今日という日は残りの人生の最初の日

人生を充実させるコツは、より多くのものを好きになること。

いつかは、今夜だけじゃなく ―『今夜だけは踊っていたいよ』を聴いた感想

こんにちは、アンです。

昨日のSUPANOVA、最高だったみたいですね。まだ追えてないんですがいずれは画面越しに楽しみたいと思います。
今は思わず踊りたくなるようなこの曲について書かねばならぬ。
 

■今夜だけは踊っていたいよ feat.知田そら

▼Lyrics&Music&Illust:知田そら様

VOCALOID MV

Vocal歌愛ユキ
 
田口淳之介 MV

DirectorDAZZ様
Hair&Make原みさと様
StylistKEITA UCHIDA様
 

■田口さんによるレビュー・制作過程

・チルなイメージの楽曲。ボカロ版との対比を是非聴いて欲しい。
・今の流行に寄せた声のエフェクトを今回のアルバムでは多用しており、この曲もそのうちの一つとのこと。
ツイキャスで田口さんに自己紹介を促されるも、「特に自己紹介が思いつかないです…」と言う知田さん。
(かなりシャイで奥ゆかしい方のようなので、田口さんがどうにか話を引き出そうとしている)
・いつも作っている楽曲はLofiHiphop系の楽曲。
・田口さんがYoutubeに上げている曲の中で「歌っていたい」というフレーズがとても気に入り、それなら自分は「踊っていたい」という歌詞を入れたいと思った。
(えええどれだろう…Stay Trueの「ここで生きていたいんだよ」は同じニュアンスではあるけど…)
・MVではZOOM調の今のご時世にあったものにしており、月を見ながら踊っていたくなるような雰囲気感を表現した。
 自分の曲が実写MVになったのを観た時は、自分のことなのに実感がなさ過ぎて他人事のように思えた知田さん。
 知田さん「ああ、自分が作ったっぽい曲が使われているなあ…みたいな」
・今は自称「底辺ボカロP」。
(いや絶対そんなことないです世界に見つかってないだけですと言いたい私がいる)
 最近マイクを買ったので、今後は自分で歌ってみた曲も出してみたい。
 

■知田そらさんのこと

・LofiHiphopのようなチルでお洒落な雰囲気の楽曲を制作するのが得意な方。
 (告知Twitter紹介文より抜粋)
・最近改名しており、「ちだ」さんとなっているが元々は「ちるだ」さんと読むお名前だったとのこと。
・今回の企画で唯一の女性ボカロPさん。
 (リリース記念ツイキャスより)
 

■知田そらさんのオススメ楽曲

▼いたいたいや

 

田口淳之介ver.MVについて

・ZOOMをイメージした「固定カメラ」でいこう、という前提で監督のDAZZさんと一緒に撮影場所を選定した。このご時世、会いたくても会えないけどオンラインでなら…というコンセプトになっている。
・撮影時に作ったスムージーは実際に飲んだ。でも蜂蜜とか何も入れてないから甘くはなかった。
(スムージー作ってるシーンもただ映像流してるだけじゃなく、上手い具合にカットして音に嵌めてるのが良い。しかし出勤前ならともかく、帰宅後にスムージー飲むって変わってるなぁ 笑)
・監督のDAZZさんは田口さんと付き合いが長いこともあり、ファンの気持ちをよく分かっている。実は「毎日JT」という裏テーマがあるらしい。
(このしてやったりの「くそ、分かってやがる!」感よ)
・お風呂に入ってパジャマに着替えて、ベッドに入って眠るシーンまである。パジャマはかなり着心地の良いものだった。
ティーザーで見た時「パジャマみたいな衣装だな」って思ったら本当にパジャマだったとは)
・プレミア公開のチャットにボカロPの呆さん(かつての左手さん)登場。前回のジュウゴノシンゾウでご縁のあった方が見てくれるの嬉しい、と田口さん。
(「2回目のお風呂入らなきゃいけなくなりそう」ってコメント、私も全く同じこと思いました 笑)
 

■総括

「ボカロPって95%ぐらいが男性らしいよ」とどこかで聞いて(真偽の程は不明)
そうか、それならジュウゴノシンゾウのボカロPが全員男性だったのも別におかしくはないのか、と考えていたら…
今回参加された知田そらさんは唯一の女性ボカロPさんでしたね!
ツイキャスで初めて声を聞いた時、「女の人だー!」って妙にテンションが上がったのを覚えています。
(アイコンが可愛い女の子だからといって中の人が女性ってわけじゃない、とボカロ界で学んだ)
 
ボカロ曲は全体的に歌詞が難しい曲が多いイメージなんですが、「今夜だけは踊っていたいよ」はタイトルも含めてあんまり難しい言葉がなく、一つ一つの歌詞がスッと入ってくる気持ちよさがありました。
 
『この手をどうぞ』
『流星流れる 二人だけの夜に』

 こういうちょっとおとぎ話みたいな表現は、女性特有のもののように感じます。

もし私が男性ボカロPだったら『この手をどうぞ』なんて王子様みたいな台詞はこっ恥ずかしくて書けないかもしれない…(異論は認めます)
でも、自分が言われる側としては憧れる台詞なので、知田さんも私達と近からず遠すぎない「女性目線の田口さん」をイメージして書いてくれたんだとしたら嬉しいなあ。
 
夜の道を男女が踊るように手を繋いで歩いている…という情景はスキップするような曲調から感じ取れるんですが、「今夜だけは」という部分がなんとも切ないところですね。
 
『夜が明けてゆくまで』
『永遠にここにいれたら良いななんて そうもいかないから』

 この辺りからも、「そんなに頻繁に会えるような相手ではないのかな」という想像は誰しもができると思います。

上でも話したようにおとぎ話的なもので考えるとしたら、一番しっくりくるのは「シンデレラ」かなぁって最初の方はイメージしました。
けどアレは0時になったら魔法が解けちゃうから「夜が明けていくまで」ではないよなぁ…なんて超具体的なことまで考えて…(妄想を当て嵌めようとし過ぎ)
「もしかして、七夕のベガとアルタイルの話だったりするのか?」という脳内ストーリーに今は落ち着いています。
 

 
 だってリリース日7月7日だし!歌詞の中にも「流星」って出てくるし!(こじつけが過ぎる)
年に一度しか会うことを許されておらず、それも星が出ている夜の間だけだと考えると「今夜だけは」というのもピッタリ嵌まる。
朝焼けと共に消えてしまう「星」そのものがこの曲の二人なんだと、そんな考えもロマンチックでいいなあ、なんて勝手に想像してます。
(知田さんのイラストが絵本みたいで可愛いのでついついこんなこと考えちゃう)
 
…と、そんなイチ田口ファンのファンタジーな妄想とは裏腹に、実写MVはとても「日常」を感じる映像でした。
きっちり横分けした髪に、普通のリーマンの服装に、どこにでもありそうな男性の一人暮らしって感じの部屋。
がっつり衣装って感じの服もいいけど、「そうそうこういうのでいいんだよ!」みたいに思った人も多いはず。
そしてZOOM。セッティングに慣れてそうな辺り帰宅後のルーティンとしてやってそう。
「今夜だけは」ってワードが入ってる曲で、「毎日JT」なんて裏テーマを設けるDAZZ兄さん、強い。強すぎる。
耳だけで聴いた時はファンタジーな妄想をした曲が、この映像が入るとだんだん現代的なものに思えてくるので不思議です。
 
ところで知田さんは「チルな楽曲」が特徴的な方なんですが(元々は「ちるだ」さんだったらしいし)
「そもそも『チル』って音楽ジャンルでよく聞くけどどういう意味なん?」って今更思っただなんて言えない。
ここまできて知らないままなのはなんか失礼な気がするので、ちゃんと調べることにします。
 
――チルとは、「のんびり」「まったり」「癒やし」など、心身のリラックスした状態を表す言葉。ネットや若者たちの間で使われるスラング(俗語)である。

 成程、正確に言うとこういう意味なのね。

ジュウゴノシンゾウだと「サタデーナイトクルージング」、その他の田口さんの曲だったら「Take You Away」辺りもそうなるのかな。
 
似たジャンルの「サタデーナイトクルージング」は、コロナ渦で会いたくても会えない人へ思いを馳せる曲でもありますよね。
前半で散々絵本みたいな妄想を書き連ねておいてアレですが、この曲もそういう現代特有の感情を描いた曲かもしれません。
まだコロナが始まったばかりの頃は「今夜は君に触れたいよ」だったのが、ある程度生活スタイルが変わって「今夜だけ」でも会えるようになったと考えると、なんか救われたような気になれる。
ZOOMで会おうなんて発想、自粛ムードに慣れてなかった一年前には無かったしなぁ。
グリム童話とか星座の世界線にもZOOMがあれば良かったのにね。(まだ言うか)
 
そんな、幻想的にも現代的にも、女子の妄想が捗りそうな楽曲でした。
 

俯瞰と主観を遮る傘 ―『アンブレラ』を聴いた感想

こんにちは、アンです。

ここ最近雨ばっかりでしたが、昨夜から降らなくなりました。
なんだよー折角この曲について書こうって日になって。 笑
 

■アンブレラ feat.水野あつ

▼Lyrics&Music:水野あつ様

VOCALOID MV

Illust熊谷のの様
Guitarへくぼき様
Vocal:可不
 
田口淳之介 MV

DirectorTOGUCHI様
Hair&Make:NOBU様(HAPP's) , 森雅弘様
StylistKEITA UCHIDA様
CostumeSUPERTHANKS様
      blank様
 

■田口さんによるレビュー・制作過程

・「傘」がテーマの失恋ソングで、相手を今でも想い続けているような感情の曲になっている。
・ラストの転調部分がお気に入り。
・水野さんと田口さんは曲を書く以前から何度か交流がある。(バースデーファンミにいらしてました)
・田口さんの人間的な部分とタレント的な部分、両方を知った上で水野さん自身が「どんな田口さんを見たいか」と考えて曲を作った。
・普段田口さんが個人で出している作品はエレクトロチックなものが多いので、「僕を選んで頂けた理由は何だろう」と考えはしたものの、最終的には可愛くて軽快な自分らしさを出すべきという結論に至った。
・でも田口さんの叙情的な、パッションのようなものも伝えたいと思い、歌詞にはその要素を落とし込んだ。
・自分の作る曲調は田口さんのスタイルとは真逆だと思って「僕なんかができるのかな」と結構心配した。
 田口さん「そうだよね。でもなんかね、あつくんの優しい感じが良いなって」
・音源が田口さんから来た時、曲の雰囲気が歌声ですごくよく表現されていると思った。
・アルバム内には自分と真逆の雰囲気の曲もある。表現の違いを楽しんで欲しい、と水野さん。
 田口さん「特にど~ぱみんくんの『猛毒』とかね 笑』
 

■水野あつさんのこと

・「優しい音楽」をテーマに、聴いた人が応援したくなるような、優しい気持ちになれるような音楽を作っているシンガーソングライター。令和発の現在話題沸騰中のアーティスト。
 (告知Twitter紹介文より抜粋)
・「知りたい」等の楽曲で有名な、新進気鋭なボカロPさん。自身の曲のセルフカバーもよくされている。
 (リリース記念ツイキャスより)
 

■水野あつさんのオススメ楽曲

▼生きる

 

田口淳之介ver.MVについて

・公開は7/24ですが、田口さんの月イチライブの直後だったのでカウントダウン配信ができず、あまり本人からの情報が残っておりません。悲しい。
(本人はやるつもりだったものの、電波不良で配信ができなかったんです。しかし、何度か配信を試みて「次ダメだったらYoutubeのチャットd…」と言いかけた瞬間にツイキャスがブチっと切れたの面白過ぎた)
・監督は同アルバムの「DEEPEST」の制作も務めたTOGUCHIさん。
・失恋ソングの歌詞に合わせて、二人が仲良しだった頃の映像がストップモーションとして入っている。そんな思い出を自宅のソファや車の中、雨の降る外で傘をさしながら嘆くような彼のシーンが交互に流れる構成になっている。
(決して広そうとは言えない部屋とかスーパーで一緒に買い出ししている映像の、いい意味での庶民感が共感を引き寄せますよねぇ)
・ファンクラブ会員は、会員限定のマイページにてこのMVのオフショットとムービーが閲覧可能。
 

■総括

水野あつさんとはプロジェクト前からご縁があり、去年11月のファンミーティングにも来てくださってましたね。
だから「ボカロPとのコラボ第二弾には彼がいるに違いない!」と思っていたら、期待通りにメンバー入りしていた時の喜びを今でも覚えています。
 
田口さんと関りがあった方は即フォローする派なので、水野さんの作る楽曲には結構予備知識がありました。
初めて試聴でサビ部分を聴いた時から、彼の作る曲特有の優しくて可愛いメロディに心惹かれたファンは多いんじゃないでしょうか。
なんか、「この方が人気あるの分かるなぁ」って素直に思えました。
 
さて、「アンブレラ」といえば浮かぶのは当然雨の情景で、田口さんを昔から好きな人には思い出深い「Raindrops」のカエルさん視点で妄想してみたり、「別れの曲」繋がりで同じアルバムの「言わなければよかった。」とセットで聴いて別れた男女を完成させたり、好き勝手に解釈しておりましたがまあ普通に考えたら作曲者違うんだしそんなわけないよね。(ここまで一息)
(でも、ライブで同じセトリに組んでそういう演出を作るのはアリだと思うよ!)
 
すみません、ちゃんと「水野あつ」さんの曲として聴きます。
 
この曲は「愛する人との別れ」「雨の情景」というテーマがありながら、AメロとBメロにはあまり暗さだとかシリアスな雰囲気みたいなものはなく、パラパラと雨が降る街を軽い足取りで歩いているような軽快さを感じます。
そんな軽快なメロディーから、サビに入ると少し力強さが出てきて、必然的に聴き手の耳に歌詞が強く入って来るような盛り上がりを見せますね。
(この曲はアルバムの中でも比較的尺が短い所為なのか、同じフレーズを使ってる部分なんかは特に耳に残りやすい)
 
『幸せの定義とか 君と僕の運命とか そんな事 誰にも分かるはずないって思ってる』
『僕らなら信じ合えると思ったんだ』

 どちらも「思う」という動詞を使っている辺り、特にこの曲の強い思いを表現する部分であることは間違いない気がします。

しかしながら、どちらも嘘ではないんでしょうけど、一人の人間に宿るにはかなり対照的な思いというか、随分視点の異なる思いだなぁと感じました。
 
「幸せの定義」「運命」といった壮大なワードを使って、「誰にも分かるはずない」で結ぶ前者は、とても「俯瞰」した思いという印象。
 
――俯瞰とは、高い所から物事を見下ろすこと、あるいは、広い視野で全体を把握することである。読み方は「ふかん」である。俯瞰の語には、物理的な意味と比喩的な意味の2つの意味を含んでいる。

 

一方、「僕ら」という自分を含めた人間を主語とした後者は非常に「主観的」です。

――主観的とは、表象・判断が、個々の人間や、人間間の心理的性質に依存しているさま。自分ひとりのものの見方・感じ方によっているさま。

 

「僕らなら信じ合えると思った」という強い思いはありながらも、別れた後に「それは自分一人だけの思いだったんじゃないか」と考え始めて、だんだんと「僕らが一緒にいて幸せになれたとは限らない」みたいな俯瞰した視点で物事を見始める。

心情的に、離れた直後というよりはしばらくして落ち着いた後なのかも。
 
ここでいう「俯瞰」というものを高い所からの視点=空から降る雨に例えているのだすると、そんな俯瞰から自分一人の思いである「主観」を守る存在こそが、曲のタイトルでもある「傘」なのかなぁって思いました。
自分一人だけの思いって考えると寂しいですが、傘というのは基本的に一人で入るものですもんね。
 
『君の髪の匂いすら その声や顔も忘れるかな』
『思い出が全部白紙になって』

 「僕らなら信じ合える」ってあの時思っていたことも、いつかはきっと忘れてしまうことを彼は分かっています。

だからこそ、今はまだ俯瞰した思いに濡れないように傘をさす。
「周りばっか見て流されて、胡麻化していた自分」がかつて確かに信じていた思いを守ることが、彼女へのせめてもの償いだったりするのでしょうか。
田口さんのMVでも、二人が仲良しだった頃の映像がBメロとサビでずっと出てきますよね。
 
『もし僕が消えたら 別々の道をさ 選んだとしても』
『君自身の事をさ 責めないで欲しいな』
『雨を待つように』

 ここ、「雨に濡れないで」って意味じゃなく、本当は「あなたにやさしい雨が降りますように」って意味だったりするのかな。

前述の解釈に当て嵌めるとしたら、「僕はまだ忘れたくないけど、君は僕を忘れても良いんだよ」みたいな。
雨って、冷たくて苦しいものにも、優しい自然の恵みにも例えられるので不思議です。
 
作り手と歌い手両方の優しさがしっとり染み込んだような楽曲でした。
 

白でも黒でもグレーでもない ―『東京グレースケール』を聴いた感想

こんにちは、アンです。

夜勤明けにこんな文章書いたりしてやること自体は増えてるのに、それが逆に規則正しい生活を作っているのかやたらと元気です。
楽しいことって多い方が良いですね。
 

■東京グレースケール feat.yowanecity

▼Lyrics&Music:yowanecity様

VOCALOID MV

Vocal初音ミク
 
田口淳之介 MV

DirectorSOLO様
Hair&Make原みさと様
StylistKEITA UCHIDA様
CostumeTIGRE BROCANTE様
 

■田口さんによるレビュー・制作過程

・テーマはタイトルにもある通り「東京」。アルバムのリード曲だと思ってる田口さん。
・ボカロとJ-POPのミックスという雰囲気を書きだすつもりで作った。
 とはいえ、言葉数が多くテンポ早めの、ボカロならではの曲に仕上がったと語るyowanecityさん。
 yowanecityさん「どっちかっていうとガッツリボカロになっちゃったっていうか…笑」
・田口さんは「これ人間が歌えるのかな」って少し思った。でもそういうのも「ボカロ曲歌ってみた」という文化の面白い所。
(バッチリ歌えてましたよ!「歌ってみた」っていうか「歌ってみろ」って感じで 笑)
・ジャンルの定まらない曲をいつも作る中、今回みたいな曲はあまり作ったことが無かった。
 作り慣れないものは「ハズレてしまう」リスクもあるので本来はやらない方が良いが、そこで敢えて挑戦してみたいと思った。
・今は五輪もあり、世界的にも「東京」という日本の大都市の話題が多いので、アルバムのリード曲にピッタリだと感じた。
 田口さん「こんなにも『東京』って入る曲あるんだって思った 笑」
・最初のタイトルは「グレースケール」だけだったが、田口さんの要望で「東京」を付け足すことに。
(絶対入れて正解だったと思います。東京が入るだけでインパクト倍増)
 今の時代を象徴する一曲になったと思う、と田口さん。
・MVの撮影も東京タワー前で行ったりして「THE・東京」という仕上がりになった。
・「ボカコレ」というイベントで自身の楽曲をたくさん聴いて頂けたので、それを機会に頂いた仕事を今後は実績として残していきたい、とyowanecityさん。
・「今回の市長さんの曲めっちゃ好きです」と他のボカロPさんからも絶賛のコメントあり。
(どなたが喋ってるか聞き分けられなかったです、すみません)
 

■yowanecityさんのこと

・ジャンルの定まらない独創的なサウンドとドラマーならではのノリのあるビートの楽曲を作る。
 (告知Twitter紹介文より抜粋)
・「市長さん」という愛称もある。(よわね市の市長さん)
 (リリース記念ツイキャスより)
 

■yowanecityさんのオススメ楽曲

▼イシェド

 

田口淳之介ver.MVについて

東京五輪の開会式が開催される7/23にボカロ版・実写版共にMV公開。
(偶然なのか狙ってやったのかは分からないけどちょっと感動)
・監督はsoratoさんという若いディレクターさん。
・早口の歌詞やメロディーの音と合うように撮影するのが結構大変だった。
 電車が来る場面のタイミングがすごくバッチリ。
・東京の街並みが全面に押し出された映像になっているが、実は東京以外の場所でも撮影しているシーンがある。
・青いジャケットは衣装を探しているときに一目惚れしたもの。でも撮影日がピーカンだったので激暑だったとのこと。
(東京の景色とか青い空と馴染んでいて素敵な衣装でした)
・「白黒」の部分に毎回入っている特徴的な振り付けはライブでも皆にやって欲しい。
 

■総括

yowanecityさんとは生活時間帯が合うのか、Twitterでリアルタイムのツイートによく遭遇します。
参加が決まってフォローした時から「ツイートが面白い人だなぁ」って思ってたんですが、田口さん曰く「アルバムのリード曲」とも呼べるカッコイイ曲を書いてくださりました。
 
「東京」を題材にした楽曲って、J-POPでもボカロでも結構ありますよね。
(ここ最近私が好きなのは、Ayaseさんの「幽霊東京」)
そこに込めている思いとしては、東京という大都会が持つ厳しさや焦燥感、でもそんな中にも見える希望、みたいな内容が多いです。
数ある東京をテーマにした曲の中でも、この「東京グレースケール」にはyowanecityさんにしかない「東京への思い」がきっと込められていると思います。
 
曲を聴いてて所々印象に残るのは、「白黒」って歌詞ですよね。
(映像だと田口さんがそこに振り付けを入れているので尚そう感じます)
そして、曲名に入っている「グレースケール」。
」と「」と「グレー」という無彩色でこの曲全体のイメージが出来上がっており、ボカロ版のMVもそんな雰囲気でした。
(イラストのクレジットが見つからなかったんですが、動画制作もご本人様ってことでいいのかな?)
 
『白黒つけたいこの世の未練』
『こっちが悲しいとか 僕だけが一人正しいとか そんなんじゃない』
 例の「白黒」の周辺の歌詞を拾うと、語り手はどうも「白黒つけた意見」やそんな世の中に思うところがある印象。
最近、コロナや五輪関係に関する「東京」の報道を某ニュースサイトでよく目にするのですが、そこについているコメントは毎回白黒はっきりとしたものが多いです。
それに「そう思う」と「そう思わない」の2択で評価するシステムも、大体どっちかに偏ってることが大半なのもなんか嫌ですね。
 
それも、自身の意見というよりは
「あの人が白って仰るのだから白に決まっている」
「アイツが黒だと言うのなら意地でも白だと言いたい」
というような、他人に引っ張られたり跳ね返したりする主張が強いような。
 
中立的な意見は下の方に沈みがちなところを見ると、「何事においても白黒つけることを求められる世の中」になりつつあるのかなぁ、って少し空しい気分になります。
(いや、自分が歳食っただけか? 笑)
 
『君の吐く言葉はグレーのゾーンに帰結しがち』
『その顔じゃ 気を遣われてるのが 手に取るように分からされて Fallin’ down』
『こっちもきれいとか 味があってそそられるとか そんなんじゃない』

 それなら、白でも黒でもないグレーゾーンの主張を大事にする人なのか?と思いきや、そんなどっちつかずな言い方もあんまり好きじゃない模様。

こっち「も」っていう片側を否定しない言い方も、「味がある」「そそられる」といった曖昧な表現も、「そんなんじゃない」と一刀両断されていますからね。
 
確かに、グレーゾーンな意見って柔軟さを感じる一方、「所詮どっちか決められないんじゃん」というもどかしさみたいなものもあります。
どちらも否定したくないって思いも嘘ではないんだろうけど、それよりもっと前面に出ているのはこちらに気を遣っている態度。
白と黒、どちらにも行けない中立的なのも嫌だ、という少し尖った人物像が窺えます。
 
『見たいのは 君しか見てない世界の…』
『見たいのは あの頃見ていた世界の…』

 と、直前にそうやって言う割に自分は最後まで言い切らない形での主張をしていますが、そこに続くのはまあ『東京』ですよね。

(歌詞だと三点リーダだけど、実際に曲を聴くとすぐに『東京』に続くようなメロディになっている)
 
私がこの曲で最も面白いと思う部分は、これだけ無彩色をタイトルや歌詞に盛り込みながらも
 
『そんなnightsは鮮やかだった』
 という言葉で最後を締めていることです。
 
田口さんのMVで真っ先に感じた、「ああ、東京って意外に彩りある街なんだな」という印象。
真っ赤な東京タワー、光を反射して青く輝くビル、夜景のネオン。
恥ずかしながら東京に殆ど足を運んだことのない自分は「白黒のコンクリートジャングル」ってイメージを持っていたので、予想外の鮮やかさに目を奪われた映像でした。
 
そんな「東京って白黒のイメージあるけど、意外にも色の多い街なんだぜ?」という情景に、色を用いた感情表現を上手い具合に絡めることで「自分が見たいのは、君にしか見えない東京の色だ」と唯一無二な感情を求める気持ちを描いてるのかもしれません。
また、東京の夜景の色とりどりの光の一粒として、自分たちも存在するのだという主張だったり。
 
東京といえば、大きな夢を持った人が遠くから集う街でもあります。
夢を追いかけて出てきた時、最初に見た東京の街並みはすごく鮮やかだったはず。
そこからだんだんとグレースケールに染まっていった自分をどうにか否定し、一色に留まらない考えを忘れないようにしたい人間の姿が浮かびます。
 
ところで、この曲における「僕」と「君」ってどういう関係性なんでしょうね。
書き手である「僕」が聴き手の「君」に問いかけているという『弁論説』が最もスタンダードな考え方ですが、「君」と「僕」は同じ世界線上に存在する恋人同士、みたいな『物語説』もアリだし。
ちなみに私は、「君」と「僕」は実はどちらも自分自身、という『自問自答説』が一番面白いなって思います。
 
そんな鮮やかな東京の景色を、しっかり目に焼き付けて帰ってきたい。
初の東京参戦と共に聴いていたい楽曲でした。
 

たかが人間、されど人間 ―『ジュケの不死帳』を聴いた感想

こんにちは、アンです。

今日も今日とて楽曲レビュー。舞台までのカウントダウンも兼ねて、しばらく夜勤明けのルーティンにします。
今回はちょっと長くなりそうな予感。
 

■ジュケの不死帳 feat.コウ

▼Lyrics&Music:コウ様

VOCALOID MV

Illustezu様
Bassrins様
Tonal markショウ様
Vocal:flower
 
田口淳之介 MV

DirectorRYUTARO FILM様
Hair&Make: 原みさと様
StylistKEITA UCHIDA様
CostumeColumbia様
                      GOLDY様
      somnium様
      TIGRE BROCANTE様
 

■田口さんによるレビュー・制作過程

・ジュケの不死帳のタイトルの意味について。
 「ジュケ」はジュ(ンノス)ケ。
 「不死帳」は田口さんの事務所である「Immortal」をイメージした言葉。
・不死帳はジュケが持っているノート。「感染」がテーマである曲の中で、感染に対しての抗体を持っている人を旅の中で探し、リスト化している。
・曲中の「ミア」という子には抗体がある。(田口さんの飼い猫であるニアと聞き間違える人多数)
・そんなミアにジュケは会いたいけど、抗体の無い彼が会ってしまうと感染のリスクがある。
・歌詞には少し重いストーリー性があるが、メロディーはとても爽やかなロック調。
・コウさんと田口さんは、企画の前から既に直接会っている。
・初対面はボカロの即売会「ボーマス」にて。
 前回のコラボ相手のノイさんとコウさんがボーマスでコラボしていて、「田口くん今から来るみたい」と急に言われた。
 コウさん「田口くんここに来るの!?って 笑」
・池袋サンシャインシティの会場で一般の方に紛れて参加していた田口さん。(結構緊張したらしい)
 特に周りから声をかけられたりはしてない。
 コウさん「いや、オーラやばかったですよ。こう、CDがガタガタって…笑」
・基本的に暗い歌詞と人の生き死にに関するダークな世界観を自分の持ち味としており、そこに田口さんの明るい滲み出る優しさと、笑顔と、ピースフルな感じをどう融合しようかと思った。
・田口さんからは「僕の得意なジャンルに寄せなくてもいいし、コウさんのロックな部分を押し出して」と言って貰ったので、そのまま形にすることにした。本当に一緒にやりたい人しか選んでない、という田口さんのメッセージを受け取りつつも、「浮いちゃうんじゃないか」という不安はあった。
・MVが本当に爽やかでビックリしたので是非見て頂きたい、とコウさん。
 最初にMVを制作すると聞いた時は、「あ、じゃあ僕だけ選ばれたんだ」と思った。
 コウさん「皆はボカロ版MVだけど、コウさんの曲は実写MV撮りましょうってことかと!」
 victreamさん「それ僕も思いました…」
 コウさん「思いましたよね!?」
 田口さん「この3週間でMV8本撮ったわけよ 笑」
・前作「ジュウゴノシンゾウ」で実写MVは「Cc:京都遊郭にて、空蝉。」の1曲だけ。
 実際撮ると「やっぱ実写いいな」と思い、前作よりもっとボカロ版と見た目の違いを出したかったので8本全部撮ることにした。
・自身が投稿するMVではあまり見られないような、突き抜けた明るさが表現されていてとても良かった、とコウさん。
 コウさん「まあ、(実写MVがあるのは)僕だけじゃなかったですけど…笑」
・アーティストさんに既存のボカロ曲をカバーして貰う機会はあるが、一から作って提供するのは初めて。
 

■コウさんのこと

・「鳴る小説」をテーマに、音楽で物語を紡ぐボカロPさん。
・代表作「メアの教育」を始め、唯一無二の世界観・キャラクター性のある楽曲で注目を集める。
・医師、そしてシンガーソングライター「清水コウ」としての顔も持つ。(「ボカロP+医師+イケメン」なんて属性持ち、Rさん以外にも居たんですねえ…)
 (告知Twitter紹介文より抜粋)
・他の作品も意味合いが深いものが多いので、是非一緒に聴いて欲しい。
 (リリース記念ツイキャスより)
 

■コウさんのオススメ楽曲

▼ミアの暗号

 

田口淳之介ver.MVについて

・ボカロ版とはキーが少し異なり、田口さんの声で歌えるキーに調整してある。
 どの曲も仮歌を貰った時にキーやアレンジを調整しているらしい。
・監督はRYUTARO FILMさん。今回のお仕事で初めてご縁があったとのこと。
・上空からのアングルはドローンを使っての撮影。ゴープロ(激しい動きへの対応や防水機能のあるアクションカメラ)や自撮りカメラも使用しており、カメラに凝った作品になっている。
・朝の4時に東京を出発して撮影に行った。撮影場所は伊豆高原・大室山。
(ラスサビのダンス、あんな一歩踏み外したら海に落ちそうな場所でフォーメーションチェンジするの怖くなかったのかななんて思った 笑)
・アルバム内で唯一ダンスでの共演者がいる作品。
(ダンサーさんのお名前とリンク見つけられませんでした、すみません)
・6月の梅雨時期にも拘わらず当日は幸運にも夏場れとなり、爽やかな映像が撮れた。
 
(余談)YouTube公開されたMVを友人に自慢していたら、「曲始まりで田口さんが着てるシャツが可愛い!超欲しい!」と特定に躍起になっていたので、ダメ元で「特定求む」という旨のツイートをしたら親切なフォロワーさんがリプライしてくださいました。
「HUF」というブランドのパルプフィクションコラボシャツという代物で、生産数が少ないのもあり入手が難しいらしい。そ、そんなん言われたら私も欲しくなったじゃないか…
 

■総括

アルバムの予約の時、「タイトルからして面白そうな曲ばっかり!」とワクワクしていたのですが、中でもずば抜けたインパクトがあった曲名が「ジュケの不死帳」でした。
だって、「ジュケ」も「不死帳」も明らかにこの曲にしか出てこないワードじゃないですか。
 
コウさんの曲は、独自に編み出したキャラクターが出てくるシリーズものであることは予備知識として持ってました。
しかし、まさか「ジュケ」という人物名を田口さんの名前から取っていたとは!
「不死」にも彼の会社名である「Immortal」の意味を含んでいると聞いて、なんだかすごく有難みを感じましたね。
(ちなみに『これも勝運か』という昔からのファンが反応せざるを得ない言葉が入っているのが偶然なのか意図的なのかは分からない)
田口さんとのコラボ曲を、決してイレギュラーとしてではなく自身の大切なシリーズの一環に加えてくださったことを、とても嬉しく思います。
 
さて、そのコウさんのシリーズの一曲である「ジュケの不死帳」はこういう歌い出しから始まります。
 
『最終回らしいから』
 …さ、最終回?
私はてっきり前作の「ミアの暗号」との二部構成だと思っていたんですけど、二作で終わるならこういう言い方はしないよなあ…
それで改めてコウさんのチャンネルを巡回してみたら、どうも他シリーズと全部繋がっているみたいです。
(ボカロ版のジュケの不死帳の該当部分には「絶望」「忘却」「血痕」の文字が出ている故)
 
ジュケが書きだしたリストに出てきた人物と曲名、それが属するシリーズを纏めると以下のようになります。
 
メア:『メアの教育』(忘却日記)
ネア:『ネアの幻遊』(絶望接種)
ナイト:『ナイトの正夢』(忘却日記)
カグヤ:『カグヤの灯篭』(絶望接種)
ナツキ:『4月44日』(忘却日記)
レイン:『レインの絵画』(絶望接種)
ソラ:『4月44日』(忘却日記)
レク:『レクの空走』(絶望接種)
ユマ:『ユマの失明』(忘却日記)
ナツオリ:『死んではいけない』(絶望接種)
 
お、多い…多すぎる…!
しかも、時事ネタを暗喩したストーリーかと思いきや、一番最初の曲はコロナ渦よりもっと前に出ておる。
そんなに前から今に繋がっているのが純粋に凄いなぁって感じました。
(世の中の流れや自分の気持ちの変化に沿ってストーリーが変わっていったのかもしれませんが)
 
本気で考察するなら全シリーズの全曲をじっくり聴いた上で…と思い、全て1周してはみたんですが、ボカロにわかの私が1周聴いたぐらいで全貌が掴めるわけもなく。(聴く前から知ってた)
この感じ、私が10年前ぐらいにハマった「七つの大罪シリーズ(悪ノP)」を思い出すなぁ。
全部裏で繋がっていそうではあるものの、決して時系列順に並んでるとは限らない所がまた難しいっていう。
 
ぶっちゃけ今全てを理解してここに書くのは無理なので、最も関わりの深い「ミアの暗号」と絡めてこの曲を考えてみようと思います。
まずは、二つの曲中の世界観から。
 
2041年、NILD-4と呼ばれるウイルスが猛威を奮う時代。
 人々は特殊なマスクを装着しなければ生きていけなかった。』
 
『NILD-4は、「宿主の死期が感染者に伝播する」ウイルス。
 故に死期が近い高齢者や、自殺志願者は隔離対象となる。』
 
『電脳世界移住計画。
 ウイルス感染を逃れるため、生命の電子化が為された世界。
 これ以上この世界に居続けたら、もう戻れない。』

 本作の主人公であるジュケは、この「電脳世界」に飛ばされたんですよね多分。(もうこの時点で予想が怪しい)

「ミアの暗号」を聴いた時、ジュケは自らの意思でそこに行ったのだと思っていましたが、「ここから出してくれ」って言ってるのでどうも本人は不本意だったのではないかという印象。
 
『電脳世界でもこんなに空は青いのか』
『ここではマスクを外していい』
『ここは理想郷だ』

 「電脳世界」はデスクトップの中の世界。ミアが見つめる先にあるものです。

(確かWindowsXP辺りの初期画面ってそんなんだったような)
 
最初に聞いた時は「何それ超いいじゃん」とか思ったんですけど、(頭の悪そうな感想で申し訳ない)
そこではどうしてマスクを外してもいいんだろう?電子化された生命だからウイルス関係ないってこと?
いや、それとも隔離対象じゃない人だけが電脳世界に移住するから、感染の心配がないってことかな?
 
…うーん、凄い技術だけどそれって本当に「生きてる」って言えるんだろうか。
 
『ここから出るにはパスワードが必要なようだ』
 ほほう、パスワードとな。これは「ミアの暗号」でも求められてましたが、電脳世界って入るのにも出るのにもパスワードが要るんでしょうか。
いや、入るとか出るとかじゃなくまた違う世界線や時間軸にアクセスしたりできたりして?
曲中で「SETSUNA」と「END NIGHT」ってコードが出てくるけど、意味はまだ分からない。
(SETSUNAは「サラの刹那」が絡んでいそうなことぐらいしか…)
 
『ジュケ、感染者のリストを渡せ』
薄気味悪い笑みを浮かべるミアが画面の外から見ている。
『いや、これはミアじゃない』
『こんなことができるのはミアの父親しかいない』

 ミアのお父さんは、「忘却日記」シリーズに出てくる「ナイト」という人物だという説が濃厚。

NILD-4について調べているジュケを見て「私のお父さんと同じだね」だとミアが言っていた通り、ジュケもナイトも同じウイルスについて研究をしているようですね。

しかし、同じものを研究していながらも、『未来を創るための道具』は二人全く違うんじゃないかと私は思いました。
 
『ミア、僕が持ってるのは感染者のリストではない』
『NILD-4の抗体を持っている人間のリストだ』

 ナイトが如何なる人物なのか、「ナイトの忘却」からここに繋がる情報は見つけられないのだけど。

電脳世界の基盤を創った人、ジュケを電脳世界に送った人、ミアのふりしてデスクトップ越しに話しているのがナイトだとしたら…(最後のはあんまり自信ない)
 
画面の向こうのミアだけどミアじゃない人(仮にナイトとする)が要求したのが「感染者リスト」である一方、実際にジュケが持っていたのは「抗体者リスト」です。
この抗体を持っている人間のリストこそが「不死帳」ですね。
 
「感染者リスト」と「抗体者リスト」って、似てるようで実は目的が全然違うと思います。
感染者を隔離するためのものが感染者リスト、ウイルスに抗うためのヒントみたいなものが抗体者リストだとしたら、ナイトとジュケはウイルスに対して異なる対抗策を練っていんじゃないでしょうか。
コウさんもジュケの不死帳は「感染に立ち向かう人間の歌」だって仰ってましたよね。
 
これ、感染に立ち向かう『人間』っていうのが重要なんじゃないかな。
「電脳世界」では感染することなく生きられるのかもしれませんけど、電子化された生命は最早人間とは呼べない気がします。
飽くまで人間の形を保ったまま、ウイルスに抗いたいというのがジュケの思惑としてあるのかもしれません。
 
そう考えると、田口さんのMVが「ミアの見た理想郷の大草原」だという最初の解釈も間違いに思えてきました。
あの映像の彼はとても人間らしい生命力に満ちていましたからね。
実写MVの監督がこの曲をどう捉えたのかとっても気になるんですが、ジュケが空のキャンバスボードに描いた「新しい未来」はあの映像だと信じてます!
 
『それでも一緒にいたい』
 ミアは、パスワードを入力して電脳世界に入り、ジュケを探します。
ジュケのいる理想郷で一緒に生きるためかなぁって最初は思ったんですが、「あなたがいる現実を選ぶ」って言ってるから違うかも。
電脳世界で一緒に生きるためじゃなく、ジュケを連れ戻すために入っていったとかだったらそれも素敵だなって思います。
 
…と、ここまで長く語っておいて「田口ファン全然分かってないよヤレヤレ」ってコウさんのファンに思われないかすんごい心配。
シリーズをずっと聴いている方ですら考察段階のものが私なんぞに分かるわけないので、矛盾や見落としはご容赦ください…
(考察は、「分かること」より「分かろうとすること」に意義があると思っております)
 
でも、「これだけは間違いない!」ってことがあるので最後にもう一つだけ。
 
『死ねない理由 誰にもあって』
 ボカロ版MVと実写MV、全然雰囲気違うなあって思う中で、ここだけは歌詞の意味が両方の映像とリンクしてるように思えました。
なんか、どちらにも「生きたい」っていう強い意志をすごく感じて。
コウさんのシリーズはまだまだ履修不足。しかし、「死ねない理由」はリストの中の全ての人物が持っていそうだということは分かります。
それは多分、「愛する人と一緒にいたい」っていう気持ちかと。
物語の中だけでなく、コロナ渦の現代を生きる私たちの中にも存在する理由ですね。
 
医師でもあるコウさんの命に対する心情が綿密に描かれたような、そんな楽曲でした。
 

今視える世界は、自分一人の幻かも ―『DEEPEST』を聴いた感想

お久しぶりです、アンです。

待ちに待った田口淳之介×ボカロP企画第二弾!楽曲レビューをどう書こうかとずっとウズウズしておりました。
どうぞ暇つぶしにでもお読みくださいませ。
 

■DEEPEST feat.victream

▼Lyrics&Music&Arrange:victream様

VOCALOID MV
・Illusttsumoi様
Vocal:flower
 
田口淳之介 MV
DirectorTOGUCHI様
Hair&Make原みさと様
StylistKEITA UCHIDA様
CostumeACUOD by CHANU様
 

■田口さんによるレビュー・制作過程

・普段はポップ系の楽曲が多いが、今回は「新しいジャンルに挑戦したい」「HIPHOP系の曲を作りたい」というvictreamさんの意見を取り入れた。
・最後のバス(声域)部分にこだわり有り。
・制作時は、コロナ禍ということもあり会社をクビになった時でもある、とvictreamさん。
(それはDEEPESTだ…)
 そのこともあり、今までの明るい自分とは別で「世の中に対する訴え」のようなものを田口さんに説明して曲を作った。
 田口さん「それは…歌詞を読むと点と点が線になったね」
・他の方のMVを観た時に、彼氏目線の作品がすごく良いなぁと思った。
 victreamさん「俺もあの…『DEEPEST』で彼氏目線のやつ欲しかったです」
 田口さん「あの曲調で!?笑」
 (その後、ボカロPさん達が「彼氏目線の田口さんカッコイイ」ってクロストークをしていますが誰が誰か分からず文字に起こせない 笑)
・『DEEPEST』を最初に聴いた時、1曲目に持ってこいだと思ったという田口さん。ダンスも映える楽曲になった。
・MVはエフェクトをガンガン入れた攻めた仕上がりになっている。宇宙空間、未来空間といったイメージ。
 victreamさん「撮影は2000…何十年代でしたっけ?」
 田口さん「2045年からタイムリープしてきてます」
・victreamさんが「衣装は全部購入されたんですか?」と聞くも電波不良で田口さんに届かず。
 リアタイで聞いていた時、他のボカロPさん達は会話できていたので田口さんにだけ聞こえていなかった模様。
ツイキャスで改めて聞くと誰かギターの弦でもはじいているように聞こえる 笑)
 victreamさん「良かった、田口さんにガン無視されたかと思った…笑」 
・夜の23時過ぎに対談していた中、victreamさんは明日お仕事なので途中離脱。
(今は無事にお仕事されているようで何よりです)
 

■victreamさんのこと

K-POP、アンチポップ、アニメソングなど、ジャンルを問わず様々な楽曲を作るシンガーソングライター、トラックメイカー。
・海外のファンが多く、彼自身も普段から英語でファンと交流している、界隈では稀に見るグローバルなアーティスト。
(告知Twitter紹介文より抜粋)
 

■victreamさんのオススメ楽曲

▼灰に揺蕩う

 

田口淳之介ver.MVについて

・監督は「Stay True」や「Take You Away」でもお馴染みのTOGUCHIさん。同アルバム内では「アンブレラ」のMVの監督も務めている。
・CG満載の編集が入っている。撮影時はCGと合成するのでグリーンバックでの撮影になると聞いていたものの、こんなに凄い効果の入ったMVになるとは思ってなかった。
VRを装着するシーンでは、スタイリストさんの提案で左耳にリング状のイヤリングを着けている。
(これ、ピアスを開けてない彼にとってとんでもなく希少なアクセサリーなのに最初に誰も突っ込んでないの驚いた。でも田口さんがするとまるで「どこにでも居る普通の男」を強調するかのようなアイテムに感じるので不思議)
VRを見ている途中で何者かにハッキングされるという設定。
 「深い闇の底でも視えるものがあるんじゃないか」というvictreamさんのメッセージが映像にも込められている。
VRの世界に引きずり込まれたのかな?とコメントしたら「そんな感じです」とのこと)
・MVのラストの方で、ボカロ版にも出ているイラストの色違いがサブリミナル効果のように一瞬だけ映っている。描かれたのはつもいさんという方で、victreamさんイチオシの絵師さん。
(最初見た時は東京喰種の石田スイさんの絵かと思ってビビった)
・楽曲の衣装は田口さんと馴染の深いACUOD by CHANUさんのもの。同アルバム内では「猛毒」と「DUMMY」のMVでも同じブランドの衣装を着ている。
 

■総括

聴き手にとっても歌い手にとっても期待と緊張の「1曲目」。それはおそらく作り手にとってもそうでしょう。
K-POP系のサウンドだという事前情報もあり、実際聞いてみると確かに静かな中にも迫力ある音で「ああ、これはライブの1曲目に来る曲だな」と、まだ他の曲を聴いていない時点で感じました。
MVのティーザーもダンスシーンから始まり、なんだかDIMENSIONSのオープニングの壮大さを思い出しましたね。
 
しかし冒頭の歌詞を聴くや否や「なんて救いの無さそうな歌詞なんだ…」と圧倒され、ひょっとしてこのアルバムは全体的に闇属性のテーマが組まれているのではないか?とすら想像してしまいました。
(他の曲もどこかタイトルから切なさや闇を感じるの多かったし…)
 
そんなことを思いつつも、ボカロ版のMV・田口さんのMV・制作過程なんかを聞くうちに「もしかすると、これはむしろ『堕ちていくこと』に救いを求めた人の曲なんじゃないか?」という解釈に至りました。
 
田口さんのMVでは、VRのゴーグルを着けてバーチャルの世界に入るところから始まります。
そこに映るのは人類には早すぎる映像というか、近い未来に深層Webから発見されそうな動画というか…(もっとマシな表現ないんか)
彼曰く「2045年の世界」だそうで、こんな映像を3Dなんかで見てたら、まるでそのうち自分が特別な人間のように錯覚しそうですね。
 
『類稀な才能に溺れてた』
『僕は特別な人間だと信じてた』

 Aメロの歌詞でもこのように語っていますが、これらは全て過去形で表現されています。

つまり、「実は違ったのだ」という前提がある上で語っているわけで、冒頭の畳みかけるような救いのなさの正体はそれですね。
 
『突き出された現実に目を伏せた』
曲の1番が終わった後、「ERROR」の文字が画面いっぱいに出た辺りからどうも様子がおかしくなります。
おそらくさっきまで見えていた仮想空間が急に遮断されたのかと思いますが、まさに「突き出された現実」に目を伏せたくなった瞬間を表現しているのでしょうか。
 
でもねぇ、そういう思い上がりと現実への直面みたいなことって、日常でも心当たりがあったりします。
今思えば痛いんですけど、もっと若かったころは自分は何でもできると思ってたし、どこにでも行けそうな気がしたし、自分は周りとは違う何か特別な才があるって、心のどこかで思ってませんでした?(私は恥ずかしながらちょっと思ってた 笑)
 
だからその思いを信じて疑いもせず、思わず口元に笑みを浮かべている自分に
 
いやそれ思い込みだから。なに本気にしてんの
 
なんていうようなことを急に言う人が現れて、自分が今まで見ていた世界が嘘のように消える瞬間がありました。
VR」というアイテムで表現しているのでカッコいい映像になってるものの、リアルなシチュエーションを想像するとかなりキツいです。
(人はそこから成長するとか何とか言うけど、その状況に直面している時の自分はとてもじゃないけどそんなこと思えないっていうかそんなん知らん。)
 
話は変わりますが、VR見てる人って第三者の視点で見てるとすごいシュールっていうか、もっと言うと滑稽ですよね。(MVでもその辺が上手いこと表現されてたと思う)
上みたいに「急に現実を突きつける人」は酷いことするなぁと思いますが、実際のところ傍から見た自分は「VR見てる人」並みに間抜けに見えてたのかもしれません。だって、周りの人には自分が視てる世界が見えないんですから。
 
そんな事実に直面した後の人間が取る行動といえば、
 
『伸びすぎた一輪の花を見た 切り捨て整え個性を捨てた』
といった具合に表面上だけは周りに合わせて生きることなので、2番Aメロの歌詞は更に絶望感と虚無感が凄いです。
 
これだけだったら「夢見てたのに急に現実に引き戻された人」の曲ですが、次の歌詞を見たら『ナイフを振りかざしてこの世を裂くだけ』という唯一残された道があるようです。
うーむ、ナイフでこの世を裂くっていうのをどう受け取るか?
個人的には『この世界を壊して作り変える』というポジティブな考え方ではなく、『現実を切り裂いて見えなくする』というネガティブな印象が強いですね。
まあ、中間地点にやや難しい表現があっても、結局一番言いたいことや曲の落としどころは歌詞の一番最後にあるもんです。(強気)
 
『僕は僕のまま堕ちていくさ』
…ああ、結局難しいことに変わりはなかった。(これぞ絶望)
 
でも多分「堕ちる」って表現から見るに、現実直視して自分の生き方を変えるわけではなく「幻だろうが何だろうが僕は僕の世界で生きていく」という思考に落ち着いたって考えるのが一番自然なような。
それと、「現実世界には誰も何も求めない」みたいな諦めの境地に近いものも感じます。
我が道を行くっていう純粋な前向きさとは絶対に違うことは、曲全体の雰囲気が物語っていますよね。
(何とも言えない後味の悪さを感じるサウンドと、サブリミナル効果みたいな一瞬出てくる絵が不安を煽る)
そもそも、曲の題名である「DEEPEST」の訳って何だ?と考えると個人的にしっくりくるのはメリーバッドエンドです。
 
――deepの最上級。(下に向かって)深い、 底深い、 深さ…の

ERRORの瞬間は一瞬全身が硬直したものの、ラストは仮想空間の彼とシンクロするように踊りだしている現実世界の彼。
最初はただ浸っているだけだったのが、最後は完全に同一化してしまったように見えます。
前述でも言った通り少し不穏な終わり方ですが、本人的には幸せな展開だったのかも。
MVの主人公はボカロ版も実写版も、どちらも最後は幸せそうな笑みを浮かべていますよね。
 
最初からクライマックスと言わんばかりの1曲目。
「自分と他人は視えている世界が違う」という独特な感情を、壮大なサウンドと世界観で表現した楽曲でした。
 

孤独の三原色 ―『Stay True』を聴いた感想

お久しぶりです、アンです。

本日はリリース記念日ということで、久々に楽曲レビューを書きたいなあと思いながら夜勤に励んでおりました。
どうやら昨夜はお祭りだったようで…こういう時、どうして自分は深夜の仕事なんかしているのかと自分自身が疎ましくなりますね…。
 
11月の初披露から大切に大切に今日の日まで温めていたであろう曲なので、しっかりと感想を書き残しておきます。
どうぞお気軽にお読みくださいませ。
 
(※「あの時」のことについて触れる内容になりますので閲覧時はご注意ください。)
 

■Stay True

▼Vocal&Lyric : 田口淳之介


▼Music&Guiter: 水彩画P様

Arrange : S-NA様
chorus : KIRA様
MV Director : TOGUCHI様
Make&Hair : NOBU (HAPP's)様 , 森雅弘様
 
▼MV

 
ティーザー

 

■田口さんによるレビュー

▼曲に込めた想いは色々な場所で語られていましたが、一番核心に迫った話はこちらの記事でされています。

 
(以下、記事の内容の一部抜粋)
・ここ最近の道のりを総括したようなクリエイターさんとの共作。
 2019年11月の復帰作『Voices』でトラックメイキングを担当されたS-NAさん、
 同年6月にリリースした『ジュウゴノシンゾウ』でコラボした水彩画Pさん。
 『Stay True』はそんな彼らの協力によって出来上がった楽曲。
 
・今回は田口さん自身がリリックを書いていることが最大のフック。
 これまでは自分の気持ちをリリックに乗せたことがあまりなかったが、今回は少しさらけ出してみようと思った。
 表現したかったのは『これから自分がどう生まれ変わるか』という部分。

概要としてはこんな感じになりますが、ここから先はもっと重みのある内容を語られています。

上記でもある通り田口さん自身が筆を取って歌詞を書くことは非常に珍しいので、きっとそこに込めた想いをどこかで赤裸々に語ってくれるのではないかな…と思っていました。
しかしながら、思ったよりも大分濃度の高い内容で歌詞の真相を知ることになったなぁ…とこの記事を読んでいて感じましたね。
ここに抜き出すと変な伝わり方をしそうなので、リンク先の記事を直接読むことをオススメしたいです。
 

■制作過程

▼この曲が生まれたのはおそらくこの日です。(本人のTwitterより)

 この時点でかなり仲良くなっていた水彩画Pさんですが、「彼と一緒に制作をしたい」という旨は8月のライブのMCで話していたので、「ついに始まったか!」とワクワクしたのを思い出します。

 
▼そして、おそらくその日の出来事であろう内容のツイートを水彩画Pさんも最近して下さりました。

どんな想いを語ったのかは水彩画Pさんのみぞ知る。
まだこの時はリリックは完成していないと思いますが(大体リリックよりメロディーを先に作ると思うので)、降りてきたメロディーは間違いなく彼の想いにマッチしていたと思います。
 
 
▼そしてそして、そんなお二人の曲についてのトークをちょっとだけ聞くことができました。

(※有料会員のみ視聴可能です。見たい方はチャンネル登録してね♡)
 
田口淳之介ニコニコ生放送 vol.48』に、水彩画Pさんがゲストとして登場。
水彩画Pさん「詞、すごい良かったよね」
田口さん「あ、あざっす…」(照れてるリアクションがとても可愛いの)
水彩画Pさん「すごいね、グッとくるよね」
田口さん「自分のこれまでのこれまでとこれからっていうか…自分の気持ちとして歌っています。あんまり俺、書かないんですよ。自分で自分のこと…」
水彩画Pさん「あんまり書かないからこそ、ファンにとってもね…(良かったんじゃないか、というニュアンス)」

作曲者である水彩画Pさんが彼のどんな想いを受け取って、どの部分のメロディーが最初に降りてきたのかとても気になりますね。

おそらく一番印象的な「離さないで」というサビの部分じゃないかとは思うんですが…
しかし、曲を作る人というのはどんな風にメロディーが浮かぶんだろう。作曲に縁のない私としては最大の謎です。一度でいいからメロディーが生まれる瞬間を第三者の視点で見てみたい。
 

■水彩画Pさんのこと

今更語る必要もないですが、一言で言うと「多分去年彼が一番会った相手」って所でしょうかねぇ…
『ジュウゴノシンゾウ』でコラボして以来、かなり仲良くして頂いているようです。
 
▼こんな感じで知り合いました。

 

■水彩画Pさんのオススメ楽曲

▼絵馬には林檎の願い事

 
▼不釣り合いな楽園はエレクトロに鳴く

 

■「Stay True」における田口さんのパフォーマンス

▼初披露は2020年11月4日のライブ「Chance」でした。

 
「新曲を歌う」「自身で作詞をした」という情報は事前に得ていたので、中盤で歌い出した時には何としてでも歌詞を聞き取ろうと画面に噛り付くようにして視聴していたのを今でも覚えています。
この時は音源もおそらくまだ収録していないし、バンドでの生演奏だったので(言葉を選ばずに言うと)まだ歌い方も少し安定していなかった印象でした。
それでも、「琥珀色の朝を迎えて」「劣等、孤独と小さな夢」「苦しくて吐き出したいよ」「翼無くした命」という彼のリリックはハッキリと正確に聞き取れました。これがリリースでどう世に出されるのか、そう思いながら数々のライブで聴きつつ、年月が流れていきます。
 
その初披露の時から約5ヵ月の時を経て、ようやく今年3月31日の今日にリリースを迎えました。
仕事の関係上、残念ながらMVのプレミア公開と記念生配信には立ち会えず…(休憩中に煙草を吸いながら悔しがる私)
長時間休憩に入った時、やっとの思いでMVを視聴することができました。
 
「この曲で踊るのは難しいよな」と曲を聴いた当初から感じていた私。実際、ライブで披露するときも「ダンスパフォーマンス」だったことはあまり記憶にありません。
しかしそこは流石田口淳之介、身体を使った表現を存分に取り入れた仕上がりとなっておりました。
今回彼が書いたリリックは良い意味で「彼らしくない」と思う部分が多々ありましたが、映像として見ると寧ろ「彼らしい」と思える作品だと全体を通して思えるものでした。
 
(以下、MVの印象的なシーン)
(0:17)「琥珀色の朝を迎えて」
 琥珀色の光。ここで冒頭の白い服の彼とは別の、黒い服の彼が映る。
(0:19)彼の周りを舞う黒い羽。
(0:25)「苦悩」を表現するような体の動きと、白い空を飛ぶカラス。
(2:53)「時計の針が戻らなくても」
 私達側から見て反時計回りのターン、直後に時計回りのターン
(3:26)地面に残された黒い羽。
(3:37)道端に落ちている何かに気付く。それは黒い羽。一枚だけ残ったそれをそっと拾い上げる。

 

■総括

始めて曲を聴いたあの日から今日まで、とても長かったような短かったような、何とも言えない期間でした。
普段は「魅せる」方にパワーを全振りしているような彼なので、敢えて「聴かせる」方に意識を持ってきたこの曲はきっと、今後の彼を大きく変えるような曲になるだろうと思えてなりません。
パフォーマー」としては私の中で常に一流ですが、「クリエイター」としての一歩を踏み出すきっかけとして心から期待しております。
 
▼こんな話をしているとふと思い出すこのツイート。

 
さて、そんな言葉がヘタクソな彼が一生懸命組み立てたこのリリック。
印象に残るフレーズはいくらでもあるんですが、歌詞全体の中で私が気になったのは歌詞の風景を描いているであろう「三つの色」でした。
多分、誰もが掘り下げていないであろう歌詞に出てくる「色」について語ってみたい!
個人的な見解ですが、ちょっと意識して聴いてみると曲を表す映像が自然と頭に流れてきて面白いです。
 
▼「琥珀の朝を迎えて」
歌い出しに早速出てくる色です。普段聞き慣れない色なので、おそらく彼なりに含んでいる意味や、浮かんでいる情景があると見た。
 
――琥珀とは、樹木から出る樹脂が地中で固まり化石になったものです。
琥珀のように植物由来の宝石は珍しく、硬度も鉱物に匹敵するため、洋の東西に関わらず宝飾品として珍重されてきました。
琥珀は英語でアンバー(Amber)といいます。
琥珀色はウイスキーやブランデーをを表現する色としても使われます。

冒頭に貼ったインタビューの記事からして、これは磨りガラス越しに差す夕日を表すものじゃないかな、と感じましたね。
 
――Aメロに〈磨りガラスから〉って表現があるんですけど、実際に当時過ごしていた場所は磨りガラスなんですよ。5月末とかだったんで、暑いときは窓を開けてくださいって言ったら開けてくださるし。ちょうど夕日の時間帯にすごくセンチメンタルになったりして(笑)。
夕日なのに「朝を迎えて」っていうと矛盾していますが…
うーん、これは夕日と語ってはいるけれど実は朝日の方を指しているのか、もしくは目覚めたのが夕日の時刻なのか。
 
――考えても答えが見つからないので本を夢中で読んでましたね。1日1冊しか借りれないので朝本棚から選んで1冊とって読み始めると午前中には読み終わっちゃうんですけど。
これを読んだ印象で言うと、個人的には後者のイメージかなぁ、と思います。午前中に活動が終わっちゃうとすると、午後はもう寝るぐらいしかやることなくない?それならその次に出てくる「白い夢」にもつながるような気もしますし。
普段起きて生き生きと活動しているはずの時間に眠り、琥珀色の夕日が差す時刻に目覚めるような生活を送って、自分の置かれている状況を改めて理解するような、そんな情景が感じ取れました。
 
そして、琥珀色っていうのはリンク先の色見本でも分かる通り、橙色の仲間なんですよね。
MVでも橙色の光が所々に現れています。
橙色=オレンジといえばかつての彼の色ですが、それは果たして単なる偶然なのか。
 
 
▼「声を上げて 叫んで 流した血は 皆んな同じ真紅なら」
一般的に「血の色」として表現される色。この歌詞でもそんな色として描かれていますね。
この色は彼がかつて「嫌いな色」として挙げていました。
 
――嫌いな色:赤(血の色)
KAT-TUN 1st写真集より)
――真紅(しんく)とは、深みのある真っ赤な紅色のことです。『韓紅からくれない』とは同色で、別に『深紅しんく』とも表記します。現在では「真紅の花びら」などのように「真っ赤」と同じ意味でも使われます。

もう15年以上も前の事なので今はどうだか分かりませんが、「自分の血を見て気絶しそうになった」みたいな話を割と最近してた気がするので、今も多分嫌いなんじゃなかろうか。

 
「血」って不思議ですよね。
常に自分の体内にあるものだし、周りにいる全員の身体に流れているものなのに、それが外に出ただけで怖がられ、嫌われる…。
誰もが内に秘めている負の感情が、表に出た時だけ嫌なものとして扱われる現象と何となく似ているような気がします。
この歌詞を取り入れた彼の心情は分かりませんが、「人に見せたくないし、自分でも見たくないもの」を表した言葉のように私は感じました。
 
 
▼「日々の 終わりの手前で 白い夢を視る」
ここについては、記事の中で明言していました。
 
――夢って夜に見ることが多いから暗い中じゃないですか、でもなんか自分の中でそれが全部白くぼやけるんですよ。だから〈白い夢を視る〉って表現になったりとか、やはりその場にいて経験しないと感じえないものってあるから、そういう部分はちょっと自分でしか紡ぎ出せない言葉なのかなっていうのは思いましたね。
最初に歌詞を聴いた時は「白昼夢」のことじゃないかと思ったこのフレーズ。
しかし、上記の言葉を聴いただけじゃそれが正解なのかどうかは分かりません。白昼夢と言うと昼間に見る夢なので、それを見た後の何とも言えない後味の悪さを表したものなのか、それとも普通に夜寝ているけど全てに靄がかかったようなスッキリしない夢のことなのか…
 
反して、現実世界で見る光景は非常に真っ黒なものだったそうです。
 
――新聞とかでも芸能欄ってあるじゃないですか、スポーツ新聞とかだったら。収監されている人の記事は全部真っ黒に塗られているんですよ。それで、新聞を見たらラテ欄が全部真っ黒だったんです。これもう全部僕だ!って。もう見事に真っ黒なんですよ。こんなに朝から晩までワイドショーってやるんだって思って。で、ペラってめくると芸能欄で、そこも片面全部真っ黒でした。
起きている間に見た真っ黒な世界を補うように現れたのが「白い夢」だったのかな。
どっちにしろ、「白」という色が持つ神聖なイメージとはかけ離れていそうな情景です。
 
――白(しろ)とは、日本の色名の中でも最古のものの一つで、光のすべてを反射する物の人間が知覚する表面に見える色のことです。
古代の日本人にとって、白は純真無垢で潔白を表し、神事に関係ある神聖な色として特別な存在でした。この伝統は現在に至るも変わっていません。

 
…で、結局何が言いたいのかと言うと、この曲には「自分の想いを滅多に書かない」彼にとっての、「孤独と不安の三原色」とも取れる映像が感じ取れたということです。
それぞれ単体の色として見ると綺麗なものなんですが、三色が混ざり合うことによって、とても鬱屈として汚く濁ったもののように見える。
けど、この曲を通して「我々は常に綺麗なものを観たいわけではない」という感覚を味わった気がするのは確かです。
キラキラ明るいオレンジ色じゃなくてもいい、燃え上がるような美しい赤色じゃなくてもいい、清廉潔白な白じゃなくてもいい。
そんな「美しくないもの」を彼が表現し、私たちが聴き手として受け入れるような、『転機』となる曲なんじゃないかと、率直に思いました。
 
そして、一番印象的であるサビに彼が込めた想いはこうです、
 

『俺が俺を離したくないなって』

(いつかのライブのMCより)

MVの終わりで掴んだ黒い羽は、彼が離したくなかった自分そのものなのかもしれませんね。

 

マイク1本でも壁壊せ ―SPECIAL BAND LIVE Chanceを観た感想

どうもこんばんは、アンです。

11月のライブは全て配信で参加したものの、多忙にてレポートを全く書けず。
ここ最近やっと落ち着いてきたので有料動画を見ながら振り返っていきたいと思います。
参加した皆様もご新規さんもどうぞお気軽にお読みください。
 
 

OPENING PERFORMANCE

・主催登場の前にバンドメンバーの皆様によるオープニングパフォーマンス。青山英樹さん、水彩画Pさん、飛鳥さん、ふぁみ。さんの皆様による演奏です。
・8月のライブを思い出すメンバーに感動したところで、ボーカルの田口さん登場。
 田口さん「今日はこのスペシャルバンドと共に、最高の一夜にしましょう!」
 

What Color

・ジュウゴノシンゾウの力強い一曲目としてお馴染みのこの曲を、この日は初めてバンドスタイルの生演奏にて披露。
ライダースジャケットを羽織った黒を基調とした服装で、キレのあるダンスをする田口さん。今日はカメラワークのお陰でこの曲最大の特徴のステップが良く見えました。黒一色の中に映える赤いスニーカーが素敵。
・バリバリ電子音のEDM曲の生演奏もまた重量感があってとても新鮮。
・「僕が僕であることの意味を探すために」止まることなく走り続けた一年間が身に染みます。
 

慣性スケーター

・ギターサウンドが特徴的なシシドさんの力作。8月のジュウゴノシンゾウLIVEと違いこの場にシシドさんの姿はありませんが、この曲が流れるとその存在を感じられます。
バンドマスターでありギタリストである水彩画Pさんの超絶ギタープレイもよく映っていました。田口さんとのツーショットも板についてきましたね。
・ドラムとベースの重低音にも負けない田口さんの歌声に歌唱力の向上が見える。
・ここ一年で伸びに伸びた髪を振り乱しながら、身振り手振りで曲を表現しているのがよく分かる。ダンスの無い曲でも動きのあるパフォーマンスに定評のある田口さん。
・「等身大を上回るほどの巨大な見栄なんて今更張らず」に、素のままに歌えたのではないでしょうか。
 

路地裏探訪

・バンドメンバーで初披露となった思い出の一曲。ジャズ調の曲に飛鳥さんのピアノの音がよく合うこと。
・そふりどさんの世界観溢れるMVもバックのモニターにバッチリ映ってます。本家のMVを見に行きたくなる。
・この曲の辺りから閲覧者数が急激に増えてきたのを今でも覚えています。その為配信ではちょっとカクカクしていましたが有料動画では快適快適。
・途中で歌っている田口さんが「心配ないよと手を振っていた気がした」んですよね。
 

MC

・ここで改めてバンドメンバーの紹介。田口さんのトークの出だしでドラムを叩いてくれる青山さんが愛しいです。
・この時間はニコニコ生放送Youtubeで無料配信中。Youtubeアーカイブは残っていませんが、私の記憶上ではshinoさんと左手さんとよしだなすびさんが見ていてくれたはず。
・自らのスマホiPadでコメントの確認も忘れない田口さん。
 田口さん「ニコニコ生放送、なんと10,000人超えてます!」
 カメラワークの関係で青山さんの「おおー!」という反応も見えました。テレビ画面とPCで両方の配信を閲覧する猛者もいた模様w
・六本木morth-tokyoは2020年11月末をもって残念ながら閉店。この会場は去年11月に田口さんが復帰ライブを果たした思い出の場所なので、運命的なものを感じたとのこと。カメラワーク、照明、音響、スイッチング共にパーフェクトな環境。
・今年はコロナの影響で色んな方が辛い状況にあったと思うが、ピンチをチャンスに変えられるように思いを込めてパフォーマンスで勇気や元気を与えたい、と田口さんのコメント。
 田口さん「僕自身がそういう人間でありたいなって」
 

Never Lose My Vibe

・COSMOSCITYの中でも勢いとリズム感のある曲をバンドスタイルで披露。生演奏でも田口さんのキレのあるダンスは健在です。
・後日ZOOMファンミに参加された方から教えて頂いたのですが、この楽曲をバンドでやるのは水彩画Pさんの案だそうです。田口さんの復帰作であるCOSMOSCITYの曲の演出についてボカロPである水彩画Pさんから意見を頂けたのはとても嬉しいですね。ギターを弾いている水彩画Pさんも心なしか踊っているように見えた。
・サビに入る前の特徴的な振り付けが好きです。一番の盛り上げどころのメロディーにとても合ったダンスだと思う。
・ノリの良い曲の中でチラリと見えた、彼の「隠した牙」。
 

閉花予想

アサイウミさんの個性が溢れに溢れた爽やか切ないピアノロック。このライブは冬に近い時期の開催でしたが、この曲を聴くとジュウゴノシンゾウリリースの春の空気が自然に蘇ってきます。
・ここで序盤の緊張がリラックスしてきたのか心なしか田口さんの表情に笑顔が増えてきた気がする。彼が楽しそうに歌っている姿はやっぱり安心できますね。
・途中で映っていた青山さんが飛鳥さんとアイコンタクトを取っているように見えた。やっぱりバンドメンバーの中でもこのお二人はお互いに合図を送り合いながら演奏することが多いのかな。
・「君が僕にくれたこの景色」は、彼が感じているものでもあり、私たちが感じているものでもある。
 

MC

・バンドメンバーの演奏に支えられて、気持ちよく歌えているという田口さん。(伝わります)
・「過去は変えられないけど人は変われる、だから私は戻ってきた」というコメントが流れていた模様。どなたのコメントか今は分かりませんが、戻ってきてくれてありがとう。
スマホYoutubeiPadでニコニコ生配信の状況を確認。
 田口さん「おお、ニコ生が20,000になっとるwありがとうございます!」
 途中で思わず小走りでコメントを確認しにくるふぁみ。ちゃんがとても可愛いです。
・田口さんのライブ恒例の乾杯を忘れていたのでここで実施。乾杯前に皆さんにご挨拶。コロナ禍はアーティストにとっても大変だったけど、配信は配信の良さがあるのでこれもある意味「チャンス」だと思う。
 田口さん「飲み物飲みながらでもボリボリケツ掻きながらでも見れるしね!」(そんな奴おらんわ)
・しゃがんで皆さんの乾杯ギフトにお礼をする田口さん。多数のギフトでシャンパンタワーができる。煌めく夜空とシャンパンタワー!(分かる人には分かるネタ)
 

Raindrops

・な、なんと…このライブでこの曲が聴けるとは誰も思っていなかったので胸がざわめいた。コメント欄も騒然としていたのを覚えています。
・田口さんのソロアルバム「DIMENSIONS」に収録されている一曲。しっとりとした曲調とストーリー性のあるMVでファンからの人気も高く、ボカロリスナーの方々からも評価の高かった印象でした。
・今回このバンドの生演奏で聴けるという贅沢仕様に心が震えました。
・本来であれば権利の都合上歌えない曲ですが、生演奏であればその問題をすり抜けられるそう。その為残念ながら有料動画の映像はカットされているので幻のパフォーマンスとなりました。
・「優しいだけの君じゃなくてもまた会いたいよ」と思っていた方の胸にも深く突き刺さったと思います。
 

サタデーナイトクルージング

・秋の夜長で美しい夜を感じられるしっとりとした楽曲。曲の雰囲気に合わせてスタンドマイクを持ち出す。今回はこの曲でスタンドマイクパフォーマンスなのね。
・サラッと歌っているように見えますが元がボカロ曲なのもあってか息継ぎの個所が全くなくて超絶難しい曲なんですよこれ。それなのに途中でターンなんかかましちゃう余裕っぷり流石です。
・おでこに貼りついた髪には直前までの演出の激しさが表れている。
・「もう子供じゃないんだから」大人の曲もしっとりと歌い上げる34歳。
 

Good Day

・遂にこの曲でJTとDAZZさんとKIRAさんのスリーショットが実現。今まで諸々の事情で揃えなかったわけですが、復帰から1年でようやく集まることが出来て感無量です。
・生歌のDAZZさんのラップはやっぱり盛り上げ番長なんだなって感じます。田口さんのパートのタイミングでも会場を煽ることを忘れないDAZZさんは完全にライブの人。
・2番でKIRAさん登場。CD音源に比べて地声感の強い歌声ですが流石の歌唱力。CDの囁くような綺麗な声しか知らない方はこんなにパワー溢れる元気なお姉さんだと思わなかったんじゃなかろうか。
・「地球に飽きるまで何度でもリプレイ」したいパフォーマンスでした。
 

MC

スペシャルゲストのDAZZさんとKIRAさんを交えてのMC。この1曲の為に来てくださったお二人の温かさが画面越しにも伝わってきます。
 KIRAさん「大阪から呼んでくれたんですよJTが!」
・いつもは画面外でいそいそやってる田口さんのヘアメイクをその場でやってくれるDAZZ兄貴。
 KIRAさん「ちょっとその指先腹立つわw」
・Good Dayはそれぞれ二人で歌うことはあっても、全員揃うのは初めて。DAZZさんと二人で歌った時はKIRAさんはモニターでの出演だったとのこと。
・可能な限りMCトークを文字に起こしている私ですが、どう起こしていいのか分からない程賑やかな3人のトーク
 田口さん「あの、ちょっといい?笑い疲れるw」
・開演前にスターバックスでファンの方と会ったというDAZZさん。このご時世だからエアー握手をしたそうw
Youtubeニコニコ生放送のコメントをお二人にも見せる田口さん。
 コメント「KIRAちゃんホンマに1曲だけ…?」
 田口さん「アカペラで歌います?w」
 KIRAさん「薄紅の~秋桜が~♪」
 DAZZさん「昭和かよww」
・やっぱり盛り上げ上手なお二人と若干話の主導権を持っていかれる田口さんを見ると、この2人は西日本の方なんだと強く感じます。
 DAZZさん「西日本組面白すぎってコメント来てますね!」
 KIRAさん「たまにJT大阪弁になるよねw」
 田口さん「ちゃうねんちゃうねん、KIRAちゃん来るとなってまうねん」
 DAZZさん「…こんな下手な関西弁おる?もうやめとけよw」
・一般の人たちに自己紹介をして欲しい、とお二人にリクエストのコメント。「一般の人たちって何?」というお二人はどうやら宇宙人らしい。
・DAZZさんは北九州出身のラッパーさん。(私も同郷なので勝手に親近感)映像監督もされています。実は田口さんの踊ってみたシリーズ「lemon」と「ナーヴ・インパルス」の映像監督さんなんですよ。
・KIRAさんは名古屋生まれ大阪育ち、「浪花のグランデ」のシンガーさん。田口さんとは生まれて数か月名古屋にいた仲間。(なんのこっちゃw)DIMENSIONSの「GOEMON」でも一緒に歌った仲です。(本当に面白いお姉さんや…)
・楽屋でもずっとこのノリだったそう。大人しくしていたのはメイクをされていた時だけ。お互いが個々のアーティストとして頑張っているのを数分のMCから感じ取れ、感慨深かったです。
・前半戦はここで終了。Youtubeの無料配信もここで終了し、ニコ生有料会員のみの視聴に切り替わります。
 

Cc:京都遊郭にて、空蝉。

・後半戦一発目は、今年一番仲の良かった水彩画Pさん作曲のこの曲。ライブを見た方には分かると思いますが、このドラムのスネアから始まるのはライブだけの特別仕様ですよね。
・青いライトから赤いライトに変わる演出も妖艶な雰囲気が伝わる素敵な演出です。
・ジュウゴノシンゾウで唯一「女性視点」であることがはっきりしている楽曲ですが、男性の田口さんが歌ってこんなにもしっくりくるのが不思議。キーが難しいそうですが田口さんの声に合っていると思います。
・間奏の田口さんと水彩画Pさんの背中合わせは何度も見てるけど未だにドキドキする。
・正に「嗤い疲れた宴の後」の一曲でしたね。
 

ニライカナイ

・この曲が流れたら魚を降らせろ!は最早恒例。ここまでの間、魚ギフトを降らせる為にポイントを残していた方も多いんじゃなかろうか。
・有料動画でこのコメント芸が見られないのが寂しい。来月から月イチライブがツイキャスに移行するのでもうこの一体感も見納めか…
・私事ですが友人がこの曲をえらく気に入り、旅行の道中の車内で延々と流していました。
・魚の名前が多数出てくるファンタジーな楽曲ですが、その中にもしぇろ二期さんの世界観が入っています。「来世の貴方を僕に見せてくれよ」という思いにはライブできちんと答えてくれましたね。
 
 

フライアウト

・ここ1年で異なるセトリのライブを何度も見せてくれましたが、おそらくほぼ全てのライブセトリに入っていた曲です。彼がフライアウトもノイさんも大好きなんだということがよく分かる。
・ダンスを基調とした彼に、意外にもロック調が似合うのだということに気づかせてくれたノイさんに感謝。まさにこのバンドスタイルで髪を振り乱しながら歌うのにぴったりな曲だと思います。会場に居た方は立ち上がれないし声も出せないの本当にもどかしかったんじゃないかな。
・曲の最中、勢い余ってなのかそういうパフォーマンスなのか羽織っていたライダースジャケットが半分肩から落ちる。大きく開いたストライプのシャツから覗くデコルテは私を大いに興奮させましたよええ。
・「散り際でさえも壮大に」魅せてくれる彼を今後も期待したいです。
 

MC

・この一年という時間は僕にとっても本当に大きなものでした、と田口さんのコメント。また一歩前に進めたと言っていましたが、一歩どころかフルスピードで駆け抜けた一年だったと私は思うんですよね… 「一歩前に進むことは勇気がいるけど、その時還ってくるものは本当に大きい」という8月のライブのコメントにはとても勇気と元気を貰い、私個人も色々なことに挑戦できました。今回の「Chance」という大きなテーマを心から感じることができた方も多いんじゃないでしょうか。
・この後に歌う新曲は田口さんが久しぶりに歌詞を書いたもの。
 

Stay True

・「琥珀色の朝を迎えて」という歌い出しから始まる。琥珀色は琥珀の石のような色、透明感のある黄褐色ですよね。英語に倣ってアンバーとも言います。透明だけど少しくすんだ思いを表現しているんでしょうか。
・歌い出しからAメロの前に見せた表情がなんとも言えない切なさを含んでいたように見えた。
・まだ出来立ての曲なので正直音響の調整が少々安定しない感じもしますが、それも等身大の彼を感じる要素。
・「劣等、孤独と小さな夢」「苦しくて吐き出したいよ」なんて切ないリリックはいい意味で彼らしくなくて、逆にそこにアーティストとしての成長を感じました。
・「翼無くした命」というにはまだ早い。
 

MC

・今年の頭から主にボカロPさんをはじめとしたたくさんの方との出会いがあった。自由かつ発想力豊かな彼らに感化され、「この人たちと一緒になにかやりたいな」という思いからジュウゴノシンゾウが生まれたそうです。
・その中で知り合った水彩画Pさんとはプライベートも含めて色々な活動を共に出来て、夢が広がっていったとのこと。ふぁみ。さんや飛鳥さんとはその水彩画Pさんと共に立ち上げたボカロJUNctionを通して知り合うことができ、青山さんに至っては高校からの同級生として久しぶりに再会できて本当に嬉しかった。
 田口さん「人との出会いは宝だな、と改めて感じた素晴らしいバンドです」
・水彩画Pさんと作った「Stay True」では素直な気持ちを歌詞に込められたと思う。
・六本木morth-tokyoは復帰後の自分を暖かく迎えてくれた素晴らしい会場なので、スタッフの皆さんも今後は別の場所でどんどん活躍して欲しい。
・11月は月イチライブ、ファンミーティング、早稲田祭とイベント盛り沢山。
・感染対策の都合上アンコールの声は聞こえてこないけど勝手にアンコールします。でもコメントではアンコールのコメントがたくさん流れていたのを私はしっかり覚えておる。
 

Voices(アンコール)

・バンドバージョン二回目となるこの曲。言わずと知れた田口さんの復帰曲です。バンドスタイルのアンコールの定番になりつつある。
・バンドと名の付くアーティストは星の数ほどいますが、こんなにもボーカルが踊り狂うバンドは彼らだけでしょう。
・間奏部分のエレキギターとピアノのメロディーが入ってるアレンジはぶっちゃけオリジナルより好きです…スリー、ツー、ワン!で締めるのカッコ良すぎる。
・「声で鳴くボーカル」と「楽器で鳴く奏者」が奏でるVoicesは彼らの「本当の自分の声」といえますね。
 

MC

・最後に改めてバンドメンバーの紹介と、スペシャルゲストのDAZZさんとKIRAさん再び登場。KIRAさんはセクシーな衣装から着替え、全身Immotalスタイルのラフな服装で現れるw
 DAZZさん「いいマスクを着けてんね~♪」
・全員前に出てきて一礼。本当に素晴らしいメンバーでのライブでした。
 

■総括

以前から書こう書こうと思いながらもなかなか気合が入らず、ようやく重い腰を上げて書くことができました。
それぐらい熱を込めて書きたいライブだった。当日見られなかった方も是非有料動画で見て頂きたいです。
 
今回のライブのテーマは「Chance」。ライブには毎回テーマを用意して仕上げている彼ですが、ライブが終わる頃には掲げたテーマを皆様強く感じられたのでないでしょうか。ちなみにご存じかとは思いますが「Chance」の直訳は「好機」です。
 
前半無料配信というかなり攻めた発信で、普段ライブに来られたことのない方に自分の曲を聴いてもらえる「Chance」。
ボカロPさんやバンドメンバー、以前から交流のあるお二人と共にステージを作れる「Chance」。
コロナ禍でなかなかライブができない中、最後に六本木morth-tokyoで歌える「Chance」。
本当に色々な意味での好機となった時間だったと言えるでしょう。
 
「人との出会いは宝物」と彼が言っていましたが、人と出会える「チャンス」は誰にでもあるものの、その出会いを宝物にすることは本当に難しいと私は思うんですよね。
特にお仕事での出会いは飽くまでもビジネスなので、お互いに利がないとその後まで関係を続けていくのは大変です。始めるのも終わらせるのも簡単だけど、しがみつくことって本当に難しい。
それでもジュウゴノシンゾウで初めて知り合った水彩画Pさんとここまで密な関係になって、そこからこのバンドを作り上げたのは田口さんの人柄が成せる技であると私は自信を持って言えます。DAZZさんやKIRAさんが今も力になってくれるのもきっとそういうことですよね。
田口さんがそんな人で良かった。そんな田口さんのファンで良かった。
 
彼らは「グループ」ではなく「バンド」なのでマイクを持つのは彼一人ですが、彼は決して孤独じゃない。
あの頃とは違ってたった1本のマイクでも、きっと壁は壊せる。そんな風に感じたライブでした。
 

もう二度と失わないように ―SPECIAL LUNCH&DINNER LIVE SHOWCASEを観た感想

お久しぶりです、アンです。
ライブ三昧の年末ですがここ最近ライブレポがご無沙汰になっていたので久しぶりに書きたいなぁと。
お気軽にお読みくださいませ。
 
 

Lofty Dream

・最初は飛鳥さんのピアノ演奏からスタート。ラグジュアリーな会場のライブに相応しいオープニング。
 本日はゴージャスにグランドピアノでの演奏です。これは飛鳥さんのオリジナル楽曲なのかな?
・自然な形で「Lofty Dream」に入る。今日はロングジャケットの黒スーツに、短くカットした髪を大人っぽくスタイリング。
 バンドメンバーも黒で纏めた衣装でスタイリッシュです。
・一発目がスタンドマイクでの演出って珍しいなーって思ったけど今回のライブは基本このスタイルだったようです。
・バンドの皆さんにもスポットを当てたカメラワークが素敵。
・「高嶺の花」を意味する曲名の大人の恋愛の歌詞が、ここ一年でまたグッと大人の魅力が増した田口さんを引き立てます。
 

サタデーナイトクルージング

・オープニングで少し喋ってるけど聞き取れず。現場に入った皆さんには聞こえたのかな?
・これまた大人の恋愛って感じの曲ですよね。
 「たまにはやりがいってやつも心地が良いよな」なんて怠い身体で伸びをしながら言えるのなんて大人だけです。
・ピアノの旋律とドラムのリズムが入ることでロマンチックな夜景が自然に入ってくるような雰囲気になってます。
 

ペタルダンス

・冒頭でこの曲が入ってくるというかなりレアなセトリ。
・従来であれば締めに入ってくる曲ですが、歌っている田口さんの表情から歌詞をしっかり噛みしめて歌っているのが伝わってきます。
・いつもは余韻に入るようなタイミングなのでここでホロリと来てしまうんですが、今年の締めくくりともいえるライブなのでまた違う意味での灌漑深さを感じます。
 

MC

・本日の会場はラドンナ原宿。ランチ&ディナーショーなので今日は2回目の公演。
 会場のお食事は田口さんも一味先に頂きました。ツイキャスより)
・バンドメンバー紹介。ジュウゴノシンゾウライブからお馴染みのメンバーですが、今日はマニフェリーターのリョウさんが入っています。
iPadでニコ生のコメント確認。私も地方民なので配信で楽しませていただきました。
 ここだけの話今年最後の大盤振る舞いとしてギフトをかなり課金したっていうw
・いつもの乾杯タイム。今日はジュウゴノシンゾウからコラボカクテルをご用意。
 田口さんはノンアルコールの「ニライカナイ」で乾杯。
・位置の関係でよく見えるふぁみ。ちゃんの表情が素敵。
 

路地裏探訪

・ここで初めてアップテンポな曲!と思ったけど思えばこの曲はバンドメンバーが初めて演奏した曲でしたね。
 「ジャズ」というジャンルも今回のスタイルに合ってる気がする。
・カラスがないのでヒヨコのギフトを降らせる配信組。
・水彩画Pさんがギターの合間に手拍子してくれてるのが曲のコンセプトに合わせてくれている感じでとても良いです。
・後日談として飛鳥さんが直近のツイキャスで弾いてくれた曲でもあります。
・曲の締めで青山さんがアイコンタクトしているのがはっきり見えた。一体感を感じます。
 

Calling

・COSMOSCITYの曲でも田口さんが思い入れの深い曲として挙げる曲。
・コメントでも「コーラスでの低音が素敵!誰?」って言ってたけど、多分CDではトラックの下層の方にある田口さんの声だと思う。
 リョウさんがPCで音響調節してくれてるのかな。
・ダイヤモンドFesでのダンスが印象的な曲なんですが、歌唱に重きを置いた演出でも映える曲なんですね。
・低音だけでなく高音のハモリもよく聴こえた。
 

stay with me

・この辺りで今日のセトリのスタイルが何となく分かってくる。コメントしたけどロマンチックな曲で纏めてる気がする。
・そしてこの曲でも田口さんの低音ハモリがよく響いていた。
・一緒に歌ってくれているミクさんの声もよく響いてます。シンセサイザーは生きている。
・ジュウゴノシンゾウLIVEでは飛鳥さんのピアノオンリーで歌っていた曲ですが、全ての楽器の音が揃ったことでより深みが増している気がします。
・コメントでも仰っている方もいましたがやっぱり田口さんはライブの人ですよね。
 

MC

 田口さん「いつもとは違う会場なので、曲目もいつもとは違う感じにしてます(やっぱりそうですよね!)
・この曲(stay with me)、良い曲ですよね!と飛鳥さんに語り掛ける。
 ここで飛鳥さんが再び演奏してくれるw
 田口さん「ピアノ綺麗ですって言ってくれてますよ」
 飛鳥さん「あらまあ!
・次の曲は特別な雰囲気っていうことで、特別なカバー曲を披露。
 

flos(Cover)

・ジュウゴノシンゾウのサタデーナイトクルージングでお馴染み、R Sound Designさんの楽曲のカバー。
 田口さんがボカロ沼に落ちたきっかけでもある曲の一つ
・おそらく原曲キーで歌っているので、Rさんの曲は割と田口さんの声にマッチしているのかなーって思います。
・花の名前を囁くパートも忠実に再現。
・電波工作の放送中に「田口ファンに刺さりそうなボカロ曲」なるタグが存在したのですが、確かそこにも挙がっていた楽曲だった…と思う。
・映像も曲の作り方も情緒感が田口さんにとても刺さり、いつか歌いたいと思っていた。
 

▼素敵なご本家様

今日は折角のバンドスタイルなのでこの機会に披露。そのうち動画も公開予定とのこと。楽しみすぎますね。

MC

・クリスマスの予定はないけど、丸の内を歩いていてクリスマスの雰囲気を強く感じたという田口さん。
 田口さん「この一年本当に頑張ったなーって(本当にね…)
・今年はコロナで大変だったけど、配信で新しい形のライブができたり、直接お客様と合える機会の貴重さが身に染みた。
・今回はクリスマスにちなんでもう一つカバー曲を披露。
 

クリスマス・イブ(Cover)

・かの有名な山下達郎さんの名曲のカバー。
 田口さんの声質に合わせて本家より少し低めのキーでの演奏。これは老若男女問わず皆さんご存じでしょう!
・やっぱりこの手の曲にはピアノの旋律が映える。
・クリスマスなんて意識してたのは十代の頃くらいだけど、やっぱりこの曲が流れると街中にクリスマスの空気感を感じます。
 

MC

・今回、チケットの抽選予約の際に好きな曲のアンケートを取ってこの曲がやっぱり一番多かったとのこと。
 カラオケでしか歌ったことが無いのでドキドキしたけど楽しく歌えたそうです。
・バンドメンバーの青山英樹さんのお父様がこの楽曲のバックでドラムを叩いていたと!(素敵な偶然ですね)
 田口さん「今日、どうでしたか?」(このくだりは2回目らしい)
 青山さん「1回目よりはリラックスして…親父を感じて叩けたかなとw
 田口さん「今日(この曲を演奏したのは)初めて?…ではないか!」
 青山さん「いや、初めて…かも!
 田口さん「僕ね、ヒデとは(高校の)同級生なんですよ!
 青山さん「今日さ、楽屋で飯食ってたじゃん?なんか隣同士で飯食うのって高校の時思い出したよw
(高校の田口さんの話はメンバーからでさえも聞くことができなかったので、今のこの時聞けるのは非常に新鮮で嬉しかったです)
(でもお互いに左手でご飯を食べるという事実に気づいたのは今日が初めて)
 

▼良かったね…

 
・バンドメンバーとは仲が良くて、本当に身の無い話をしている。
 

Atmosphere

・この曲がバンドで聴けるのが本当に嬉しい。レア曲に感じるけどCOSMOSCITYの一発目の大事な曲です。
・配信組からすると星のギフトが使い勝手良すぎた。
・ジュウゴノシンゾウLIVEで初めて集結したバンドで演奏するとまた違う楽曲を聴いているような気分になる。
 

Cc:京都遊郭にて、空蝉。

・水彩画Pさんとふぁみ。ちゃんを入れたライブでやっぱりこの曲は外せませんね。
 コメント欄も「待ってました!」って感じのものが多い。
・今は流れるヘアセットではないけどあの頃よりずっと大人びた感じがする田口さんの色気が感じられる。
・ジュウゴノシンゾウLIVEでも思ったけどサビ前の水彩画Pさんの華麗なターンが良いなあって思います。
 指先だけでなく全身で奏でるギタリストさんですね。
・2番のサビでのアイコンタクト、間奏での背中合わせでは、二人の「言葉にはしないけど表現が一致した瞬間」を感じます。
 

MC

・この1年、すごく成長できる年になった。皆さんのお陰で踏ん張れたし、前に進める年になれたと思う、と田口さん。(ワイ氏、号泣)
・そんな中、自分の思いを歌詞に込めた曲を披露。
 

Stay True

・これで3回目の披露となる出来立ての曲。水彩画Pさんとの共作です。
・初披露の時より音響も演奏も洗練されていて歌詞もよく聞き取れるようになりました。
・以下、印象に残っている歌詞
 「悲しみを食べよう」「日々の終わりの手前で白い夢を見る」
 「この両手に抱えた劣等・孤独と小さな夢」「翼無くした命だとしても」
・前回にはなかった女性コーラスの声が聞こえた。京都遊郭でも聞いた覚えのある声だから水彩画さんのアレンジかな?
・「離さないで」が全面に現れたサビには「自分が自分を離したくない」という田口さんの思い。
 

MC

 田口さん「今年もう思い残すことはないです!(でしょうね!)
・来年はもっと皆さんとたくさんお会いしたい、やっぱり生の空間で会えるのは一生の思い出だと思うので、ずっとキラキラした思い出として残って欲しい。現場に来られなくても配信で楽しめる企画を用意したいと言ってくれました。
iPadで配信組のコメントを読み上げる田口さん、の前にスッと現れてコメントを覗き込む水彩画Pさんw
 田口さん「こうやってありがとうって言葉をかけて貰えるってね、すごく幸せなことですよ!」
 水彩画Pさん(暫く画面を凝視した後にスッ…と立ち去る)
 田口さん「な、何!?納得いった?何か腑に落ちましたねw良い仲間だって思ってくれたってことですよね?
 水彩画Pさん(頷いてる)
 田口さん「このバンドを率いてくれてる水彩画さん、今年一番時間を共にして、仲良くなって…楽しく二人で作ったStay Trueですしね!
 水彩画Pさん(コクコク)
(水彩画Pさんはステージ上では喋りませんが田口さんには通じている模様)
 

▼これですね

・会場で声が出せないお客様の代わりに自らアンコールをする田口さん。
 

Voices(アンコール)

・このバンドでお馴染みになったこの曲。ジュウゴノシンゾウで初めてバンドアレンジを聴いた時は涙が溢れそうになった。
・今日はダンスなしの曲が主のセトリでしたが、この曲で彼が踊り出すと「そうそう、これこれ!」というような実家のような安心感がある。
 楽器で鳴くバンドメンバーと踊りまくるボーカルが特徴的です。
・今日は音響の所為か普段楽曲では底の方に沈んでいるコーラスも良く聴こえました。
・USBに入ってないのが悔やまれるけど自身のMVをバックに歌っていたあの日が自然と蘇りますね。
・田口さんがあの時孤独に歌っているように思えたこの曲を皆さんが演奏してくれると、「彼は独りじゃないんだな」って思えます。
 

■総括

今年最後のバンドスタイルでのライブ、まさか今年中に3度も皆様に会えると思っていなかったので、ここに集えたことに本当に心から「ありがとう」と言いたいです。
全員個々に活動しているので「ここで俺が括るのも変かなって思って」敢えてバンド名は存在しない方々ですが、ここで終わらずに今後もたくさんの人々の目に触れる機会が多くあるといいなと思います。
 

バンドマスターの呟き

 

水彩画Pさんが「来年も」と言ってくださっているのが本当に嬉しい。
当の主催者が当日にツイートしてないもんだから、メンバー全員この水彩画Pさんのツイートに引リツで感想上げてるの笑う。(と、私はTwitterでも主張した)
メンバー限定ツイキャスで「バンド名をつけたらどうか?」という話をしていた時、「全員の頭文字を取るとどうだろう」とふと彼が言っていました。(だがしかし頭文字は色んな意味でやめとけって思うw)
年の順に並べると「STA…」となるそうなので、その話からすると水彩画Pさんは田口さんよりお兄さんなのかなーとか思ったり。
成程、それなら田口さんが懐いてるのも納得だw
 
字面的にあんまり宜しくないので頭文字案は速攻却下され、代わりに「印象に残ってる曲とかある?」と方向性を変えた質問を田口さんがした際に、ベースのふぁみ。ちゃんが真っ先に挙げたのは「Voices」でしたね。
おそらく過去に「HEROS」や「Moments」なるグループが存在したのでそこからの案なんでしょうけど、奏者である皆さんも確実に楽器で鳴いているという意味では、「Voices」、割とアリなんじゃないか?と感じました。
コメントでも流れましたが、コロナがもう少し大人しくなったらこのバンドでツアーとかやって欲しいですねぇ…。
 
そんなバンドを率いる水彩画Pさんと共に制作した「Stay True」は「自分が自分を離したくない」という思いを込めたそうです。
うん、そうだね。もちろんずっと自らを離さないでいて欲しいなって私も思うし、何よりこの1年でやっと掴んだその人たちの手をどうか離さないで欲しい。たった一人じゃステージは作れないんだから、さ…。
 
世間的にあまり良いことのなかった2020年でしたが、貴方のお陰で良い締めくくりとなりそうです。
楽しい1年をありがとうございました。
 

15人目の鳴き声 ―ジュウゴノシンゾウを推したいだけのレビュー

お久しぶりです、アンです。

最近ライブやらツイキャスやらでオタ活が非常に充実していますね。
11月になってからはご新規さんも多いので、これを機にジュウゴノシンゾウの総まとめ的なレビューを書きたいと思います。
初見さんにもたくさん聴いてもらえるといいな。
 

そもそも「ジュウゴノシンゾウ」って何?

田口淳之介×ボカロP総勢14名とのコラボアルバムです。
選び抜かれた14人のボカロP+田口さんで「ジュウゴノシンゾウ」です。
ネットを通して音楽活動を行うボカロPさんと共に制作した、渾身の一作。
 

▼【ジュウゴノシンゾウ】オフィシャルティーザー / 田口淳之介【Heart JUNction】

 

▼【タグラブ】”TA”Good Night LIVE vol.15 -ジュウゴノシンゾウ- 【田口淳之介

 

田口さんのコメント抜粋(タグラブより)

・従来、アーティストからボカロPさんに楽曲制作を依頼するというのは実はよくある話。その形式も勿論考えたが、自分としてはニコニコ動画特有の「二次創作の文化」が素晴らしいと思ったので、権利や縛りに囚われず皆が共有できるようなコラボにしたいと思った。
・楽曲というものには色々と難しい制約があり、権利の都合上歌えない、ということもある。(田口さんが過去に出した曲は権利の都合上歌えないらしい) 
 今回は「縛りは一切なくやりましょう!」というスタンスで、ボカロバージョンとの二方向での制作にした。
「音楽は独占するものじゃない」と思うので、今後もこの形でやっていきたい。
 水彩画Pさん「今の時代にすごくあったやり方です」
・制作にあたってボカロPの方々に公募を募ったところ、たくさんの方から応募して頂けた。このコラボをきっかけに「自分の音楽を聴いてもらいたい」という熱いメッセージを頂いたので、その気持ちを貰ったからには、と真剣にボカロPさん達の音楽を聴きまくった。
・集まったボカロPさん達の楽曲は個性が強く、ジャンルも様々。
・アルバム制作にあたってはテーマを決めることが多いが、今回は敢えてテーマを取っ払ったものにしようと思った。「とにかくボカロPさんの才能を見せつけたい」という思いで、様々なジャンルを織り交ぜたものとして作った。
・ボカロPさんと直接やり取りをして、会える方とは直接お会いして、一から作るということに凄く達成感を感じた。
・事務所にいた頃は、周りが全てを用意してくれて、自分は身一つで現場に入るだけで良かった。「東京ドームに俺は立ってたんだ」と思うと、事務所の凄い土台と発信力が身に染みた。
・だからこそ、自分の力でどういうことができるか、どういう風になりたいか考えている。自分は今とてもフラットな位置にいるけど、皆がいてくれることで確実に階段を1段、2段と上がっていっていると思う。
 水彩画Pさん「もう一度、東京ドーム目指しましょう、全力でフォローします」
・「ジュウゴノシンゾウ」と言うタイトルは元々は「Fifteen’s heart」で考えていた。でもボカロは日本を代表するカルチャーなので、日本語のタイトルにしてジャケットも日本の日の丸をイメージした白赤にした。
 
上記動画にて、ジュウゴノシンゾウにかけた想いを熱く語る田口さん。
参加されたボカロPさんも何人かの方がチャットに参加してくださいました。
その動画を元に各楽曲の「エモポイント」を私のレビューを含めて纏めてみます!
 

What Color  feat.オゾン

田口:ラスサビの「僕が僕であることの意味を」のアタックがついているところが好き。アルバムの一発目の曲に相応しく、自分のメッセージとして問いかけたい曲。皆にも自分自身に問いかけて感じて欲しい。
 

MVの少年が印象的。歌詞も変に難しい表現がなく、良い意味で若い方が作った曲なんだと分かる。
田口さんオリジナルの音サビの振り付けに毎回魅入る。
 

FEEL THE LIGHT feat.SPACELECTRO 

 

EDMというジャンルをこの楽曲で初めて知った。(音楽素人な故)
ジュウゴノシンゾウで唯一作詞者と作曲者が異なる楽曲です。
 

祈るほど後悔 feat.savasti

田口:サビの部分がパワフルに歌おうと思える曲。「嫌になって幸せになって~」の部分はとにかく声にパワーを出したかった。savastiさんが仕上げてくれたミックスを聴いて「やっぱり良いな」と思った。「厭厭厭」の部分は如何にもボカロっぽい感じ。
 

savastiさんの少し闇を感じる歌詞も、田口さんのダンスパフォーマンスとガツンとマッチする意外性が楽しい。
早くYoutubeにダンス公開して欲しいなー。
 

DIDA DIDA DIDA feat.左手

田口:サビ部分で皆が踊れる簡単な振り付けを考えたのでライブでは楽しんで欲しい。
 

ジュウゴノシンゾウに参加したボカロPさん達からの人気、堂々第一位の曲です。
ライブではみんな一緒に踊りましょう。
 

サタデーナイトクルージング feat.R Sound Design

田口:全体的に声を張る部分も殆どなく、チルな雰囲気。隣に座ってドライブしているような感じ。
 

仕事帰りの少し気怠い、でも心地よいmellowな雰囲気を感じられる曲です。
ドライブの車窓を撮っただけの映像だけでもMVとしてちゃんと成立してる。
 

Miss you feat.shino

田口:転調サビが聴きどころ。shinoさんは転調大好き芸人(笑)
shinoさん:転調サビ含めサビの泣きメロでがっつり聴き手の感情持っていきたいなっていうのはありますね~
 

田口ファンから一番人気の曲だと思う。(多分)
最初はスタンドマイクでのパフォーマンスがデフォでしたが、最近ダンスパフォーマンスも出来ました。TikTok見てね。
 

路地裏探訪 feat.るりまる

るりまるさん:路地裏探訪のエモポイントはドロップからの軽快なジャズ調に戻るとこですね~
田口:トラックの作り方の発想が自分の頭にはなかったので、それを形にするるりまるさんは凄いよね。歌ってみると難しいけど実際歌えるとすごく気持ちいい!「煩い」って漢字が読めなくて「ウザい」って読んじゃったw
 

歌い方が難しい曲ですが、バンドスタイルだったりダンスだったり魅せ方に無限の可能性のある楽曲です。
 

慣性スケーター feat.シシド

田口:今までギターサウンドは全然やってなかったので、そういう部分で新鮮さを感じた。「バッテンばっかつけれらても」の部分はエモポイント。
シシドさん:慣性スケーターの個人的エモポイントは2番Aメロ前のビャーという変な音のギターです。
田口:あの後の『パッとしない』っていう半濁音も小切れいいよね。
 

シシドさんは普段のツイートを見る限り凄く優しく繊細な方ですが、慣性スケーターのようなハードな曲を作っているというギャップがいいですね。
 

閉花予想 feat.アサイウミ


皆さんよく間違えられますが、「開花予想」ではなく「閉花予想」です。ハッピーエンドよりバッドエンドが好きなアサイウミさんの世界観が溢れる爽やか切ないピアノロック。

 

stay with me feat.平田義久

 

ジュウゴノシンゾウの制作のきっかけともなった平田義久さんのMellowシリーズの一つとして組み込まれた楽曲。
ライブではいつも田口さんの隣にミクさんの幻覚が見える。
 

Cc:京都遊郭にて、空蝉。 feat.水彩画P

田口:Youtubeの動画の伸びが一番いい曲。カッコいいMVになったMVは水彩画Pさんのアトリエで撮って、編集も水彩画Pさんが全て行った。
水彩画Pさん:空蝉のエモポイントは田口君の流れるヘアセットです。
 

水彩画Pさんのコメントに最初は笑ったけど、唯一絵的な部分に触れてるのが興味深い。
唯一実写MVとして制作できた方だからこそのコメントですね。
 

ニライカナイ feat.しぇろ二期

 

配信ライブではギフト芸が定着した曲。
初見さんもこの曲が流れたらとりあえず魚ギフト降らすか魚絵文字のコメントしとけばいいです。
ボカロ版と田口さん版でアレンジが大きく違うのも特徴。
 

フライアウト feat.ノイ

田口:二番のAメロの「安全なんて言っちゃって」の部分は本当にエモい。そこをライブでどう魅せるかなんて考えてニヤニヤしちゃう(笑)その後のギターの「キーン!」って音と、MVの色が反転するところが良い。
ノイさん:フライアウトのラスサビ頭の一瞬ブレイクが個人的エモです!
 

バンドスタイルで映える曲だと思います。毎回ライブのセトリに入ってるので田口さんの推し曲だと思う。
この曲もノイさんの優しく控えめな性格と楽曲の力強さとのギャップが良いです。
 

ペタルダンス feat.ジグ

田口:サビの部分の「強がって生きてたい」の部分はキーが高くて難しい。ファルセットにすることも頭をよぎったけど、ここは地声でしっかり伝えた方が曲としての印象がすごく良くなると思ったので頑張った。自分の思いにシンクロする部分が多かった楽曲。
ノイさん:ペタルダンスほんとに大好きです
 

『未来は変えられないけど過去は変えられる』という歌詞の意味を知った時は感銘を受けました。
この曲が流れるとライブのラストであるということをいつも感じる。
 

■総括

タグラブの中で、「孔雀の求愛のアクションは、羽を広げるところではなく『鳴き声』である」と話していましたね。
アーティストは鳴きによって表現をするものだということでした。
そ、そうなのか…。美しい羽を持つのは雄の孔雀だということぐらいは知ってましたが、それは知らなかった。
 
ノイさん:ぼくらボカロPは作詞が鳴きという感じですかね~
田口:そうですよね、どんな鳴き方もあるわけじゃないですか。歌詞に込めた想いをVOCALOIDに歌わせるというところもまた、良いですよね。シンセサイザーとして、楽器としての声かもしれないけど、彼ら(ボカロPさん)は確実に鳴いてますよVOCALOIDの曲を聴いて、心を動かしていくことがボカロPさんはできているわけですから。

冒頭でも話した通り、ジュウゴノシンゾウは14人のボカロPさんと、田口さんを足した総勢15人でのアルバムです。

楽曲制作を担当したボカロPさん14人に対して、15人目の田口さんの役割は何か?
それは、作詞者たちの思いを声に出して歌うことですよね。
中には「人間に歌ってもらう曲を作るのは初めて」というボカロPさんもいらっしゃいました。
正に、「鳴き」での表現を仰せつかったというわけです。
 
しかしながら、私がここ一番で彼の「鳴き」を感じたのは、ジュウゴノシンゾウLIVEのアンコールで歌った「Voices」なんですよね。
 


この楽曲は田口さんが例の一件の後初めて披露した復帰曲です。
公開されたときは、嬉しさの反面複雑さを感じた人も多かったと思います。
楽曲もダンスも素晴らしいのだけど、まだどこか踏み出せない気持ちがあったのが正直なところ。
 
でも、8月2日にアンコールでバンドスタイルで魅せたVoicesには彼の心からの鳴き声を感じました。
それはきっと11月の復帰からそれまでの間に、ジュウゴノシンゾウを通して彼の思いをたくさん聞くことができたから。
「自分の本当の声」という歌詞が入った曲でそれを一番感じられたというのもまた感慨深いですね。
 
あれから1年たった今、あの時とはまた違う気持ちで、「15人目」である彼の「鳴き声」を聴ける人が多いといいなと思います。
 

掌に、オンガクをひとつ。 ―Special Live -ジュウゴノシンゾウ- USB映像を見た感想

ジュウゴノシンゾウspecialliveのUSBが届きました。

8/2の公演から約3ヵ月、当初の予定よりは少し遅れたようですが、本来ライブの映像化というのはかなり時間を要するものなので、その間にも色々なお仕事と並行しての制作にしては早い方だったと思います。
ずっと心待ちにしていたので今日届いた時は速攻ウォッカのメロンソーダ割りを準備して鑑賞しました。
少々頭も整理できてきたのでここに感想を残したいと思います。
まだ届いていない、又は未視聴の方はネタバレにご注意ください。
 

田口淳之介 Special Live -ジュウゴノシンゾウ-

 2020.8.2 六本木 morph-tokyo
 

■live映像

詳しい内容についてはライブレポで語った通りなので割愛します。宜しければ下記をご覧ください。
 

 
・「デジタルの方が画質が綺麗だ」と思って、初の試みのUSB映像。そう言っていただけのことはあり、DVDとは比較にならないほどの高画質で鮮明な映像でした。
・配信の映像とはまたカメラワークが異なり、ライブUSB用に撮った映像という感じ。とりあえず田口さんの顔の良さが抜群に活きてた。
・音響の関係からか配信はCD音源の被せの印象がありましたが、USBではマイクの音をしっかりと拾っていて生歌感が強かった。
・バンドメンバー登場後は奏者にもしっかりフォーカスを当てたカメラワークです。飛鳥さんの弾く鍵盤、青山さんが叩くドラムも固定カメラで映しており、所々でアングル切り替え有り。シシドさんは慣性スケーター、水彩画Pさんとふぁみ。さんはCc:京都遊郭にて、空蝉。でバッチリ見せ場がありました。今回ライブに協力してくださったバンドメンバーの方々に対するリスペクトを強く感じます。
・MCは全カットで、息つく間もなく次々に曲が始まります。DVDではないのでチャプター割もありませんが、全体で1時間ぐらいなのであっという間に一周回って何周でも見れる感じ。
・お持ちのスマートフォンタブレットにデータ移行して視聴も可能。いやぁ、ベッドで寝ながら見たい私としては良いですね。テレビ派の人は少し戸惑った面もあるでしょうが、PCやスマホが映像視聴のメインになっている今の時代にすごく合った試みだと思います。コピーガードも何も付いてませんが、「コピーはやめてね♡」という田口さんのお願いを彼のファンがきちんと守るであろう、と信頼された仕様だと勝手に思っております。
・どうせなら田口さん独自のスタイルとしてUSBは今後も積極的にグッズ展開として活用して頂きたい。行く行くはUSBコレクション用のカードケースなんかグッズ化すると良いと思うんですが、どうでしょう田口さん。
 

■メイキング

リハーサルの様子や、バンドメンバーの方々のコメントがガッツリ入ってます。
ライブ本編では田口さん以外の方は殆ど喋ってないので、奏者の声を聴けるというのはなかなか貴重。
 
Dr:青山秀樹さん
「(田口さんとは)高校からの同級生で、色んな縁でまた一緒にできて嬉しい」
 
Twitterでも、17年来の友として田口さんとの共演を喜んで頂けて嬉しかったですね。「本当に色々あったけど」の重みが凄いよ…
・二人が一緒に過ごした高校は日本芸術高等学院です。同級生ですが、田口さんは編入生なので年齢でいうと田口さんの1個下ですね。(プライベートな話だけど割と有名だと思うので気安く書く)
・実はKAT-TUN時代にもCHAINというライブで共演あり。今回は6年ぶりの共演。
・確かニコ生で青山さんとカフェでお喋りした話をしていましたが、完全にこのライブでの共演を匂わせる伏線でしたね。
・ドラム歴は15年ほど。「全然成長しないですね!w」なんてまたまたご謙遜を…。田口さんをメインに抜いてたカメラワークでも良い位置に入っていたので青山さんの姿はよく見えたのですが、ドラムを演奏している時の笑顔が本当に素敵な方でした。
 
Gt:シシドさん
「めちゃくちゃ緊張してますけど頑張ります」
 
・ジュウゴノシンゾウ収録曲「慣性スケーター」を作曲してくださったボカロPさんですね。ギター歴は6年ほど。クールな曲調が多いので、実際にお姿を拝見した時は良い意味でイメージが違って可愛らしいウサギさんでした。ボカロPさんですがすごくゆるふわな感じの絵を描かれる絵師さんでもあります。
・今回のバンドでは水彩画Pさんとツインギターという贅沢仕様。水彩画Pさんは中盤で登場されるので、それまでのギター担当としてステージを盛り上げてくださいました。
・慣性スケーターのパフォーマンスでは田口さんにすごく絡まれてましたね。田口さんも作曲者と一緒にステージに上がれるのが本当に嬉しかったんだろうな、と伝わってきます。
・シシドさんの楽曲はテーマや歌詞にリアリティがあって共感できる部分がとても多いので是非他の楽曲も聴いて頂きたい。割と幻想的な曲が多い田口さんが歌う慣性スケーターにも、本人が同調できる部分が多かったようです。
 
Ba:ふぁみ。さん
「とにかく楽しんでできればいいなと思います!」
 
・ジュウゴノシンゾウ収録曲「Cc:京都遊郭にて、空蝉。」でベースを演奏してくださいました。今は延期となっているボカロJUNctionの出演予定の方でもあります。
Youtubeでフォロワー40万人越えの凄腕JKベーシストさんです。ベース歴は6年程だそうですが今の年齢から考えると相当幼い頃からされていたんですねぇ…
・彼女のベースの魅力は、とにかく楽しそうに演奏しているのが画面越しに伝わってくるところですね。田口さんのダンスを観ていても思うんですが、曲のチョイスや技術よりも一番パフォーマンスを魅力的に見せるのは「本人が楽しそうにやっていること」だと思うんですよ。田口さんも「こんなに楽しそうにベース弾く子がいるんだ」って言ってたしね。
・水彩画Pさんとふぁみ。さんとフォーティーンさん(MV絵師さん)はチームCc京都。みんなでダイヤモンドフェスを見に来てくださった仲良しチームです。これからも仲良くして欲しいな。
 
Gt:水彩画Pさん
「プレイヤーとして、テクニックも気持ち的にも熱い人が集まっているので良いライブになると思います」
 
・ジュウゴノシンゾウ収録曲「Cc:京都遊郭にて、空蝉。」を作曲してくださったボカロPさん。作曲もプレイヤーも動画編集も全部一人でされるというハイレベルな方です。
・もう「みんな大好き水彩画Pさん」と言っても過言じゃないくらい田口さんのファンにも支持されていると個人的に思います。プロジェクトへの参加から始まり、それ以外にもボカロJUNctionの立ち上げだったり今回のバンドマスターだったり、色々と田口さんのフォローをしてくださって頭が上がりません。
・水彩画Pさんの楽曲は曲自体のクオリティもさることながら映像へのこだわりの強さをとても感じます。例の楽曲のMVも撮影から編集まで担当してくださいましたが、非常に良い仕上がりとなっています。
・最近は田口さんと夜遅くまで黙々と作業してたみたいですね。田口さんのチラ見せが絶妙でしんどい。はよ見せろ。(これからもどうぞ宜しくお願いいたします)
 
Pf:飛鳥さん
「人と一緒に演じる機会があることが本当に個人的に嬉しい」
 
・ボカロJUNction出演予定のピアニストさん。多分ここからの繋がりだよね。今回のライブでは平田義久さんの「stay with me」の前奏として美しいピアノを奏でてくださいました。
・ピアノ奏者でもありますが実はカメラマンでもあります。Twitterによく美しい写真をアップされてます。田口さんが出演したダイヤモンドフェスではライブフォトを撮って頂きました。
・10月に発行された会報紙には彼が撮った田口さんの写真がしっかりと掲載されています。(そこでフルネーム見ちゃった)田口さんはステージで動いている様子を瞬間的に捉えた奇跡の一枚が特に美しいんですが、その奇跡を抜き取るのは実はとても難しい。しかし、飛鳥さんの写真は彼の限りなく正解に近い一瞬を見事に抜いていました。鳥の写真をよく撮られているので、動くものを撮ることが得意な方なのかなと個人的には思っています。
・今回のバンドメンバーは少しシャイな雰囲気の方が多い中、飛鳥さんは割と饒舌に話しておられる印象でした。「こんな若僧にも気さくに接してくれて、非の打ちどころのない方っているんだなって」というコメントに狂喜乱舞した田口ファンはこちらです。
・田口さんも飛鳥さんを含め若い方々とたくさん触れ合って、かつての自分を思い出すようなパワーを受け取っているのではないかと感じています。(しかし22歳とは…田口さんとちょうど一回りも離れてるのね…)
 
Vo:田口さん
「皆それぞれ実力者が揃ってくれて、気持ちよく歌わせてもらってる」
 
・田口さんのこのコメントの説得力は前述のバンドメンバーの説明を見て頂けると十分伝わると信じています。バンドスタイルはやっぱりCD音源とは音の厚みや迫力が全然違うので、田口さんも自信をもって歌えたと思います。
・メンバーが紹介されたときは皆さん見事に知っている方ばかりでとても感慨深かったのを今でも覚えています。全員この映像では表情までバッチリ抜かれていましたが、本当に楽しそうに演奏しているのが表情から伝わってきました。
・リハの映像のダンスのキレは相変わらず。こんなにボーカルが動くバンドは他に居ないであろう。ジュウゴノシンゾウの楽曲は田口さんのオリジナル振付がたくさん見られます。祈るほど後悔は傑作。
・ライブの練習は7月から1か月ほど行っている。ジュウゴノシンゾウを何か一つのステージとして完成させたいという気持ちからこのライブが生まれた。
 
その他のやりとりとか色々
・作者としてステージに出る気持ちってどうなの?とシシドさんに絡む田口さん。曲がまた新しく出来上がった感を感じつつ…と慎重に言葉を選ぶシシドさんに「作って終わりじゃないよね!」と田口さんがコメントします。(MC慣れしていないボカロPさんに自然な形でフォローする様子が良いですね)
・ボカロの文化は歌ってみた等の二次創作こそが魅力的で、田口さんが可能性を感じた部分。
 田口さん「もっとみんなが音楽に触れられるといいよね」
・ライブ当日のリハの映像もあり。当日の私服はマスクとお揃いのストライプ衣装。マイクテストとか映像のチェックとかの様子が凄くリアル。裏方の皆さんの声も聞こえる。店長の遊佐さんもお名前が聞こえました。ステージに立つ人から名前を呼んでもらえるのって凄く嬉しいことなんじゃなかろうか。
・本番前にはバンドメンバー全員で円陣。こういうの良いよねぇ…
 田口さん「くれぐれも楽しくなりすぎるようにお願いします!w」
・ライブ前の意気込みについてインタビュー。カメラマンはいつものふぁんさん。
 飛鳥さん「青山さんの睫毛が凄く長いなって話をしてました。睫毛がくせ毛なんですって!アイコンタクトでも睫毛ばっかり見ちゃうと思います」
 青山さん「嬉しいです。睫毛だけを頼りに頑張りたいと思います」
 いや何だこのやりとりw座ってインタビュー受けてる飛鳥さんとメイクされてる青山さんが交互に抜かれてるの笑うしかない。
 ふぁんさん「それはライブの意気込みじゃなくないですかw」
・いそいそとステージの準備をしている水彩画Pさんにもインタビュー。
 水彩画Pさん「今日はふぁんさんの眼鏡が白いなって感じですよ」
 ふぁんさん「そこじゃないと思いますw」
 すぐにふざけたがるところに定評のある人たち。田口さんがボーカルなだけあって緩いバンドだなぁ全くwしかし半数が顔出しNGのバンドでもシシドさんやふぁみ。さんはマスクONの顔が撮られてるのに対して、水彩画Pさんは頑なに首から下しか映らないところにバーチャル感を感じる。その後コロナ禍で人が集まってライブをやるのが久々で楽しみ、というきちんとしたコメントを下さりました。水彩画Pさんはライブ前に髪を切ったらしい。
・ライブを終えた感想を田口さんにインタビュー。ステージに出た時にお客さんが待ってくれていたことが嬉しかった。それに、バンドメンバーが終わった後に皆楽しかったと言ってくれたことがフロントマンとして何より嬉しい。
 田口「皆が楽しんでくれるのが本当に幸せだし、やれてよかったなって思います」

■総括

8月のライブ以降、アーカイブ期限が切れて丁度記憶から薄れかけていたころだったので、全てが新鮮に感じられました。
配信映像では割とMCが多いのもあって田口さんのライブ特有のアットホームで優しい雰囲気が印象的でしたが、USBの映像は完全に音楽にフォーカスを当てられているような感じがしました。
ライブ映像はこれまで何度も見てきましたが、演奏する方々の手元や楽器がここまで大映しにされるのってあんまり見たことが無いので、今回のカメラワークはそこに田口さんのこだわりを強く感じましたね。
また、バックのプロジェクターには楽曲のMV映像が映し出されていますが、そこも所々でアップになっていてこれはボカロPとのコラボ曲から成り立っているライブであるということが伝わってきました。
 
「ジュウゴノシンゾウを作る過程から、このライブまでが一つのパッケージだと思う」と田口さんがコメントしていました。
ジュウゴノシンゾウのリリースは6月ですが、それに付随して「ジュウゴノシンゾウspecialweak」なるものが存在し、ボカロPさんとの対談や、田口さんから制作過程のエピソードを語る生放送がありました。何名かのボカロPさんはチャットにも参加してくださいましたね。
それからの最終形として開催されたのがジュウゴノシンゾウspeciallive。それを収録した今回のUSBではバンドメンバー一人一人の肉声を聞くことができました。
その「一つのパッケージ」から、音楽やステージを作るのは本当にたくさんの方の手によって成り立っているものであるということを彼は伝えたかったのではないかな、と私は感じたんですよ。
彼が歌う姿なんてもう15年以上見ていますが、制作者や演奏者にここまでクローズアップした映像って初めて見る気がします。
青山さんなんてJ時代のライブに関わってる方なのにあの頃は全く知らないに近かったし、ましてや作詞や作曲や映像制作を手がけている方がどんな人だなんて考えたこともなかった。
でも、その人たちがいないと音楽もライブも出来上がらないので、今回そんな方々を一つのアルバムからたくさん知ることができたのは本当に貴重な機会だったなぁとしみじみ感じています。
実際、これまで携わってくださったボカロPさんや奏者さんや歌い手さんをTwitterで全員フォローしてから、以前よりだいぶ幅広い音楽を聴くようになりました。この間平田さんのアルバム買っちゃったしね。(滅茶苦茶良かったので良かったらチェックして欲しいです)
途中で「皆がもっと音楽に触れられるといいよね」という言葉は、他のジャンルの方々に自身の楽曲を聴いて欲しいという意味もありますが、同時に田口さんのファンの皆様にも色々なジャンルの音楽に触れて欲しいという意味も含んでいるんじゃないかな。
 
今回のUSBは手のひらサイズの非常にコンパクトなものですが、たくさんのボカロPさんをはじめとした方々の音楽がギュッと詰まっている1枚です。
11月のライブに初めて参戦されるご新規さんが個人的には散見されるのですが、いずれその方々に「何それ欲しかった…」と言われる日もそう遠くはないかな、と誇らしげにUSBを眺めている私でございます。限定版だからその時しか手に入らないプレミアなんですわ。
 
あの暑い暑い夏に行われたライブから約3ヵ月、11/4にはまたこのバンドメンバーが再び集結します。(シシドさんは残念ながら不在ですが…)
田口さんと昔から仲良くして頂いているDAZZさんとKIRAさんも来るよ。
その方々が同じライブに出るってなんか新鮮ですね。
 

 
「Chance」という名の通り、たくさんの方が彼の音楽に触れる「好機」となってくれるといいなと思います。