今日という日は残りの人生の最初の日

人生を充実させるコツは、より多くのものを好きになること。

いつかは、今夜だけじゃなく ―『今夜だけは踊っていたいよ』を聴いた感想

こんにちは、アンです。

昨日のSUPANOVA、最高だったみたいですね。まだ追えてないんですがいずれは画面越しに楽しみたいと思います。
今は思わず踊りたくなるようなこの曲について書かねばならぬ。
 

■今夜だけは踊っていたいよ feat.知田そら

▼Lyrics&Music&Illust:知田そら様

VOCALOID MV

Vocal歌愛ユキ
 
田口淳之介 MV

DirectorDAZZ様
Hair&Make原みさと様
StylistKEITA UCHIDA様
 

■田口さんによるレビュー・制作過程

・チルなイメージの楽曲。ボカロ版との対比を是非聴いて欲しい。
・今の流行に寄せた声のエフェクトを今回のアルバムでは多用しており、この曲もそのうちの一つとのこと。
ツイキャスで田口さんに自己紹介を促されるも、「特に自己紹介が思いつかないです…」と言う知田さん。
(かなりシャイで奥ゆかしい方のようなので、田口さんがどうにか話を引き出そうとしている)
・いつも作っている楽曲はLofiHiphop系の楽曲。
・田口さんがYoutubeに上げている曲の中で「歌っていたい」というフレーズがとても気に入り、それなら自分は「踊っていたい」という歌詞を入れたいと思った。
(えええどれだろう…Stay Trueの「ここで生きていたいんだよ」は同じニュアンスではあるけど…)
・MVではZOOM調の今のご時世にあったものにしており、月を見ながら踊っていたくなるような雰囲気感を表現した。
 自分の曲が実写MVになったのを観た時は、自分のことなのに実感がなさ過ぎて他人事のように思えた知田さん。
 知田さん「ああ、自分が作ったっぽい曲が使われているなあ…みたいな」
・今は自称「底辺ボカロP」。
(いや絶対そんなことないです世界に見つかってないだけですと言いたい私がいる)
 最近マイクを買ったので、今後は自分で歌ってみた曲も出してみたい。
 

■知田そらさんのこと

・LofiHiphopのようなチルでお洒落な雰囲気の楽曲を制作するのが得意な方。
 (告知Twitter紹介文より抜粋)
・最近改名しており、「ちだ」さんとなっているが元々は「ちるだ」さんと読むお名前だったとのこと。
・今回の企画で唯一の女性ボカロPさん。
 (リリース記念ツイキャスより)
 

■知田そらさんのオススメ楽曲

▼いたいたいや

 

田口淳之介ver.MVについて

・ZOOMをイメージした「固定カメラ」でいこう、という前提で監督のDAZZさんと一緒に撮影場所を選定した。このご時世、会いたくても会えないけどオンラインでなら…というコンセプトになっている。
・撮影時に作ったスムージーは実際に飲んだ。でも蜂蜜とか何も入れてないから甘くはなかった。
(スムージー作ってるシーンもただ映像流してるだけじゃなく、上手い具合にカットして音に嵌めてるのが良い。しかし出勤前ならともかく、帰宅後にスムージー飲むって変わってるなぁ 笑)
・監督のDAZZさんは田口さんと付き合いが長いこともあり、ファンの気持ちをよく分かっている。実は「毎日JT」という裏テーマがあるらしい。
(このしてやったりの「くそ、分かってやがる!」感よ)
・お風呂に入ってパジャマに着替えて、ベッドに入って眠るシーンまである。パジャマはかなり着心地の良いものだった。
ティーザーで見た時「パジャマみたいな衣装だな」って思ったら本当にパジャマだったとは)
・プレミア公開のチャットにボカロPの呆さん(かつての左手さん)登場。前回のジュウゴノシンゾウでご縁のあった方が見てくれるの嬉しい、と田口さん。
(「2回目のお風呂入らなきゃいけなくなりそう」ってコメント、私も全く同じこと思いました 笑)
 

■総括

「ボカロPって95%ぐらいが男性らしいよ」とどこかで聞いて(真偽の程は不明)
そうか、それならジュウゴノシンゾウのボカロPが全員男性だったのも別におかしくはないのか、と考えていたら…
今回参加された知田そらさんは唯一の女性ボカロPさんでしたね!
ツイキャスで初めて声を聞いた時、「女の人だー!」って妙にテンションが上がったのを覚えています。
(アイコンが可愛い女の子だからといって中の人が女性ってわけじゃない、とボカロ界で学んだ)
 
ボカロ曲は全体的に歌詞が難しい曲が多いイメージなんですが、「今夜だけは踊っていたいよ」はタイトルも含めてあんまり難しい言葉がなく、一つ一つの歌詞がスッと入ってくる気持ちよさがありました。
 
『この手をどうぞ』
『流星流れる 二人だけの夜に』

 こういうちょっとおとぎ話みたいな表現は、女性特有のもののように感じます。

もし私が男性ボカロPだったら『この手をどうぞ』なんて王子様みたいな台詞はこっ恥ずかしくて書けないかもしれない…(異論は認めます)
でも、自分が言われる側としては憧れる台詞なので、知田さんも私達と近からず遠すぎない「女性目線の田口さん」をイメージして書いてくれたんだとしたら嬉しいなあ。
 
夜の道を男女が踊るように手を繋いで歩いている…という情景はスキップするような曲調から感じ取れるんですが、「今夜だけは」という部分がなんとも切ないところですね。
 
『夜が明けてゆくまで』
『永遠にここにいれたら良いななんて そうもいかないから』

 この辺りからも、「そんなに頻繁に会えるような相手ではないのかな」という想像は誰しもができると思います。

上でも話したようにおとぎ話的なもので考えるとしたら、一番しっくりくるのは「シンデレラ」かなぁって最初の方はイメージしました。
けどアレは0時になったら魔法が解けちゃうから「夜が明けていくまで」ではないよなぁ…なんて超具体的なことまで考えて…(妄想を当て嵌めようとし過ぎ)
「もしかして、七夕のベガとアルタイルの話だったりするのか?」という脳内ストーリーに今は落ち着いています。
 

 
 だってリリース日7月7日だし!歌詞の中にも「流星」って出てくるし!(こじつけが過ぎる)
年に一度しか会うことを許されておらず、それも星が出ている夜の間だけだと考えると「今夜だけは」というのもピッタリ嵌まる。
朝焼けと共に消えてしまう「星」そのものがこの曲の二人なんだと、そんな考えもロマンチックでいいなあ、なんて勝手に想像してます。
(知田さんのイラストが絵本みたいで可愛いのでついついこんなこと考えちゃう)
 
…と、そんなイチ田口ファンのファンタジーな妄想とは裏腹に、実写MVはとても「日常」を感じる映像でした。
きっちり横分けした髪に、普通のリーマンの服装に、どこにでもありそうな男性の一人暮らしって感じの部屋。
がっつり衣装って感じの服もいいけど、「そうそうこういうのでいいんだよ!」みたいに思った人も多いはず。
そしてZOOM。セッティングに慣れてそうな辺り帰宅後のルーティンとしてやってそう。
「今夜だけは」ってワードが入ってる曲で、「毎日JT」なんて裏テーマを設けるDAZZ兄さん、強い。強すぎる。
耳だけで聴いた時はファンタジーな妄想をした曲が、この映像が入るとだんだん現代的なものに思えてくるので不思議です。
 
ところで知田さんは「チルな楽曲」が特徴的な方なんですが(元々は「ちるだ」さんだったらしいし)
「そもそも『チル』って音楽ジャンルでよく聞くけどどういう意味なん?」って今更思っただなんて言えない。
ここまできて知らないままなのはなんか失礼な気がするので、ちゃんと調べることにします。
 
――チルとは、「のんびり」「まったり」「癒やし」など、心身のリラックスした状態を表す言葉。ネットや若者たちの間で使われるスラング(俗語)である。

 成程、正確に言うとこういう意味なのね。

ジュウゴノシンゾウだと「サタデーナイトクルージング」、その他の田口さんの曲だったら「Take You Away」辺りもそうなるのかな。
 
似たジャンルの「サタデーナイトクルージング」は、コロナ渦で会いたくても会えない人へ思いを馳せる曲でもありますよね。
前半で散々絵本みたいな妄想を書き連ねておいてアレですが、この曲もそういう現代特有の感情を描いた曲かもしれません。
まだコロナが始まったばかりの頃は「今夜は君に触れたいよ」だったのが、ある程度生活スタイルが変わって「今夜だけ」でも会えるようになったと考えると、なんか救われたような気になれる。
ZOOMで会おうなんて発想、自粛ムードに慣れてなかった一年前には無かったしなぁ。
グリム童話とか星座の世界線にもZOOMがあれば良かったのにね。(まだ言うか)
 
そんな、幻想的にも現代的にも、女子の妄想が捗りそうな楽曲でした。