今日という日は残りの人生の最初の日

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空気を打ち破る風 ―『FEEL THE LIGHT』を聴いた感想

一日一投稿目指してたのに最初から既に途絶えた…(台風のせいにして)

それでも全曲分は絶対に書きたいので意地でも続けます。
いつも通り酔いながら勢いで書いた文章なのでお気軽にお読みください。
(制作過程とかボカロPさんのことはほぼ動画からの抜粋です)
 

■FEEL THE LIGHT feat.SPACELECTRO 

▼Music:SPACELECTRO様 
Lyric海兎様
Illustちくわさび様
Vocal(ボカロ版):初音ミク
 
VOCALOID Ver.

 

▼田口さん歌唱Ver.
 
▼ボカロP対談(SPACELECTRO × オゾン × 田口淳之介

 
▼“TA”Good Night LIVE vol.2 -FEEL THE LIGHT-

 

■田口さんによるレビュー

・何といってもテンポ感!BPM220の相当速い曲。
 田口「ガンガンに上げてくれて嬉しい!」
 音ゲーでいうラスボス感のある速度だけどメロディー自体はポップで明るい感じ。
・ドロップの部分が1番と2番で違うのが、ダンスでも魅せ方を変えられるから良いなぁと思った。
・歌詞のメッセージとして「小さな夢を見て生きて行き抜け」というフレーズが印象的。
・自分の思いに従って進むのは大事だと思う。
 田口「誰かが必ず正しいって訳じゃないじゃないですか」
・自ら答えを見つけに行くような前向きな歌詞がお気に入り。
・是非イヤホンで聴いて欲しい。EDMの醍醐味はトラックの凄さであり、スピーカーでは聴き取れない音もイヤホンだと聴き取れる。
 

■制作過程

・SPACELECTROさんは田口さんからのオファーによる参加。
・オファーのメールの熱意、ボカロに対する理解、コラボという発想…という内容に惹かれて参加した。
・他の参加Pの楽曲を聴いて、EDMが自分とオゾンさんだったので少し違いをつけたいという気持ちがあった。オゾンさんとは制作についてDMで少しやりとりした。
・田口さんがライブで盛り上がっているところをイメージした。
 SPACELECTROさん「田口さんのMVを見てアーティスティックなイメージを受けた」
・歌詞は海兎さん。FEEL THE LIGHTの訳は「光を感じる」。暗闇の中から一筋の光を自分で掴むような思いが込められている。
 

■SPACELECTROさんのこと

・ボカロや東方などを中心に活動、敢えて常識に囚われないようなEDMの楽曲を作っている。ボカロデビューは2014年。
・長い年月をかけてEDM×ボカロの地位を築いている方。
  田口「SPACELECTROさんは、本当にすごい人なんだよ!」
・対談で唯一のお顔出し。
・色々なEDMを作っている中でメインのスタイルは「Big room」
 SPACELECTROさん「ポップだけど攻めてる感じ」
・ボカロをやる前からEDMを作っていたが、ボカロでEDMを作ってみたいと思った。
 SPACELECTROさん「ロックな曲をダンスミュージックにしてみよう!っていう思いがあって」
・オゾンさんから見たレクトロさんの凄い所は「企画力」と「確かな腕」。
・ボカロのイベントで印象的なのは「ボカクラ」。
 SPACELECTROさん「ボカロをクラブミュージックで楽しみたい人がたくさん集まっている」
・DJとして、曲の流れで皆がどう盛り上がるかを特に意識して気を付けている。
 田口「自分的鉄板曲ってありますか?w」
 SPACELECTROさん「やっぱり『妄想税のRemix』は確実です!」
・他の楽曲で気になった曲は平田義久さんの「stay with me」。 
  SPACELECTROさん「田口さんの優しい歌い方とミクさんの声がマッチしていて、コラボとして素晴らしいなって」
 

■SPACELECTROさんのオススメ楽曲

▼Galaxy Night

 
▼TIME

 

■「FEEL THE LIGHT」における田口さんのパフォーマンス

・この曲のパフォーマンスは、私個人はまだジュウゴノシンゾウLIVEでしか見てません。
・田口さんも熱く語っていた歌詞の部分は胸に手を当てて噛みしめながら歌っている印象。
・間奏の部分はWhat Colorに続きステップに力を感じる。あと音サビ前のしなやかなターン。
・ラストの「貴方に届けたい」の歌い方から、このライブで彼が伝えたい想いの序章のようなものを感じた。
 

■総括

1曲目の「What Color」に続くEDM。
モノクロの世界を彷徨っていた少年が一筋の光を見つけたような、前曲から連続するストーリー性と、「最初の方は攻めの楽曲で行きたい」という彼のパフォーマンスへの意識を感じた曲でした。
 
この楽曲は作曲者と作詞者と歌い手が全て異なるという唯一のものですが、「常識に囚われないメロディー」「この世界も全てが正しいわけじゃない」「誰かが必ず正しいって訳じゃないじゃないですか」という、三者の想いの奇跡的なシンクロを感じましたね。
 
そんな彼らの言葉から、私は彼も出演していたリーガル・ハイの主人公・古美門弁護士の言葉を思い出しました。
 
「多数派は常に正義であり、異を唱える者は排除される。
 特に右から左、左から右へと全員で移動するこの国では空気の持つ力は実に強大です」

確かに、今までの音楽活動においてはガッチリ権利で固められた「メジャー」の世界で生きてきた彼からすると、今までと真逆のスタイルといえる今回のコラボは正に常識を打ち破るものでした。

これまでずっと「その人が歌う必然性」のようなものを追い求めていた私にとっても、彼が敢えて『二次創作』が蔓延っているような界隈に飛び込んだのは結構衝撃的だったり。
ああ、大きな流れに逆らってでも彼が魅せていきたいものがちょっとだけ分かったような気がしたなあ、という思いでした。
 
でも、いざそれを聴いてみると「意外に悪くないな」と思ったのは確かです。
他のアーティスト様から楽曲提供して頂き、パフォーマンスで田口さんがそれを魅せる…というスタンスは変わらなくても、制作者の想いや工程まで、ご本人からの肉声で聞ける機会って実はあるようでないんですよね。
んーと、分かりやすく例えるとすれば…
フレンチ料理のフルコースを味わった後に「最高の料理だった、シェフに伝えてくれ」と言っていたのが、オープンキッチンの店でカウンターから「滅茶苦茶美味しいです!」とシェフに直接伝えられるような環境に変わったような感じですかね。(伝われ)
 
向かい風の先に見える朝日を見つめているような人物(少年なのか少女なのかはよく分からない)のイラストが印象的なMVを見て、朝日の周りでBPM220のリズムに乗って上下する波動の先をこの先も見てみたいなあ、と思うような、そんな楽曲でした。
この先のライブでもっともっと彼のパフォーマンスを見てみたいですね。