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掌に、オンガクをひとつ。 ―Special Live -ジュウゴノシンゾウ- USB映像を見た感想

ジュウゴノシンゾウspecialliveのUSBが届きました。

8/2の公演から約3ヵ月、当初の予定よりは少し遅れたようですが、本来ライブの映像化というのはかなり時間を要するものなので、その間にも色々なお仕事と並行しての制作にしては早い方だったと思います。
ずっと心待ちにしていたので今日届いた時は速攻ウォッカのメロンソーダ割りを準備して鑑賞しました。
少々頭も整理できてきたのでここに感想を残したいと思います。
まだ届いていない、又は未視聴の方はネタバレにご注意ください。
 

田口淳之介 Special Live -ジュウゴノシンゾウ-

 2020.8.2 六本木 morph-tokyo
 

■live映像

詳しい内容についてはライブレポで語った通りなので割愛します。宜しければ下記をご覧ください。
 

 
・「デジタルの方が画質が綺麗だ」と思って、初の試みのUSB映像。そう言っていただけのことはあり、DVDとは比較にならないほどの高画質で鮮明な映像でした。
・配信の映像とはまたカメラワークが異なり、ライブUSB用に撮った映像という感じ。とりあえず田口さんの顔の良さが抜群に活きてた。
・音響の関係からか配信はCD音源の被せの印象がありましたが、USBではマイクの音をしっかりと拾っていて生歌感が強かった。
・バンドメンバー登場後は奏者にもしっかりフォーカスを当てたカメラワークです。飛鳥さんの弾く鍵盤、青山さんが叩くドラムも固定カメラで映しており、所々でアングル切り替え有り。シシドさんは慣性スケーター、水彩画Pさんとふぁみ。さんはCc:京都遊郭にて、空蝉。でバッチリ見せ場がありました。今回ライブに協力してくださったバンドメンバーの方々に対するリスペクトを強く感じます。
・MCは全カットで、息つく間もなく次々に曲が始まります。DVDではないのでチャプター割もありませんが、全体で1時間ぐらいなのであっという間に一周回って何周でも見れる感じ。
・お持ちのスマートフォンタブレットにデータ移行して視聴も可能。いやぁ、ベッドで寝ながら見たい私としては良いですね。テレビ派の人は少し戸惑った面もあるでしょうが、PCやスマホが映像視聴のメインになっている今の時代にすごく合った試みだと思います。コピーガードも何も付いてませんが、「コピーはやめてね♡」という田口さんのお願いを彼のファンがきちんと守るであろう、と信頼された仕様だと勝手に思っております。
・どうせなら田口さん独自のスタイルとしてUSBは今後も積極的にグッズ展開として活用して頂きたい。行く行くはUSBコレクション用のカードケースなんかグッズ化すると良いと思うんですが、どうでしょう田口さん。
 

■メイキング

リハーサルの様子や、バンドメンバーの方々のコメントがガッツリ入ってます。
ライブ本編では田口さん以外の方は殆ど喋ってないので、奏者の声を聴けるというのはなかなか貴重。
 
Dr:青山秀樹さん
「(田口さんとは)高校からの同級生で、色んな縁でまた一緒にできて嬉しい」
 
Twitterでも、17年来の友として田口さんとの共演を喜んで頂けて嬉しかったですね。「本当に色々あったけど」の重みが凄いよ…
・二人が一緒に過ごした高校は日本芸術高等学院です。同級生ですが、田口さんは編入生なので年齢でいうと田口さんの1個下ですね。(プライベートな話だけど割と有名だと思うので気安く書く)
・実はKAT-TUN時代にもCHAINというライブで共演あり。今回は6年ぶりの共演。
・確かニコ生で青山さんとカフェでお喋りした話をしていましたが、完全にこのライブでの共演を匂わせる伏線でしたね。
・ドラム歴は15年ほど。「全然成長しないですね!w」なんてまたまたご謙遜を…。田口さんをメインに抜いてたカメラワークでも良い位置に入っていたので青山さんの姿はよく見えたのですが、ドラムを演奏している時の笑顔が本当に素敵な方でした。
 
Gt:シシドさん
「めちゃくちゃ緊張してますけど頑張ります」
 
・ジュウゴノシンゾウ収録曲「慣性スケーター」を作曲してくださったボカロPさんですね。ギター歴は6年ほど。クールな曲調が多いので、実際にお姿を拝見した時は良い意味でイメージが違って可愛らしいウサギさんでした。ボカロPさんですがすごくゆるふわな感じの絵を描かれる絵師さんでもあります。
・今回のバンドでは水彩画Pさんとツインギターという贅沢仕様。水彩画Pさんは中盤で登場されるので、それまでのギター担当としてステージを盛り上げてくださいました。
・慣性スケーターのパフォーマンスでは田口さんにすごく絡まれてましたね。田口さんも作曲者と一緒にステージに上がれるのが本当に嬉しかったんだろうな、と伝わってきます。
・シシドさんの楽曲はテーマや歌詞にリアリティがあって共感できる部分がとても多いので是非他の楽曲も聴いて頂きたい。割と幻想的な曲が多い田口さんが歌う慣性スケーターにも、本人が同調できる部分が多かったようです。
 
Ba:ふぁみ。さん
「とにかく楽しんでできればいいなと思います!」
 
・ジュウゴノシンゾウ収録曲「Cc:京都遊郭にて、空蝉。」でベースを演奏してくださいました。今は延期となっているボカロJUNctionの出演予定の方でもあります。
Youtubeでフォロワー40万人越えの凄腕JKベーシストさんです。ベース歴は6年程だそうですが今の年齢から考えると相当幼い頃からされていたんですねぇ…
・彼女のベースの魅力は、とにかく楽しそうに演奏しているのが画面越しに伝わってくるところですね。田口さんのダンスを観ていても思うんですが、曲のチョイスや技術よりも一番パフォーマンスを魅力的に見せるのは「本人が楽しそうにやっていること」だと思うんですよ。田口さんも「こんなに楽しそうにベース弾く子がいるんだ」って言ってたしね。
・水彩画Pさんとふぁみ。さんとフォーティーンさん(MV絵師さん)はチームCc京都。みんなでダイヤモンドフェスを見に来てくださった仲良しチームです。これからも仲良くして欲しいな。
 
Gt:水彩画Pさん
「プレイヤーとして、テクニックも気持ち的にも熱い人が集まっているので良いライブになると思います」
 
・ジュウゴノシンゾウ収録曲「Cc:京都遊郭にて、空蝉。」を作曲してくださったボカロPさん。作曲もプレイヤーも動画編集も全部一人でされるというハイレベルな方です。
・もう「みんな大好き水彩画Pさん」と言っても過言じゃないくらい田口さんのファンにも支持されていると個人的に思います。プロジェクトへの参加から始まり、それ以外にもボカロJUNctionの立ち上げだったり今回のバンドマスターだったり、色々と田口さんのフォローをしてくださって頭が上がりません。
・水彩画Pさんの楽曲は曲自体のクオリティもさることながら映像へのこだわりの強さをとても感じます。例の楽曲のMVも撮影から編集まで担当してくださいましたが、非常に良い仕上がりとなっています。
・最近は田口さんと夜遅くまで黙々と作業してたみたいですね。田口さんのチラ見せが絶妙でしんどい。はよ見せろ。(これからもどうぞ宜しくお願いいたします)
 
Pf:飛鳥さん
「人と一緒に演じる機会があることが本当に個人的に嬉しい」
 
・ボカロJUNction出演予定のピアニストさん。多分ここからの繋がりだよね。今回のライブでは平田義久さんの「stay with me」の前奏として美しいピアノを奏でてくださいました。
・ピアノ奏者でもありますが実はカメラマンでもあります。Twitterによく美しい写真をアップされてます。田口さんが出演したダイヤモンドフェスではライブフォトを撮って頂きました。
・10月に発行された会報紙には彼が撮った田口さんの写真がしっかりと掲載されています。(そこでフルネーム見ちゃった)田口さんはステージで動いている様子を瞬間的に捉えた奇跡の一枚が特に美しいんですが、その奇跡を抜き取るのは実はとても難しい。しかし、飛鳥さんの写真は彼の限りなく正解に近い一瞬を見事に抜いていました。鳥の写真をよく撮られているので、動くものを撮ることが得意な方なのかなと個人的には思っています。
・今回のバンドメンバーは少しシャイな雰囲気の方が多い中、飛鳥さんは割と饒舌に話しておられる印象でした。「こんな若僧にも気さくに接してくれて、非の打ちどころのない方っているんだなって」というコメントに狂喜乱舞した田口ファンはこちらです。
・田口さんも飛鳥さんを含め若い方々とたくさん触れ合って、かつての自分を思い出すようなパワーを受け取っているのではないかと感じています。(しかし22歳とは…田口さんとちょうど一回りも離れてるのね…)
 
Vo:田口さん
「皆それぞれ実力者が揃ってくれて、気持ちよく歌わせてもらってる」
 
・田口さんのこのコメントの説得力は前述のバンドメンバーの説明を見て頂けると十分伝わると信じています。バンドスタイルはやっぱりCD音源とは音の厚みや迫力が全然違うので、田口さんも自信をもって歌えたと思います。
・メンバーが紹介されたときは皆さん見事に知っている方ばかりでとても感慨深かったのを今でも覚えています。全員この映像では表情までバッチリ抜かれていましたが、本当に楽しそうに演奏しているのが表情から伝わってきました。
・リハの映像のダンスのキレは相変わらず。こんなにボーカルが動くバンドは他に居ないであろう。ジュウゴノシンゾウの楽曲は田口さんのオリジナル振付がたくさん見られます。祈るほど後悔は傑作。
・ライブの練習は7月から1か月ほど行っている。ジュウゴノシンゾウを何か一つのステージとして完成させたいという気持ちからこのライブが生まれた。
 
その他のやりとりとか色々
・作者としてステージに出る気持ちってどうなの?とシシドさんに絡む田口さん。曲がまた新しく出来上がった感を感じつつ…と慎重に言葉を選ぶシシドさんに「作って終わりじゃないよね!」と田口さんがコメントします。(MC慣れしていないボカロPさんに自然な形でフォローする様子が良いですね)
・ボカロの文化は歌ってみた等の二次創作こそが魅力的で、田口さんが可能性を感じた部分。
 田口さん「もっとみんなが音楽に触れられるといいよね」
・ライブ当日のリハの映像もあり。当日の私服はマスクとお揃いのストライプ衣装。マイクテストとか映像のチェックとかの様子が凄くリアル。裏方の皆さんの声も聞こえる。店長の遊佐さんもお名前が聞こえました。ステージに立つ人から名前を呼んでもらえるのって凄く嬉しいことなんじゃなかろうか。
・本番前にはバンドメンバー全員で円陣。こういうの良いよねぇ…
 田口さん「くれぐれも楽しくなりすぎるようにお願いします!w」
・ライブ前の意気込みについてインタビュー。カメラマンはいつものふぁんさん。
 飛鳥さん「青山さんの睫毛が凄く長いなって話をしてました。睫毛がくせ毛なんですって!アイコンタクトでも睫毛ばっかり見ちゃうと思います」
 青山さん「嬉しいです。睫毛だけを頼りに頑張りたいと思います」
 いや何だこのやりとりw座ってインタビュー受けてる飛鳥さんとメイクされてる青山さんが交互に抜かれてるの笑うしかない。
 ふぁんさん「それはライブの意気込みじゃなくないですかw」
・いそいそとステージの準備をしている水彩画Pさんにもインタビュー。
 水彩画Pさん「今日はふぁんさんの眼鏡が白いなって感じですよ」
 ふぁんさん「そこじゃないと思いますw」
 すぐにふざけたがるところに定評のある人たち。田口さんがボーカルなだけあって緩いバンドだなぁ全くwしかし半数が顔出しNGのバンドでもシシドさんやふぁみ。さんはマスクONの顔が撮られてるのに対して、水彩画Pさんは頑なに首から下しか映らないところにバーチャル感を感じる。その後コロナ禍で人が集まってライブをやるのが久々で楽しみ、というきちんとしたコメントを下さりました。水彩画Pさんはライブ前に髪を切ったらしい。
・ライブを終えた感想を田口さんにインタビュー。ステージに出た時にお客さんが待ってくれていたことが嬉しかった。それに、バンドメンバーが終わった後に皆楽しかったと言ってくれたことがフロントマンとして何より嬉しい。
 田口「皆が楽しんでくれるのが本当に幸せだし、やれてよかったなって思います」

■総括

8月のライブ以降、アーカイブ期限が切れて丁度記憶から薄れかけていたころだったので、全てが新鮮に感じられました。
配信映像では割とMCが多いのもあって田口さんのライブ特有のアットホームで優しい雰囲気が印象的でしたが、USBの映像は完全に音楽にフォーカスを当てられているような感じがしました。
ライブ映像はこれまで何度も見てきましたが、演奏する方々の手元や楽器がここまで大映しにされるのってあんまり見たことが無いので、今回のカメラワークはそこに田口さんのこだわりを強く感じましたね。
また、バックのプロジェクターには楽曲のMV映像が映し出されていますが、そこも所々でアップになっていてこれはボカロPとのコラボ曲から成り立っているライブであるということが伝わってきました。
 
「ジュウゴノシンゾウを作る過程から、このライブまでが一つのパッケージだと思う」と田口さんがコメントしていました。
ジュウゴノシンゾウのリリースは6月ですが、それに付随して「ジュウゴノシンゾウspecialweak」なるものが存在し、ボカロPさんとの対談や、田口さんから制作過程のエピソードを語る生放送がありました。何名かのボカロPさんはチャットにも参加してくださいましたね。
それからの最終形として開催されたのがジュウゴノシンゾウspeciallive。それを収録した今回のUSBではバンドメンバー一人一人の肉声を聞くことができました。
その「一つのパッケージ」から、音楽やステージを作るのは本当にたくさんの方の手によって成り立っているものであるということを彼は伝えたかったのではないかな、と私は感じたんですよ。
彼が歌う姿なんてもう15年以上見ていますが、制作者や演奏者にここまでクローズアップした映像って初めて見る気がします。
青山さんなんてJ時代のライブに関わってる方なのにあの頃は全く知らないに近かったし、ましてや作詞や作曲や映像制作を手がけている方がどんな人だなんて考えたこともなかった。
でも、その人たちがいないと音楽もライブも出来上がらないので、今回そんな方々を一つのアルバムからたくさん知ることができたのは本当に貴重な機会だったなぁとしみじみ感じています。
実際、これまで携わってくださったボカロPさんや奏者さんや歌い手さんをTwitterで全員フォローしてから、以前よりだいぶ幅広い音楽を聴くようになりました。この間平田さんのアルバム買っちゃったしね。(滅茶苦茶良かったので良かったらチェックして欲しいです)
途中で「皆がもっと音楽に触れられるといいよね」という言葉は、他のジャンルの方々に自身の楽曲を聴いて欲しいという意味もありますが、同時に田口さんのファンの皆様にも色々なジャンルの音楽に触れて欲しいという意味も含んでいるんじゃないかな。
 
今回のUSBは手のひらサイズの非常にコンパクトなものですが、たくさんのボカロPさんをはじめとした方々の音楽がギュッと詰まっている1枚です。
11月のライブに初めて参戦されるご新規さんが個人的には散見されるのですが、いずれその方々に「何それ欲しかった…」と言われる日もそう遠くはないかな、と誇らしげにUSBを眺めている私でございます。限定版だからその時しか手に入らないプレミアなんですわ。
 
あの暑い暑い夏に行われたライブから約3ヵ月、11/4にはまたこのバンドメンバーが再び集結します。(シシドさんは残念ながら不在ですが…)
田口さんと昔から仲良くして頂いているDAZZさんとKIRAさんも来るよ。
その方々が同じライブに出るってなんか新鮮ですね。
 

 
「Chance」という名の通り、たくさんの方が彼の音楽に触れる「好機」となってくれるといいなと思います。