが来た。
田口さん「俺ね、ぶっちゃけ不安だった。出来上がるのこれ?って 笑」
いぶすきさん「めちゃくちゃ申し訳なかったです!」
でも最後はバッチリ仕上げてきたところは流石。
・女性目線の曲を書きたかった。田口さんは男性目線での恋の歌を歌うことはあっても、女性目線の曲はなかった印象。だからこの機会に、自分が書いた女性目線の曲が通るのであれば通したいと思って歌詞を書いた。
・そんな歌詞の邪魔をしないように、極力楽器を減らす方向でいった。いつもの曲だったら楽器をどんどん入れちゃう。
田口さん「俺も女性目線は初めてだから…」
いぶすきさん「初めてですか!?じゃあ一生言って回りますねこれ!」
田口さん「俺の処女をね、取っていったってことですよ」(こらこら 笑)
いぶすきさん「ごめんなさい、絶対他のボカロPさんドン引きしてますよね 笑」
コウさん「怖いわぁ 笑」
(余談)これを聞いた私、「いや、水差すようで悪いけど初めてじゃなくない?」って思ったんですよ。
いぶすきさん「田口さんで女性目線の曲ってあんまりないので歌って頂きたくて」
— アン (@Anne_jewelry) 2021年7月13日
田口さん「俺多分初めてだよ」
いぶすきさん「本当ですか!じゃあ『俺、田口淳之介に初めて女性目線の曲を提供したんだよ』って言って回ります!」
私「水彩画Pさん……((ボソッ」#田口淳之介#9caratDiamonds
(いぶすきさんの正体を知った上で言うと、「よりにもよってこの二人が気付いてないのヤバいだろ 笑」と思ってツイートしてしまった)
後日、田口さんもその点についてお詫びと訂正を行っておりました。南無三。
■いぶすきさんのこと
・活動開始から僅か3ヵ月(2021年1月30日当時)の、新進気鋭ボカロP。
・新幹線が好きなことで知られている。別名新幹線P。
・代表作「Pondering」「JOKER」。
(告知Twitter紹介文より抜粋)
・ツイキャスにて「ボカロPは基本引き籠もっている」という話の流れからいぶすきさんの紹介に入る。
田口さん「そんなコミュ障の中で全然コミュ障じゃない人が一人いるけど」(言い方!)
彼の言う通り、一人だけ確実に明るい声で自己紹介するいぶすきさん。(今回、声だけで聞き分けできない方が多い中、確かにいぶすきさんの声だけははっきり分かる)
(リリース記念ツイキャスより)
■いぶすきさんのオススメ楽曲
▼JOKER
■田口淳之介ver.MVについて
・監督は比嘉悠人さんと田代大地さん。アルバム内のMVで協力いただいたディレクターさんはクラブハウスで出会った方が殆どとのこと。
・撮影場所はちょっとオシャレな感じのトイレの前。「ミラーボックス」という歌詞が出てくるのでディレクターさんがその場所を選んだ。
(最初はこの歌詞とトイレと言う場所が結びつかなかったんですが、ミラーボックスって洗面台のことなんですね)
・奇跡的にめちゃくちゃ人がいなかったので撮影はとてもやりやすかった。
・外での撮影は雨が降るか降らないかギリギリのところだった。
・「言わなければよかった。」のMV撮影は、全8曲の中で一番最後に行った。一番最初に撮った「DUMMY」の頃と髪の長さが若干違う。
(全MVに対して思ったことですが、限られた毛量と長さで様々なヘアセットができるヘアメイクさん凄いと思います)
・最初から最後まで田口さんに笑顔はなく、切ない表情を浮かべている。
(女性目線の曲も、彼氏目線の映像になると「言わなければよかった」ことがあるのは彼の方も同じかもしれないなんて思えてきます)
■総括
試聴の際、真っ先に気に入ったのはこの曲でした。曲のキーもテンポも田口さんの声の特徴にすごく合ったもので、「ああ、田口さんの声と歌い方の癖を間近で聴いたことある人が作ったんじゃなかろうか」って思うような…(皆までは言わない)
初めて聴いた時から「女性目線の曲だ!」ってすぐに分かったのは、お洒落なメロディラインと田口さんの「他とは少し違う歌い方」からです。(個人的に椎名林檎さん味を感じる曲調)
「田口さん初の女性目線曲」という夢は前述の通り打ち砕かれたわけですが、水彩画Pさんとはまた違ったいぶすきさん独自の女性像がそこにはありました。
この曲の一番面白いと思う部分は、インパクトの強い曲名でもある「言わなければよかった」という後悔の念を延々と吐露しつつも、肝心の「何を」言わなければよかったのか?が最後まで分からないところです。
それはきっと、大半が女性であろう田口さんのファンの「言わなければよかった」と思った恋愛経験を、各々の思い出と照らし合わせて聴いて貰いたいための曖昧表現なのかな、と思います。
…まあ、「言わなければよかった」という経験はおろか、恋愛経験の分母自体がほぼほぼ無い私は共感が難しいんですけど。(悲しい)
でも、恋愛をしてこなかったが故の想像力というか、田口さんのMVと歌詞の内容から、どんなストーリーが展開されていたのかの推測はできます。
聴き手によって思い描くものは全く違うという前提で、飽くまでもとある男女の一例としてここに書かせて頂ければと思います。
まず、Aメロの歌詞で印象深いのは「非対称になった」という表現。
『一つだけ剥がれたネイル』『開けたばかりのピアスホール』『非対称になったここで』
ネイルやピアスといった女性特有のアイテム(男性もするけど)で、非対称をお洒落に表現してます。
この「非対称になった」という言葉をどう捉えるかと聞かれると、率直には「気持ちがぴったり重なり合わなくなった」みたいな意味かなぁ、って感じますよね。
別れの曲であることは間違いないので、そりゃ気持ちが重なり合わなくなったのは当然なんですけど。
しかしながら、田口さんのMVを見てると「愛し合っていた二人のすれ違い」とはまた違う解釈もできます。
田口さんのMVで目に残る映像といえば、ガラス戸に添えられた二人の手と、トイレの入り口の扉。
どちらも丁度中心から二分割されたそれらは、一見対称なようで実は非対称です。
その非対称と言える最たる部分は、どちらも「男と女」の違いが強調されているということ。
男性のゴツゴツした手と、女性の綺麗にネイルされた手。トイレの扉の男女のマークの違いもそうです。
非対称に「なった」ってことは、元々は対称だったって意味なわけで。
「男と女」が非対称な関係だという解釈でいくと、対称だった頃は「男と女」ではなかった…?
うーん、ちょっと苦しいけど性別を感じさせないような幼馴染とか、友人関係とかかなぁ。
もし彼女の「言わなければよかった」一言が原因で「男と女」になってしまったのだとしたら、そのシチュエーションとしてはただ一つ、彼女が言ってしまったのは「愛の告白」だったんではないでしょうか。
(つまり、元々恋人だった二人が別れたんじゃなく、そもそも最初から恋人じゃなかったっていう発想)
『切り出したわたしのせいなの』『切り出させたのはあなただから』
ここ、「余計なことを言ったわたしが悪いけど、言わせたあなただって悪いのよ」っていう女性特有の身勝手な心情が出てて好きなんですよねぇー!(と、Twitterでも私は主張した)
どんなシチュエーションにも当て嵌められる心情ですが、私が唱えた説に当て嵌めるとしたら、「告白したわたしのせいだけど、それほど好きにさせたあなただって悪いのよ」って意味だと捉えられなくもない。
気持ちを伝えなきゃ今まで通りの仲でいられたのに、伝えたが故に関係がギクシャクしてしまうっていうのはドラマや漫画でもよくありますね。
男性側が「ごめん、そういう風には君を見られない」みたいに答えたんだったら、そりゃ「言わなければよかった」って思うのも無理はない。
『奢らないでね馬鹿』
最後に、歌詞の気になった&気に入ったフレーズをもう一つ。
この部分は田口さんの歌い方が好きってのもさることながら、漢字表記がこっちだとは思いませんでした。
耳だけで聴いた時はてっきり「驕らないでね」の方かと…
けど、よくよく考えたら状況的にも心情的にもこっちが正解でしたね。
要は「彼氏みたいなことしないでよ馬鹿」ってことだ。
さて、今回は水彩画Pさんに続く二作目の女性視点の曲ですが、二人の思い描く女性像が割と対照的なところも面白いです。
最後まで想いが言えずに成就しなかった彼女と、言ってしまったが故に玉砕したであろう彼女。
遊郭の女性の奥ゆかしさもいいけど、現代の女性の少し強気な感じも魅力的でいいなあ。(もしかしてそれぞれ二人の好みのタイプなのかしら)
彼の歌う女性視点の曲に無限の可能性を感じた、そんな楽曲でした。