今日という日は残りの人生の最初の日

人生を充実させるコツは、より多くのものを好きになること。

舞台『One Night Butterfly』を観た感想 ③未来のスターと先生編

こんにちは、アンです。

 
舞台千秋楽から早くも10日が経ちました。衣装展ももうすぐ終わってしまうので、これから本格的な「ワンバタロス」に陥る方も多いんじゃないでしょうか。うう、私も衣装展行きたかったよ…ギャロン挟んであげてる風の写真撮りたかったよ…(地方在住の悲しみ)
 
Twitterに記事のリンクをシェアしておりますが、普段お世話になっている田口さんファン以外の方からも少し反応を頂けているようで、誠に恐縮です。ありがとうございます。
他の俳優さんのファンの方とも感動を共有できるのが、舞台の醍醐味ともいえますね。
 
こちらの記事では、バーレスク・One Night Dreamのボーイの天童さんと望月さん、振付師のTESSHINさんのお三方について書かせて頂きます!
 
※以下、ストーリーのネタバレを含みます。ご注意ください。
※記憶を頼りに書いているので台詞の言い回し等に少々異なる部分がございます。
 
 
 

『天童夏紀』という人

‣天童 夏紀(てんどう なつき)
バーレスク・One Night Dreamのボーイ
‣イメージカラー:マゼンダ
(公式Twitterより)

一応、お店の中での役割は「ボーイ」になるんですが、舞台前半が「開店前」という設定上(閉店前とも言う)あまりボーイらしいシーンはありません。むしろショータイム以外では望月くんと一緒にお掃除している場面が多い為、「この二人、清掃員のバイトだったっけ?」と思わず設定を見直してしまいました。笑

 
舞台上には、ちょうどロザリオの閉店について粗方話が済んだ後に登場します。「ロザリオ閉店したんですって!」と飛び込んできたところ、「天童ちゃん、遅いよ~!今その話題終わったとこ!」と佐々木に言われています。しかし店の前でホストの方たちが揉めていたという彼の申告で再度話題に火が点き、頭を抱える店長。もうやめて、店長のライフはゼロよ!笑
 
そんな天童ちゃん、実は現役の役者さんです。公式の設定に記載はありませんが、彼の台詞の内容から所々でそういう人物であることが読み取れます。主に舞台の仕事をこなしながら、ボーイのアルバイトで生計を立てているといったところでしょうか。
確かに、彼に関しては「演技の中で演技をしている」といった印象で、特に大城さんを囲んでバーレスクの説明をしている時はそれが顕著に感じ取れます。大城さんの手を取ってキスしたり、持っている箒で彼を捕らえるようなアクションまで入れたりと、ドラマチックな動きに余念がありません。(それにしてもこのシーンの男連中、ノリノリである
 
しかし、そんな演技のできる彼も流石に「雄の蝶」になる自信まではなかった模様。
「ダンサー不在につきボーイレスクはじめました」という未来をどうにか回避するため、自らの役者としてのパイプに縋りつくように電話を掛けます。
 
天童「あの、先輩の知り合いにダンスの得意な女優さんとかいらっしゃいませんか?」
天童「できれば10代か20代の子がいいんですけど…いや、先輩がオバさんって言ってるわけじゃなくて!」
 
いやいや天童ちゃん、もしボーイレスクが実現したら、オバさんどころか(一部の)オジさんと言えなくもない人がショーで踊ることになるよ?年齢がどうとか言ってる場合じゃないって!笑
そんな欲が仇となったのか、目欲しい相手は見つからずにあっけなく電話は終わります。同じく関係各所に電話していた他のメンバーも全滅。店内を絶望が襲います。
(「何よ失礼ね!」とか言われて切られたんだとしたらもうご愁傷様としか言えない)
 
そもそも彼らがボーイレスクに抵抗を持つ最大の理由が「恥ずかしいから」だということを指摘された時、その場にいる全員が「そりゃそうだろ…」と同調を示すわけですが、天童ちゃんも決して例外ではありませんでした。
(この右から左へと順番に同意を求めながら主張していく感じ、全員のズルさがすごく出てる)
 
天童「男として恥ずかしいっていうか、有り得ないでしょ」
 
この言葉に、「恥ずかしいって何よ。アンタ、今までアタシのこともそういう目で見てたわけ?」と苛立った反応を見せるTESSHIN先生。
いいえ、多分そうじゃないんです。決して先生をそう思っていたわけではないけど、自分がやるとなると話が別。おそらく、どちらかというと「男として有り得ない」ではなく「自分として有り得ない」というのが、ちょっとズルい彼の本音です。
 
しかしそこに、彼の今後の「役者としての在り方」が問われているんですよね。今までの舞台で彼がどんな役を演じてきたのか、それは分かりませんが、幅広い役柄を表現できる実力がないとあの世界では生き残れないでしょう。蝶にもなれない役者が、この先世界へ飛んでいけるのか。
先生の叱咤と、先に決意した先輩たちの覚悟を受けて、彼もようやく心を決めました。
 
天童「俺もやります!蝶でも何でも演じて見せますよ!」
 
元々、ダンサーや先生から学ぶものが多そうな職場で働く役者さん。
そんな職場で、今度は彼自身が踊るという非常に稀な機会を貰いました。
蝶を演じた経験はきっと、今後彼が大きく羽ばたくきっかけになると思います。
 
▼イメージカラー・マゼンダについて
――「マゼンタ」の一般的なイメージ・意味の中でポジティブなものには「愛情・女性性・成熟・次のステップ」などがあります。「華やかさ・潔さ・柔軟性」などのイメージもあります。また「プライド」「自己回復」もあります。

マゼンダっていうとシアン・イエローに並ぶ色の三原色ってイメージでしたけど、こういうイメージもあるんですね。女性性を手に入れて次のステップに進む彼に相応しい色ではないか!

 
▼荒一陽さんのこと
‣荒 一陽(あら かずはる)
‣1995年1月30日生(26歳)
‣身長175cm
福島県出身

俳優でもあり、アイドルでもある彼。通称「あらしゃん」。舞台稽古期間中、ユニット「One-X」のメンバーとして、8/4に開催された「SUPANOVA」にて田口さんと共演していらっしゃいました。

田口さんの TikTokでは、DAY.4に映ってます。
彼も今見たら結構初期の方でピックアップされておりました。
田口さん「今度8月4日一緒だよね」
荒さん「はい、あのー…宜しくお願いします」
田口さん「舞台も宜しくね」
荒さん「舞台も、8月4日も、宜しくお願いします」
田口さん「…真面目か!笑」
SUPANOVAでは、彼の目にアイドル田口さんはどう映ったんだろう。気になります。
 
 

『望月隼人』という人

‣天童 夏紀(もちづき はやと)
バーレスク・One Night Dreamのボーイ・ダンサー志望
‣イメージカラー:ライトピンク
(公式Twitterより)

天童ちゃんと同じく「ボーイ」である彼ですが、こちらははっきりと「ダンサー志望」と書かれています。

既に役者である天童ちゃんとは異なり、彼はボーイとして働きつつダンサーを目指しているといったところでしょうか。目指す先は違いますが、「夢追い人」という意味では似たもの同士ですね。
仕事中の会話内容からすると、天童ちゃんの方がお店の人間としては少し先輩だと思われます。
 
服のボタンも留め終わらないまま出勤してきた彼。先輩に「相変わらず良い体だな!」と言われていました。笑
最初の仕事は店内のお掃除、の前に天童ちゃんとチャンバラごっこ。仲良しですね。
(「中二病じゃねえか」なんて言われてるけど、これ実はショータイムの伏線なんだよなぁ)
 
大城さんがお店を訪れた時は、天童ちゃんと一緒になって得意げに「バーレスクとは」の説明に参加します。そりゃあ役者とダンサー志望だったら、テレビの関係者が来ているのをみすみす見逃すわけにはいかないわな。
しかしその二人を「邪魔!邪魔!」と押し退けてる佐々木、貴方もお仕事しなさいよ。笑
 
その後、TESSHIN先生がお店に来られた時の会話で、彼が日常的に先生の元でダンスをしていることが分かります。
それにしても望月くん、声めちゃくちゃ通るし高いなぁ。笑
 
TESSHIN「アンタ、この前スタジオの鍵閉め忘れて帰ったでしょ。ホント最悪、マジ死んでって感じ」
(先生!随分厳しい言い方されてますけどモッチーみたいな子はお気に召しませんか!?)
 
「ところで女の子は奥かしら?」と先生が言いますが、ダンサーの女の子は全員まだ来ていません。望月くんが「先生のところでレッスン受けてたんじゃないんですか?」と聞くも知らないとのこと。
うわぁ、嫌な予感…と見てる側も思っていたら予感が的中。女の子は昨日付けで全員辞めていました。なんてこったい。
 
そこからまあ色々あって「ボーイレスク」という決断を迫られるわけですが(もうここの説明飽きた)望月くんもやっぱりそれはどうしても避けたい。
天童ちゃんのパイプが役者仲間なら、彼が当たるのは当然ダンサー仲間。これならまだ可能性があるように思えますが、現実は厳しかったようです。
 
望月「お前しょっちゅうナンパしてんじゃん!!」
 
いや、何の話をしているんだね君は!笑
知り合いのダンサー仲間も、皆学校や仕事が忙しくて難しいとのこと。うーん、ここも駄目だったか。
完全なる手詰まりとなったバーレスクの男たちは、もうこうなったら腹を括るしかありません。それでもやっぱりどこか煮え切らない人たちの中、望月くんの主張としてはこうです。
 
望月「僕のダンスとはジャンルが違いますし…やっぱりああいうのは、女の子がやってこそっていうか!」
 
これも、周囲の人間と同じく自分のプライドを守りたいが為の「逃げ」でしかないんですが、日ごろボーイとして女の子たちのセクシーなダンスを間近で見ている側としては、躊躇うのも無理はないですよね。でもね、今日日はジャンルに捉われたダンスなんてもう古いという時代なわけで。男性がヒール履いて踊るダンスなんてのも世の中にはありますよ?
同じ「表現者」である天童ちゃんへ向けられた先生の厳しい言葉を受けて、ダンサーの彼も心動かされる部分があったのではないでしょうか。望月君もダンサーらしく高々と宣言しました。
 
望月「女の子達よりも、ずっとずっとセクシーに踊って見せます!」
 
苦肉の策とはいえ、ダンスの新しいジャンルを開拓したダンサー志望の彼。
お店も続けられて、自分もダンスのスキルアップができるなんて寧ろ最高の手段じゃないか。笑
きっと、誰にも真似できない表現力を手に入れる好機となるに違いありません。
 
▼イメージカラー・ライトピンクについて
――「淡いピンク色」には人の気持ちを、もっとも優しくする効果があるんです。一般的なイメージ・意味の中でポジティブなものには「幸福感・優しさ・安らぎ・ときめき・恋愛・やわらかさ・女性らしい・ロマンティック」などがあります。少しネガティブなものには「依存・優柔不断・現実から離れたい心理・甘え」などがあります。

やっぱり同系色の天童ちゃんと似たイメージになるかぁ。でも、彼に比べると少し未成熟というか、まだ自分の華美な部分を全ては出し切れていない…といった印象がありますね。

 
▼きたつとむさんのこと
‣きた つとむ(きた つとむ)
‣1997年1月31日生(24歳)
‣身長不明

情報を探すのに結構苦労した…。そして何と海外出身だったとは。

田口さんのTikTokでは、DAY.7に映ってます。
田口さん「キタベンくんって呼ばれてるらしいね、あだ名。気に入ってんの?」
きたさん「呼ばれてます。あんまり普段言われることが無いんで、呼ばれて嬉しいです」
田口さん「じゃあこれから…キタくんって呼ぶね!」
きたさん「逆に!?」
(漢字で書くと「勉さん」なのかな?)
ステージでは上仁さんの次に汗っかきだったそうで、肩を叩くシーンが「ポン」ではなく「ビチャ」だったとのこと。笑(そりゃ声の張り方が尋常じゃなかったもんなぁ)
 
 

『TESSHIN』という人

‣TESSHIN(てっしん)
バーレスク・One Night Dreamの振付師
‣イメージカラー:チェリーピンク
(公式Twitterより)

ダンサーの女の子の「振付師」という立ち位置の方ですが、記事を書く時にこの方をどのカテゴリに入れるべきか非常に迷いました。お店のスタッフではないけど、店長を含む全員を外部の人間として優しく包み込むような存在です。とにかくあらゆる場面での「名言量産機」なので、印象的なシーンを挙げるとキリがない。

悩んだ挙句、ボーイというより「未来のスター」という印象が強かった二人の「先生」ということで、こちらに書かせて頂きます。
 
「この店にテレビ取材が来る!」と皆が盛り上がっているところへ、抜群の存在感を放ちながら登場した彼。
(生で見たら脚とか腰とかすごい細かったけど、ノースリーブから露出した腕の筋肉の主張よ。笑)
俗にいう「オネエ言葉」で話す人ですが、実際のところの性認識とか、そういう細かい部分はよく分かりません。個人的には、男でも女でもなく「TESSHIN」という性別だというのが一番しっくりくるかなぁ。(文章を書きながら、この方を「彼」と呼ぶのは果たして正しいんだろうかと時々考えておる)
 
おそらくダンサーの女の子のレッスンか様子見に現れたであろう先生。しかしその後、「もうオーナーとはやっていけない」と女の子全員が辞めたことを知ります。一体どういうことだ!とオーナーを尋問する場面に、成り行きで彼も加わることに。
問い詰めた結果、店の女の子に二股をかけていたというオーナーにあるまじき最低の行為をしていたことが判明して、店の空気は最悪。
それと同時に、「この店は今日で閉店する」と予めオーナーから告げられていた事実を、店長が今まで隠していたのがバレてしまいます。
 
スタッフは皆呆れて自棄酒に走るし、酒井さんはさっさと出て行ってしまうし、ただ一人秘密を共有していた主任への罪悪感もあるしで、一人テーブルに項垂れて落ち込む店長。
でも、そんな店長を先生だけは独りにしませんでした。
カウンターで二人分のお酒を作って、「お疲れ様」と労うように店長へ差し出します。この細やかで包容力のある気遣い、グラスを扱うときの仕草。男連中しかいない中に唯一女性らしさを感じる先生の良さが溢れてて、凄く好きなシーンです。
 
進藤「すみません、先生にまでご迷惑おかけしてしまって…」
TESSHIN「やめてよ。進藤ちゃんが悪いわけじゃないでしょ?」
 
このやり取りの雰囲気的に、先生って店長より年上っぽい感じするけどどうなんだろう。
おそらく店長は店の中では一番の年長者っぽいし、もしそうなら店長にとってすごく安心できる存在なんじゃないかなぁと思います。
(あ、オーナーは多分店長より年上だと思うけど精神年齢が少年並みなので除外します)
 
そんな二人でのお酒の席も、突然現れた謎の男性によって中断されてしまいます。笑
その男性とはテレビ局のディレクターで、一週間後の撮影のために意気揚々と店に入ってきました。
「この店もうやってないのよ」と先生が伝えてもなんのその。『ボーイレスク』というその場の誰も考えないような方法を、提案するだけ提案して去っていきます。
 
TESSHIN「…ボーイレスク?……無いわぁー!!」
 
ああ、貴方でも流石にそう思いましたか。笑
しかし、もうそれしか再起の道は無い中で煮え切らない態度のスタッフ達、そして天童ちゃんの「男として有り得ない」という発言には、表現者たるプライドを持った彼として遺憾を示していました。
 
TESSHIN「…呆れた。こんな情けない男達しか居ないようじゃ、そりゃ女の子達だって逃げ出すわよ!」
 
多分、何が「男らしい」とか「女らしい」とかそんなことではなくて、そこに固執してウジウジ言ってるようなのが、この方にとっては「美しくない」ことなのかなぁって思います。外見も内面も美意識の高そうな人ですから、男女の境界線に対してより「美しいもの」と「美しくないもの」への目線が厳しそう。
けれども、流石は先生がずっと見守ってきた男たちです。最終的には全員の心が一つになり、文字通りの意味で鎧を脱ぎ捨てた一同を前に、力強い言葉を送ってくれました。
 
TESSHIN「これでもう部外者とは言わせないわよ。ショーに相応しい最高にセクシーな振り付け、作ってあげるわ!」
 
「ショーの振り付け」以外でこの方がどう絡んでくるのか…観る前は想像がつきませんでしたが、そこに至るまでの裏過程でも相当な活躍をした先生。
ダンスのみならず、人生においても皆が「先生!」と呼びたくなるような方でした。
 
▼イメージカラー・チェリーピンクについて
――チェリーレッドは、チェリーのような色です。実物よりも強めで、ビビットな真っ赤ですね。文章にはあまり使われていません。どちらかというと、チェリーピンクのほうがメジャーでしょう。イメージは「強い」「華やか」「チャーミング」「フレッシュ」「ツヤやか」「ビビっト」「キュート」「ジューシー」など、でしょうか。

色んな意味で経験豊富そうな先生が「チェリー」ってちょっと面白いな…って思ってましたが、前二人にはない「強い」「艶やか」なんてワードがある辺りは若干の差異を感じる。さくらんぼというよりはアメリカンブラックチェリーってイメージです。

 
▼佐藤弘樹さんのこと
‣佐藤 弘樹(さとう ひろき)
‣1986年12月3日生(34歳)
‣身長182cm
‣東京都出身

いやー、今回の舞台でこの方を好きになった田口さんファン、多いんじゃないですか?(彼のツイキャスにも結構田口界隈の人が訪れてました。見逃したの悔しい)

田口さんと同世代で楽屋も一緒だったし、ビジュアルも役柄も魅力の宝庫だったんだもの。俳優さんとしてだけではなく、舞台プロデュースや演出もされているとか。
田口さんのTikTokでは、DAY.9に映ってます。
田口さん「弘樹くん、ダンスやってたの?」
佐藤さん「…ちょっとだけ。笑」
田口さん「おおー、凄いですねぇ」
佐藤さん「お世話になります!」
(舞台上のステップを見る限り「ちょっとだけ」とは思えないんですが!)
若い面々が集まる稽古場の中では、年の差があまりなくて彼も落ち着いて話せたんじゃないかと思います。
 
 

天童ちゃんとモッチーと先生

表現者」という大きな共通点のある3人、先生の登場シーンから既に全員絡みがありました。
それを見た感じ、先生は天童ちゃんには激甘・モッチーには辛口といった印象です。笑
王子様のようなエレガントな所作が特徴的な天童ちゃんと、元気と明るさが取り柄であるモッチー。どうも先生の好みは前者のようです。逆に、しょっちゅうスタジオに顔を出していそうなモッチーには遠慮のない態度を取っているとも取れるかな。
(ちょうど先生を遮る形で立つモッチーに「ていうかアンタ被ってんのよ!」のシーンは何度見ても笑う)
 
しかし、それだけ可愛がっている天童ちゃんであっても、前述の発言は先生にとって許し難いものがあったようです。いや、天童ちゃんの発言だからこそ許せなかったのかな。(この場面を見ると、先生は完全に心が女性ってわけじゃなくて、男性としての自尊心も併せ持っているんじゃないかと思える)
ただ自身のプライドを訴えかける為ではなく、どちらかというと彼の役者魂に問いかけるように先生が放ったこの言葉。
 
TESSHIN「アンタ役者でしょ!?表現者でしょ!?男だからとか女だからとか、今時そんなこと言ってる方がよっぽど恥ずかしいんだよ!!」
 
いやぁ、心に響く名言。この舞台そのものを象徴する言葉のようにも思えてきます。
役者って、何でも演じられるから役者って言うんですものね。確かに性別の壁ぐらい取っ払えないようじゃ一流の役者にはなれないかもしれない。
この熱量高い言葉、それに加えて先輩たちの店への愛を受け取った彼が、決断しないわけがないですね。
「先生、さっきは失礼なこと言ってすみませんでした!」ときちんと謝れる天童ちゃん、素敵。
 
そんなわけで早速ショーに向けてダンスレッスンを始める先生ですが、ほぼダンス未経験の人ばかりが集まる男たちが着いて行けるわけもなく…
初心者にレクチャーするには難易度の高い振り付けに、スタッフ一同は早々に音を上げてしまいます。
 
TESSHIN「ちょっとアンタたち、まだ休憩じゃないわよ!」
 
ダンス自体の習熟度もさることながら、あまりに全員の動きが揃っておりません。笑
中でも特に絶望的にリズム感がない黒田主任には、特別に先生がマンツーマンレッスンを付けます。
主任にかかりっきりとなった先生は「望月、頼んだ!」とモッチーに他の全員への指導を任せました。
そうですよね、店の中では唯一のダンス経験者ですもの。普段は彼に対して手厳しい先生ですが、ダンスにおいては間違いなく信頼できる相手だということがこの場面で読み取れます。
 
望月「全員ターンがブレてます!特に店長、それがターンなのかもよく分かりませんよ!」
 
主任を除くメンバーの中で、次に厄介だったのは進藤店長でした。最後のターンが明らかに回れていません。一回転どころか半回転もできていない…っていうか、動いてるの肩周りだけじゃないか。笑
中の人はターンが世界一綺麗なダンサーとして呼び声高い(私の声)人なので、そんな彼だからこそできる「ターンできない人」の演技かもしれない。
 
さて、そんなパフォーマーである3人は、ショータイムでも期待通り雄の蝶として華麗に舞っていらっしゃいました。
先生のショーがああいうテイストだとは思わなかったなぁ。冒頭で箒の剣を振りかざしていたボーイ達、ショータイムではビニール傘で応戦していましたね。笑
 
本来、ボーイという裏方より華やかなステージが似合うと感じた天童ちゃんとモッチー。
大きな夢を追いかける二人にとってこれは通過点に過ぎないと思うので、いつかはお店を巣立っていく日が来るんだろうかなんて既に考えて、勝手に寂しくなっています。テレビで放映されたんだったらあれで一気に名が売れる可能性もあるもんなぁ。
 
二人がもっと大きな舞台に立った時は、この経験を是非語って欲しい。そして、そんな彼らを見守ってきた先生も「私が育てた!」と言わんばかりに誇って欲しい。そんな表現者たちでした。