今日という日は残りの人生の最初の日

人生を充実させるコツは、より多くのものを好きになること。

舞台『One Night Butterfly』を観た感想 ②バーテンダー編

こんばんは、アンです。

 
昨日からようやく書き始めた舞台レポート。実際書いてみると舞台のことを色々思い出して楽しいです。こんな拙い文章を読んで頂いた方々、ありがとうございます。
役者さんの情報やイメージカラーは予め内容を調べていたものの、それぞれの人物に関する説明やストーリーの流れは一日で一気に書いているので、勢いに任せて妙なことを書いてはいないかと若干不安です。笑
 
人物毎に切り取るという「舞台レポとしてどうなんだ」ってスタイルなんですけど、それぐらい一人一人の存在感が色濃い内容だったんですよねぇ…。
そんな感じで割と自由に書いておりますが、見て頂いた方が不快になるような表現や、ご本人様だったりそのファンの方に対して失礼にあたるような書き方だけは絶対しないように気を付けております!
おそらく月末まで続くと思うので、時間のある方はお付き合いくださいませ。
 
こちらの記事では、バーレスク・One Night Dreamのバーテンダー、酒井さんと水嶋さんのお二人について書かせて頂きます!
 
※以下、ストーリーのネタバレを含みます。ご注意ください。
※記憶を頼りに書いているので台詞の言い回し等に少々異なる部分がございます。
 
 
 

酒井俊紀』という人

‣酒井 俊紀(さかい としのり)
バーレスク・One Night Dreamのバーテンダー
‣イメージカラー:ピーコック・グリーン
(公式Twitterより)

 「バーテンダー」という、夜のお店では重要な役割を担う方。バーテンダーっていったらあのシェイカーをシャカシャカしてカクテルを作る、その筋の人なら一度は憧れるポジションですよね。立ち居振舞いから見るに、経験年数も結構長そうな雰囲気です。

 
舞台上には主任の次に現れます。店長と主任が閉店の秘密を共有し、「コレだからな、コレ!」と所謂「シーっ」のポーズを取っているところへ入ってきます。
店長の様子を見た彼に「コレって何ですか?」と聞かれ、慌てて指さす方向を主任のネクタイに向けて、「服装の注意をしていた」とどうにか誤魔化す店長。幸い気付かれはしなかったものの、違うところで彼からお叱りを受けることになりました。
 
酒井「服装のチェックより設備のチェックして貰っていいですかね?ビールサーバー、また調子おかしくなってますよ。今日のところは僕が直しときますけど、ちゃんと業者呼んでください!」
進藤「は、はい…ごめんなさい…」
 
いや、手厳しいなこの方!笑 店長もたじろぐこの語気の強さよ。
キッチンの魚住さんみたいに口調の荒い人ではないですが、あの人とはまた違った意味での「怖い先輩」という感じだなぁ。
ロザリオの閉店の話題で盛り上がっている人たちの会話にも入らず、一人で黙々とサーバーの修理をしていました。全体的にスタッフ同士が仲良しなお店の中で、唯一誰とも必要以上に馴れ合ったりしない、クールで真面目な一匹狼という印象です。
 
そして、閉店の事実を全員が知ってしまった時、彼はすぐにお店から出て行ってしまいます。
「この店閉店するんでしょう?じゃあもうここにいても意味ないんで」と…。
ですので、彼はその後皆が自棄になって店の酒を飲み尽くそうとしたり、突然来たディレクターがとんでもないことを提案したり、それをどうにか回避しようとスタッフ全員で奔走したりするシーンには一切出てきません。
 
そんな酒井さんがしばらくして再び現れた理由は「荷物を取りに来た」だけなんですが、その頃店では既に「俺たちが踊ればワンチャン首の皮一枚繋がるかもしれないけどどうすんの?」という、普通であれば理解不能な状況となっていました。笑
しかし、そこは察知能力も高かった酒井さん。大体の状況を理解し、ボーイレスクに乗り気じゃないスタッフ達に対してとても核心を突いた一言を投げつけました。
 
酒井「恥ずかしいからでしょ」
 
そうです、それなんです。「ダンスをやったことがない」とかそういうのはただの建前であって、実は皆の心の奥底にあるのは「恥ずかしいからやりたくない」なんですよ。「まあ、そりゃあそうだよね…」って思える理由ではあるんですが、彼がはっきりと言わなければ誰も自分からそれを言うことはなかったと思うので、ここから一気に流れが変わってきます。
 
結局は自分のプライドを守りたいだけなんだということを暗に指摘されるスタッフ達。その中で激昂した水嶋くんに「あんたこの店辞めたんだから関係ないだろ!」と言われた彼は「辞めないよ!!」とその日一番の大声を出しました。
 
酒井「なんかよく分からないけど、その『ボーイレスク』っていうのやれば、店続けられるんですよね?」
大城「…はい!」
 
なんと、店で最初にボーイレスクをやる決意を固めたのは彼でした。
(しかし、『ボーイレスク』というパワーワードと目の前の大城さんの服装を「なんかよく分からないけど」の一言で片づけられる適応能力、凄すぎないか 笑)
 
店長に「何やればいいか教えてください!」と言って深々と頭を下げる様子を見て、「何で、何であんたがそんな事言うんだよ」と戸惑う水嶋くん。
ここ、私も水嶋くんと同じ心境でした。特に誰かと仲が良かったわけでもなく、真っ先に店を出て行ったこの人が、何で?って。
 
酒井「好きだから、この店が」
 
…ああ、私の洞察力なんて如何に乏しいことよ。参りました。変に飾らない素直な言葉だから余計に胸に突き刺さります。
「熱い星ほど青白く光る」とはよく言ったもので、一見冷淡に見えても、実は他の誰にも負けないぐらい熱くこのお店を愛していた人だったんですよね。
この流れを知った上で見た2公演目で気づいたんですが、閉店が全員にバレた時、「この店…閉店するんですか?」と一番最初に店長に詰め寄っているのも彼なんですよねぇ。そういうところに後で気づくとハッとするものがあります。
 
いやー、序盤で若干ヘイトを集めそうな言動してた人がいざ大事な局面で全部持っていくこの感じ、ズルいわー。こんなの好きになっちゃうじゃん。
(実は酒井さんは進藤店長の次にお気に入りと言っても過言じゃない方なんですが、この説明でそれが理解いただけると嬉しい)
 
自分にも他人にも厳しくて、もし自分が直属の後輩だったら少し毎日が憂鬱になりそうな先輩。
しかし表面上は冷たくてもその中にあるハートは熱い、カウンターの奥からそっと店を見守っているようなイメージのバーテンダーでした。
 
▼イメージカラー・ピーコック・グリーンについて
――本来、ピーコックとは青を表す色名で、孔雀の羽の色から見つけられたようだ。
インターネットとは便利なもので、「孔雀」と検索窓にいれて画像検索してみれば、孔雀の羽が一面に出てくる。青とも緑とも言えないような中間色。

 派手で存在感のある鳥、孔雀。でもギラギラした鮮やかさというよりは、上品で落ち着いた印象です。普段は折りたたまれている羽が場面によってはパッと開く…といった具合に大きな感情を内に秘めている彼をイメージしているという解釈もできるかな。

 
服部武雄さんのこと
‣服部 武雄(はっとり むお)
‣1989年9月13日生(31歳)
‣身長173cm
兵庫県出身

調べてみると意外にも彼、キャストの中では年長者の方なんですね。

田口さんのTikTokでは、DAY.5に映ってます。(チラッと映り込んでる程度なのはもっとあるかも)

舞台稽古の中で密かに出来上がった「筋トレ部」に初期の方から所属しており、TikTokでも筋トレに勤しむ姿が映っております。
Twitterでも、田口さんをはじめ色々な方とのお写真やツイートをたくさんアップしてくださっています。よく田口さんのことを「ストイック!」と仰ってくださっていますね。(しかしツイート内容が女子みたいに可愛い人だな 笑)
今回の役柄が好きなのか、役者さんそのものが好きなのかはまだ分かりませんが、自分が持っている田口さんのチェキと彼のチェキを交換してくれ!とフォロワーさんにお願いすることになるとは思っていませんでした。笑(田口さんのチェキが2枚当たった幸運故にできたことです)
 
 

『水嶋琉斗』という人

‣水嶋 琉斗(みずしま りゅうと)
バーレスク・One Night Dreamのバーテン見習い
‣イメージカラー:レッド
(公式Twitterより)

 「バーテン見習い」ということで、前述の酒井さんの直の後輩にあたる方ですね。

酒井さんとは性格上とても対照的な存在で、周りのスタッフとも親しげだし振る舞いも明るい印象です。出勤してからロザリオの噂話に興じているところを酒井さんに叱られ、そんな先輩を彼も少し疎ましく思っている模様。
彼の目の前では従順な後輩を演じながらも、視界から去った瞬間「いつか殺す」なんて物騒な心の声が出ております。笑
 
そんな水嶋くん、閉店の話を聞いた時は周りと同様にショックを受けておりましたが、彼だけはどうも他の方とはとショックのベクトルが違った様子でした。
そもそも、閉店そのものには店長の力量不足といった部分も多少はありますが、「今日いきなり閉店」となったのは他でもないオーナーの素行不良のせいです。バーレスクでは必要不可欠なダンサーの女の子に、それも複数人に手を出して、その揉め事の矢先にダンサー全員が辞めてしまったという最低すぎる経緯でした。
 
店長が「付き合っていたのはどの子とどの子ですか」と厳しく問い質したところ、上がった女の子の中に「セイラちゃん」という子が。
はい。このセイラちゃんという彼女、水島くんが密かに想いを寄せていた女の子だったんです。
 
水嶋「セイラちゃんとやったんすか!?」(ここは水嶋くんじゃなかったかも)
長谷島「ああ」(空気より軽い返事 笑)
水嶋「セイラちゃん…俺には全然振り向いてくれなかったのに…」
 
いとも簡単にセイラちゃんを落としたオーナーに「殺してやる!」という勢いで掴みかかる水嶋くん。
この感情的で気性の荒い性格、お店の子に少し邪な感情を抱いているというところも、酒井さんとは全くの正反対で面白い。
そりゃああの硬派で感情の読めない先輩とはソリも合わないわな。
 
その後は自棄酒した後に『ボーイレスク』という衝撃の提案を突き付けられ、どうにか状況を打破しようと各々電話で助けを求めます。
主任は融資を求めて銀行へ、天童ちゃんと望月くんは自らのパイプを頼りにどうにか臨時ダンサーを…といった感じで全員誰かと電話しているわけですが、水嶋くんが掛けた先はおそらくあのセイラちゃんです。
 
水嶋「ずっと前から好きでした!付き合ってください!!」
 
いや、一人だけ電話の趣旨変わっとるがな。笑
しかし決死の告白も空しく、周りのスタッフ共々電話は一斉に切られてしまいます。
他のスタッフとは別の意味で「振られた」彼は、傷心の末に大城ADやTESSHIN先生、元凶であるオーナーへと次々に当たり散らす始末。
そんな彼を見て、戻ってきた酒井さんがこうして諭すわけです。
 
酒井「水嶋くん、そういうのやめよう。自分が振られて傷ついてるからって、他の人に当たるなよ」
 
うーん、この上ない正論だけど振られた直後でやり場のない怒りを抱えている側からするとキツいなぁ…。
「今日こそ殺す!」と今まで蓄積されたストレスをぶつけるように彼の怒りの矛先が酒井さんに向かいますが、前述の通りの流れで酒井さんの店に対する愛情と覚悟を見せつけられ、だんだんと彼も冷静さを取り戻していっているように見えました。
一人、また一人と彼の後に続くスタッフを見て、「ほら、水嶋くんも」といった感じで酒井さんに肩を押されて、ようやく水嶋くんも心を決めます。
(一番最初が酒井さんで、一番最後が水嶋くんっていう流れもまた対になっていて面白いのです)
 
水嶋「俺もやります!俺、セイラちゃんのこと大好きだったけど、この店のことも大好きなんで!」
 
彼も、決して私情だけで仕事をしていたわけじゃありませんでした。少々合わない先輩にも必死で着いて行くぐらいには、バーテンダーという仕事に誇りを持っていたと思います。
まだ精神的に若くて未熟な部分は垣間見れますが、確実に大きな一歩を踏み出したように感じたバーテン見習いでした。
 
▼イメージカラー・レッドについて
――赤は強烈なエネルギーをイメージさせる色です。主張が激しく活発で情熱的。赤から連想されやすい怒りの感情も大きなエネルギーをもっています。

多少の強引さも含めて書かざるを得ない他の人と違って、彼に関してはもうそのままじゃないか。笑

情熱的に一人の女性を愛し、エネルギーのこもった怒りの感情もしばしば見受けられる。赤と言えば主役の色ってイメージでもあるので、ショータイムでは抜群の存在感でした。
 
遊馬晃祐さんのこと
‣遊馬 晃祐(あすま こうすけ
‣1995年10月20日生(25歳)
‣身長184cm
岐阜県出身

 キャスト一覧を見た友人が「あの伝説の及川さんか!?」と注目していた彼。調べてみると、確かに「ハイキュー!!」の演劇で及川徹役を演じ、同時に俳優デビューを果たした方でした。

友人「あなたハイキュー知ってたっけ」
私「知らない」
友人「でも及川さんは知ってるんだ?」
私「主人公のライバル校のイケメン主将兼最強セッターってこと位しか知らない」
友人「うん、十分知ってるね」
…と、ハイキュー自体は未読でありながらも及川徹というキャラクターは何となく把握していた私としては、最初は及川さんと彼がなかなか結び付かなかったです。でも友人に画像を見せてもらったら本当に生きる及川さんでした。舞台上でも何度かバレーボールに絡めたアドリブで弄られてます。笑
田口さんのTikTokでは、DAY.2・8・10・17と結構な頻度で映っています。
今回の舞台、田口さんのスタイルおばけっぷりがそこまで浮いてないなぁ…と思ったら、彼を中心にかなり長身でスタイルの良い役者さんが揃っているからなのね。
 
 

酒井さんと水嶋くん

それぞれの所感でも申し上げた通り、実に対照的な二人です。
イメージカラーも、他の同じカテゴリに属す方々が皆同系統な色である中、この二人は見事な補色となっています。
割と仲の良い印象であるキッチン組やボーイ組に比べると、バーテン組の関係はちょっと険悪なようで…。
それは冒頭のやりとりからすぐに分かりますよね。
 
酒井「ビールサーバー修理してるから、暇なら手伝って」
水嶋「はい!申し訳ありませんでした!」
酒井「中身のない返事要らないから、ちゃんと仕事して」
水嶋「はい!本当に、申し訳ありませんでした!」
 
二人の会話を聞いて、「酒井さんって、怖いですよね…」と彼が立ち去った後にヒソヒソ言っているスタッフを脇に、ふと水嶋くんの口から本音が漏れてきます。
 
水嶋「…うっせぇんだよカス、いつか殺す」
 
所謂「師弟関係」にある二人ですが、まだ見習いの立場の水嶋くんも、先輩の冷酷な物言いには相当鬱憤が溜まっている様子。そんな彼の裏側の感情を目の当たりにした方々は「み、水嶋さんも怖いですね…」と怯えておりました。笑
同じ「後輩が先輩から怒られている図」でも、全体的にオープンで平和なキッチンクルー達とは随分と雰囲気が違います。
 
しかしながら、何かというとすぐ「水嶋くん」と声をかける酒井さんって、実は彼なりに後輩の事を結構可愛がっているんじゃないか?と思えなくもないんですよ。
(まあ、中の人は大いに可愛がっておりますが)
 
そんな二人の印象的な絡みといえば、何といってもやっぱり『初の衣装お披露目シーン』でしょう!笑
 
ボーイレスクも仕上げの段階に入った時、「皆さーん、衣装が届きましたよー!」と天童ちゃんが衣装ラックを持ってきます。
舞台のお仕事で衣装の制作も担当している彼が、女の子の衣装をリメイクしたとか。届いたのは何ともヒラヒラフリフリのセクシー衣装。
 
そんな衣装をしげしげと見ながら「いやーでも、こうしてみるとヒラヒラし過ぎっていうか、俺みたいな体型には似合わなそうっていうか…」とポロリと零した水嶋くんですが、「アンタ今更何言ってんのよ、確保!」とTESSHIN先生の声によって取り押さえられ、その場で大胆にも生着替えタイムとなります。「汗が凄い!」とか「脚が長すぎる!」とか周りにゴチャゴチャ言われながらコルセットやスカートが着せられていきます。(遊馬さんのファンの方、良いなぁ 笑)
 
そうして『お披露目』となった水嶋くんのボーイレスク衣装姿ですが、これがまたお似合いなんですよ。色白でスラリとしている身体に黒と赤のドレスがよく映える。
「やっぱり…ナシですよね」と恥ずかしそうに言う彼に反して、周囲のスタッフの反応は「いや、アリだろ」「アリだよな」と肯定的です。
そしてそのような状況の中でただ一人、明らかにトーンの違う方がいました。笑
 
酒井「すっげぇ可愛い…!(迫真)
 
(ここの面白さ、絶対に文字だけじゃ伝わらないと思う 笑)
 
水嶋「…いや、そういうお世辞いいですから」
酒井「お世辞じゃないよぉ!?(大声)
水嶋「!?」
酒井「可愛い…マジで可愛い…!!」
 
…あのー、酒井さん?貴方さっきまでそういうキャラじゃなかったじゃん?
序盤のクールさを一体どこに置いてきたのさ!?
 
なんて具合に、彼の豹変ぶりに笑った人はとても多いはず。
厳しく接しつつも彼なりに後輩を大切にしていた心情の表れなのか、それともボーイレスクをやることになってアドレナリンが上昇していた故の反応なのか、単純に彼の好みのタイプだったのか…
いや、そんな深い意味を求めるようなシーンじゃないことは分かるんですけど、これを他の誰でもない酒井さんに言わせたことは絶対に意図的だと思います。笑
とにかく役者さんの演技力が大勝利だったこの場面、DVDでは是非もう一度よくご覧になってみてください。
 
バーテンダーという仕事において師弟関係である二人が、この後どういう変化を遂げたのかは分かりません。
ショーで息を合わせて踊るという経験から少しは絆が深まるのか、相変わらず厳しい先輩と陰で悪口言ってる後輩のままなのか。笑
どちらにせよ、今後水嶋くんが一人前のバーテンダーとして酒井さんに認められる日まで、ずっとこのお店で共に過ごして欲しいなという思いです。